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5日ぶりに開く東京市場——9月24日の寄り付きが背負う4つの宿題

連休明けの再開を前に静まり返った早朝の東京の取引フロア

東京市場は今日も明日も開かない。次に板が動くのは9月24日(木)の午前9時で、9月18日(金)の大引けから数えて5日ぶりの立会いになる。

その空白の間に、相場を動かす材料は止まらなかった。日銀の利上げ会見、原油の急落、157円台の円安、そして24日当日に予定される米中首脳会談。24日の寄り付きは、これらをまとめて値段に付け直す作業から始まる。

  • 前回立会日(9/18): 日経平均は882円高の65,018円95銭。ただしTOPIXは小幅マイナスで、上昇の広がりは乏しかった
  • 休場中の最大の変化: WTI原油が前週末の100.30ドルから95〜96ドル台へ。4日続落
  • 未消化の材料: 18日15時30分からの植田総裁会見。「政策の局面は変化した」というタカ派発言は、株式市場が値段で反応する前に取引が終わっていた
  • 24日の焦点: 米中首脳会談、ドル円157円台での介入警戒、そして22日・23日の米国市場2日分
目次

前回立会日(9月18日)に何が起きたか

日銀が政策金利を0.25%引き上げ、1.25%とした日だった。1995年以来の水準で、6月会合以来3カ月ぶりの追加利上げ。票は賛成7・反対2。

株式市場はこれを「引き締め」ではなく「打ち止め接近」と読んだ。反対票が2つ出たことで利上げペースの加速は難しいとの見方が広がり、日経平均は午後にかけて上げ幅を拡大している。

指数(2026年9月18日 大引け)

指数終値前日比
日経平均株価65,018.95円+882.70円(+1.38%)
TOPIX4,091.14-3.05(-0.07%)
東証グロース市場250指数808.98+19.63(+2.49%)

ここで目を引くのは、日経平均とTOPIXの食い違いだ。日経平均が1.38%上げた日に、TOPIXはわずかながら下げている。指数寄与度の大きい値がさ株に買いが集中し、市場全体の値上がりの裾野は広がらなかった、と読むのが自然な形だ。グロース250の2.49%高は、原油と米金利の上昇一服が新興株の買い安心感につながったもので、日経平均とは別の理由で上げている。

つまり18日の「882円高」は、地合いの全面改善というより、材料ごとに買われる先が分かれた一日だった。

株式市場が織り込めなかった会見

重要なのはその後だ。植田総裁の記者会見は15時30分開始。大引け後である。

会見で総裁は、物価が2%目標を超えて上振れするリスクを挙げ「政策の局面は変化した」と述べた。さらに、連続利上げや0.5%幅の大幅利上げについても「物価情勢次第で排除できない」とした。市場が想定してきた「おおむね半年に1回」のペースを、総裁自身が否定した形になる。

為替と債券は会見後も取引が続いたためこれを消化したが、日本株の現物は反応する場を与えられないまま5日間閉じた。24日の寄り付きが背負う一つ目の宿題がこれだ。

ここがポイント: 18日の日経平均882円高は「利上げペースは加速しない」という読みで付いた値段。その前提を総裁自身が引けた後に揺さぶった。24日の寄り付きは、882円高の根拠を点検し直すところから始まる。

休場中に動いた外部環境

原油:100ドル割れが最大の変化

日銀を利上げに追い込んだ要因の一つは原油高だった。その原油が、休場入りと同時に崩れている。

  • WTI先物は9月21日時点で95〜96ドル台。前週末の終値は100.30ドル
  • 4営業日続落。月間では上昇、年間では5割超の上昇という高値圏からの反落である
  • 背景は中東情勢の緊張緩和観測。対イラン外交に前向きな姿勢が伝わったことが売りを誘った

原油安は日本株にとって二重に効く。輸送・素材・電力などコスト負担の重い業種の採算改善に直結し、同時に「物価上振れリスク」という日銀のタカ派化の根拠を一段弱める。18日の会見が弱気材料なら、原油の崩れはその効き目を削ぐ方向の材料だ。

為替:157円台、上には介入警戒の壁

ドル円は9月21日のニューヨーク市場で157円17銭から157円53銭まで上昇した。日銀が利上げしたにもかかわらず円安が進んでいる構図で、背景には今週FRBも利上げに踏み切り、米金利が高止まりしていることがある。

ただし上値は軽くない。市場では158円近辺にできた介入警戒の壁が戻りを抑えるとの見方があり、週間の予想レンジは155.00〜158.00円とされている。日米協調介入の記憶も残る。

輸出関連にとっては追い風だが、157円台の円安は日銀の次の利上げを引き寄せる材料でもある。素直に株高とだけ読める水準ではない。

金利:30年ぶり高水準からの小幅低下

10年債利回りは9月1日に2.985%と、1996年以来30年ぶりの高さを付けた。18日の利上げ決定後は2.95%程度へやや低下している。決定そのものは織り込み済みで、売り材料として出尽くした形だ。

