日経平均518円安でもTOPIXは上昇、AI関連と広がる買いの温度差|9月14日大引け
9月14日の東京株式市場は、日経平均が前営業日比518円35銭安の6万3492円99銭で続落した。一方、TOPIXは0.74%高、東証グロース市場250指数は2.26%高。日経平均の下落だけでは捉えきれない、銘柄間の強弱が目立つ一日だった。[出典:国内市場データ]
次の立会日は9月15日。AI関連への売りが落ち着くかとともに、TOPIXや小型成長株の上昇が続くかが焦点になる。
- 日経平均は続落したが、主要3指数の方向は分かれた。
- AI関連への警戒が重荷となる一方、ソフトウェア株には見直し買いが入った。
- 次回は中国の経済指標と20年国債入札、その先の米連邦公開市場委員会(FOMC)を意識する局面となる。
主要指数はまちまち、日経平均は安値から持ち直す
以下は9月14日15時30分の終値。記事の情報基準は同日16時(日本時間)とする。
- 日経平均:6万3492円99銭(前営業日比518円35銭安、0.81%安)
- TOPIX:4058.21(同29.91ポイント高、0.74%高)
- 東証グロース市場250指数:785.32(同17.39ポイント高、2.26%高)
日経平均の日中安値は6万2726円18銭。終値はそこから約767円戻したものの、前営業日比ではマイナスを残した。TOPIXとグロース250の上昇を合わせると、日本株全体から一様に資金が逃げたと読むのは適切ではない。[出典:国内市場・主要指数]
東証プライムの売買代金は、確認できた前場概算で3兆9100億円。前場市況では値上がり銘柄が多かったと報じられている。ただし、大引けの売買代金と値上がり・値下がり・変わらずの確定数は確認できていない。前場の数字を一日分として扱わず、買いの広がりの評価にはこの留保を置く。[出典:前場概況]
AI関連に売り、ソフトウェア株には買い
業種別では、サービス業が4.09%高、保険業が2.45%高。一方、非鉄金属は2.35%安、情報・通信業は1.87%安だった。ソフトバンクグループは10.72%下落した。[出典:業種別・個別株データ]
背景として市場報道が挙げたのは、米AI企業経営者の発言を受けたAI投資への警戒だ。これに対し、NECや富士通などのソフトウェア株には見直し買いが入ったと報じられている。発言の原文を確認できていないため、ここでは市場が材料視したとの報道として捉える。[出典:AI投資減速の懸念でソフトウェア株に見直し買い]
この動きから読み取れるのは、技術関連株を一括して売買する相場ではなかったことだ。AI投資拡大への期待を背負う銘柄と、企業向けシステムやソフトウェアを提供する銘柄で評価が分かれた。翌日も、この違いが続くかを見たい。
米国株高だけでは支えきれず、為替と金利も確認
東京市場に先行した9月11日の米国市場では、ダウ平均が509.19ドル上昇した。原油価格の下落が、インフレ再燃への警戒を和らげたと報じられている。また、14日朝に確認されたCME日経225先物の円建て清算値は6万4535円で、大阪の日中終値を575円上回っていた。いずれも14日の東京市場が始まる前の材料であり、大引け後の先物水準ではない。[出典:海外市場概況]
ドル円は14日11時33分時点で153円88銭。株式の終値と同時刻ではないため、引け時点の円安・円高を示す数字としては使わない。[出典:為替データ]
国内長期金利の同日終盤の水準も確認できていない。保険株高を金利上昇だけで説明することは避けたい。翌日は国債入札を受けた利回りの変化が、金融株と成長株の双方にどう波及するかが確認点になる。
引け後の決算は、場中の材料と分けて見る
16時までに確認した範囲では、15時30分以降の決算・適時開示について、内容と公表時刻を照合できた個別案件はない。これは「発表がなかった」という意味ではない。
翌朝に確認するのは、TDnetの適時開示に掲載される業績予想の修正、自社株買い、増配など。好材料が出た場合も、当該企業だけの変化か、同業他社の業績を読む手掛かりになるかで、市場全体への意味は異なる。
9月15日は買いの継続と中国指標、国債入札が焦点
次回の東京市場は9月15日9時から15時30分。日中にも相場の見方を変えうる予定がある。
- 11時:中国の8月鉱工業生産・小売売上高など。 中国需要に関わる機械、素材、消費関連株の反応を確認する。
- 20年国債入札。 入札後の金利変化と、保険・銀行株、成長株の値動きを合わせて見る。
- 13時30分:日本の7月第3次産業活動指数。 国内サービス需要を確かめる材料となる。
- 米国ではFOMCが開始。 政策金利の発表予定は日本時間17日3時で、15日の東京市場中に結果が出るわけではない。
予定は翌週の重要イベントによる。さらに日銀の金融政策決定会合は17・18日に予定されており、週後半まで金利と為替への感応度が高まりやすい。[出典:日銀・公表予定]
強気側のシナリオは、AI関連の売りが一巡し、TOPIXとグロース250の買いが続く展開だ。その場合、日経平均も14日の高値圏である6万3700円近辺を回復できるかが目安になる。
弱気側は、AI関連の下落に加えて、金利上昇や海外指標の悪化が他の業種にも売りを広げる展開。その際は、日経平均の6万3000円と14日安値の6万2726円近辺に加え、TOPIXまで下向くかを確認したい。これらは売買を決める線ではなく、14日から地合いが変わったかを比べる目安だ。
15日の寄り付きでは日経平均の反発幅だけを追わず、TOPIX・グロース250の方向と、プライム市場の値上がり銘柄数を並べて見る。買いが続いているのか、一日の見直しにとどまったのかが次の判断材料になる。
