半導体株に逆風、TOPIXの底堅さは続くか 8月25日の日本株・朝の焦点
8月25日の東京市場は、半導体・AI関連株への売りが日経平均を押し下げる一方、内需・建設などへの資金分散が続くかが焦点です。
前夜の米国市場ではナスダック総合が0.8%安。日経225先物も現物終値を下回っており、寄り付きは上値の重い展開が想定されます。ただし、前日のTOPIXと東証グロース市場250指数は上昇しており、市場全体が一方向に弱いわけではありません。
- 日経平均:8月24日は488円安の6万5,528円09銭
- TOPIX:6.00ポイント高の4,073.29
- 米国市場:ダウは上昇、S&P500とナスダックは下落
- 朝の焦点:半導体株の下げと、内需・バリュー株への資金分散
※市場データは原則として8月25日午前8時までに確認できた公表値を使用しています。先物、為替、金利、商品は変動するため、寄り付き直前の水準も確認してください。
8月24日の日本市場は「日経平均安、値上がり優勢」
前営業日の東京市場では、指数ごとの強弱が大きく分かれました。
日経平均は前週末比488円27銭安(0.74%安)の6万5,528円09銭と続落。一方、TOPIXは0.15%高の4,073.29と3日続伸し、東証グロース市場250指数も0.38%高の771.37でした。
東証プライム市場では値上がり843銘柄、値下がり662銘柄、変わらず51銘柄。33業種中20業種が上昇しています。日経平均の下落幅だけを見るよりも、一部の値がさ株が指数を強く押し下げた日と捉える方が実態に近いでしょう。
半導体・AI関連への売りが日経平均を圧迫
日経平均では、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、キオクシアホールディングスなどが大きなマイナス寄与となりました。世界的な長期金利の高止まりが、高い成長期待を織り込む半導体・AI関連株の重荷になっています。
一方、業種別ではサービス、建設、その他製品、卸売などが上位でした。大型ハイテク株から離れた資金が、業績や内需を手掛かりに別の業種へ向かったことを示します。
売買代金は7兆円台まで減少
東証プライム市場の売買代金は概算7兆636億円、売買高は18億8,234万株でした。売買代金は3カ月半ぶりに8兆円を下回り、重要材料を前に積極的な売買が控えられた形です。
薄商いの局面では、先物や指数寄与度の高い銘柄の動きが日経平均を振らせやすくなります。25日も日経平均とTOPIXが同じ方向を向くかを確認する必要があります。
前夜の米国市場はハイテク株が重荷
8月24日の米国市場はまちまちでした。
- ダウ工業株30種平均:140.15ドル高の5万3,417.16ドル
- S&P500:21.51ポイント安の7,652.86
- ナスダック総合:200.26ポイント安の2万5,980.19
- ラッセル2000:22.79ポイント安の2,995.08
ダウは0.3%上昇しましたが、ナスダック総合は0.8%下落。半導体株の弱さが続き、日本の値がさ半導体株にも逆風となりやすい組み合わせです。
米国債利回りは低下し、原油価格も下落しました。金利低下は一般に成長株の支えになりますが、この日はエヌビディアの決算を控えた警戒が勝りました。同社の決算発表は26日に予定され、25日の東京市場でも半導体株への持ち高調整が続く可能性があります。
寄り付き前の先物・為替・金利・原油
25日未明に確認できた外部環境は、日経平均の寄り付きに対してやや弱めです。
- 日経225先物ミニ:6万5,285円(午前2時01分時点)
- ドル円:1ドル=159円06銭(同)
- 日本10年国債利回り:2.90%(午前0時56分時点)
- 米10年国債利回り:4.69%(午前2時時点)
- WTI原油先物:1バレル=85.14ドル、2.21%安(同)
先物は日経平均の現物終値を約240円下回っていました。この差が朝まで維持されれば、日経平均は売り先行になりやすいでしょう。
ドル円は159円近辺で、輸出企業の採算面では支援材料です。ただし、円安が一段と進めば輸入物価や国内金利への警戒を強めるため、株式市場全体に一律の追い風とは限りません。
原油安は資源株には逆風となる一方、燃料や原材料を輸入する企業にはコスト面の支えです。前日に下落率上位だった鉱業と、運輸・消費関連の反応差を確認したいところです。
8月25日の注目イベント
国内では午後2時に、日本銀行が「消費者物価のコア指標」を公表する予定です。市場が注目するのは、基調的な物価上昇がどの程度続いているか。結果を受けて国債利回りが上昇すれば、高PERのグロース株には重荷となり、銀行など金利上昇の恩恵を受けやすい業種との格差が広がる可能性があります。
海外では、次の予定を確認しておきましょう。
- 午前10時30分:豪州準備銀行の8月会合議事要旨
- 午後11時:米国7月新築住宅販売件数
- 午後11時:米国8月消費者信頼感指数
米国の指標は東京市場の取引終了後ですが、米景気と金利の見通しに関わります。後場では、発表を前に先物で持ち高を落とす動きが出るかが注目点です。
強気材料と弱気材料
強気材料
- 前日はTOPIXとグロース250が上昇し、プライム市場でも値上がり銘柄が過半数だった
- ドル円が159円近辺にあり、輸出関連には採算面の支えが残る
- 米長期金利と原油が前夜に低下し、金利・コスト面の圧力がいったん和らいだ
- 建設、サービス、卸売などに資金が分散している
弱気材料
- 米ナスダックと半導体株が下落し、日本の指数寄与度が高い半導体株に売りが波及しやすい
- 日経225先物が現物終値を下回り、寄り付きの下押しを示唆している
- エヌビディア決算を翌日に控え、積極的に半導体株を買いにくい
- 国内外の長期金利はなお高水準で、株式の割高感が意識されやすい
ここがポイント: 日経平均が下がっても、TOPIXや値上がり銘柄数が崩れなければ、全面安ではなく「半導体から他業種への資金移動」が続いていると判断できます。
寄り付き・前場・後場で見るポイント
寄り付き:6万5,500円近辺を保てるか
最初の焦点は、日経平均が前日終値の6万5,528円近辺で下げ止まるかです。前日も6万5,500円台の25日移動平均線が意識されました。
先物にさや寄せしてこの水準を明確に下回る場合、半導体株の売りが先物売りを呼ぶ展開に注意が必要です。反対に、安く始まってもTOPIXが底堅ければ、指数の下げほど地合いは悪くないと判断できます。
前場:半導体以外へ買いが広がるか
前場では次の組み合わせを見ます。
- 半導体・AI関連株の売りが一巡するか
- 建設、サービス、卸売など前日上昇業種が続伸するか
- 円安を受けて自動車など輸出株が下支え役になるか
- 原油安を受け、資源株と燃料コストの影響を受ける業種がどう分かれるか
日経平均だけが安く、TOPIXと騰落銘柄数が底堅い状態なら、物色の循環は維持されています。TOPIXまで下げ幅を広げ、値下がり銘柄が急増する場合は、リスク回避が市場全体へ広がったサインです。
後場:日銀資料後の金利反応
午後2時の日銀公表資料後は、国債利回りと銀行株、グロース株の反応が重要です。
基調的な物価の強さが意識され、長期金利が上昇すれば、銀行株優位・高PER株劣位の構図が強まりやすくなります。反対に金利が落ち着けば、前日から売られた半導体・グロース株に買い戻しが入る余地があります。
想定シナリオ
基本シナリオは、半導体株の弱さで日経平均の上値が重い一方、TOPIXは相対的に底堅い展開です。寄り付き後に売りが一巡すれば、建設、サービス、内需などへの資金分散が下支えする可能性があります。
ただし、6万5,500円近辺を割り込み、TOPIXと騰落銘柄数も悪化するなら、単なる指数寄与度の問題ではなく地合い全体の悪化を疑う必要があります。
25日に確認したいのは、次の3点です。
- 日経平均が6万5,500円近辺を維持できるか
- TOPIXと値上がり銘柄数が日経平均より底堅いか
- 午後2時以降、国内金利の動きが銀行株とグロース株の差を広げるか
エヌビディア決算前で半導体株の方向は定まりにくいだけに、25日は日経平均の値幅より、下落が市場全体へ広がるかどうかを優先して見たい一日です。
※本記事は市場情報の整理を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