水準としては依然として歴史的な高さにある。銀行株の追い風であると同時に、高PER銘柄のバリュエーションには重しとなる。18日にTOPIXが伸びなかった一因もここにある。

米国:18日は小動き、21日は反発

  • 9月18日(金): ダウ51,682.64ドル(-95.40ドル)、S&P500種7,650.50、ナスダック総合26,522.55。FRBの3年ぶり利上げを消化した週末だった
  • 9月21日(月): ダウは366ドル高で反発。原油安と米中協議への期待が買いを誘った

21日の米国株は、日本株が休んでいる間に「原油安 → 金利低下 → ハイテク買い戻し」という流れを先に作っている。

24日の当日材料:米中首脳会談が同じ日に来る

東京市場が再開する9月24日は、米中首脳会談が予定されている日でもある。

前段として9月20日、ベッセント財務長官と何立峰副首相がニューヨークで閣僚級協議を行い、米国側はAI関連の安全保障上の脅威が生じた際の相互通報メカニズムを提案した。通商問題も議題に上がっている。21日のニューヨーク市場は、この流れを好感して買われた。

日本株にとっては、半導体・AI関連と、中国売上比率の高い機械・電子部品にストレートに効く材料だ。首脳会談の内容が伝わるのは日本時間で東京市場の引け後になる可能性が高く、24日の日中は「期待だけで買われる」形になりやすい。前場に織り込んだ期待が、翌25日に裏切られるパターンには注意がいる。

休場中と当日の海外イベント

  • 9月22日(火): 米リッチモンド連銀製造業指数
  • 9月23日(水): 米9月PMI速報値(製造業・サービス業・総合)。米景気の勢いを測る材料として週内で最も重い指標
  • 9月24日(木): 米新規失業保険申請件数、8月新築住宅販売件数/米中首脳会談
  • 9月25日(金): 米耐久財受注、ミシガン大学消費者態度指数確報値

23日のPMIは東京が休んでいる間に出る。24日の寄り付きが織り込む海外要因は、21日・22日・23日の3営業日分になる点を忘れないでほしい。

なお、日銀の企業向けサービス価格指数の次回公表は9月28日で、24日の国内指標は薄い。当日は海外要因が主導しやすい。

強気材料と弱気材料

買いを支えうる材料

  • 原油の100ドル割れ。コスト改善と、日銀タカ派化の根拠の後退が同時に効く
  • ドル円157円台の円安。輸出採算と想定為替レートの上振れ余地
  • 米中首脳会談への期待。半導体・AI関連と中国関連の売上比率が高い業種
  • 21日の米国株反発と、長期金利の上昇一服

上値を抑えうる材料

  • 植田総裁の「連続利上げ・0.5%幅も排除せず」という発言が、まだ現物株の値段に反映されていない
  • 10年債利回り2.9%台という30年ぶりの高水準。グロース株のバリュエーションに重い
  • 158円接近での為替介入警戒。円安が急に巻き戻るリスク
  • 18日のTOPIX小幅安が示す、上昇の広がりの乏しさ
  • 中東情勢の改善観測は報道ベースで、反転すれば原油安の前提が崩れる

条件付きのシナリオ

いずれも寄り付き前時点の見立てであり、確定した数字ではない。

  • 原油安が主導する場合: 陸運・電力・素材など燃料コスト負担の重い業種が買われ、TOPIX優位の広がりのある上昇になりやすい。ただし日経平均の上げ幅は限定的になりうる
  • 日銀会見の消化が主導する場合: 銀行・保険が買われる一方、グロース250と高PER銘柄が売られる。18日と正反対の物色になる
  • 米中首脳会談への期待が主導する場合: 半導体・AI関連と中国関連が買われ、日経平均主導の上昇。ただし会談結果が出るまで持ち高を傾けにくく、後場は伸び悩みやすい
  • 円安が巻き戻る場合: 158円手前での介入警戒が現実化すれば、輸出株中心に上値が重くなる

24日の時間帯別に見るポイント

寄り付き前

  • シカゴ日経平均先物の大取終値比。5日間の空白を埋める水準がここに出る
  • 22日・23日の米国市場の結果、特に23日のPMIへの反応
  • ドル円が157円台を保っているか、158円に接近しているか
  • WTIが95ドル台に留まっているか、100ドル方向へ戻していないか

前場

  • 日経平均とTOPIXの騰落率の差。18日と同じく日経平均だけが走るなら、物色の幅は広がっていない
  • 東証プライムの値上がり銘柄数。指数の上昇に裾野が伴っているかの判断材料
  • 銀行株とグロース250の方向。この2つが逆向きなら、市場は植田会見を織り込みにいっている
  • 5日ぶりの再開で売買代金が膨らむかどうか。薄いまま指数だけ動く場合、値動きの信頼度は落ちる

後場

  • 米中首脳会談に関する断片的な報道への反応
  • 大引けにかけての持ち高調整。会談結果が引け後に出るなら、日中に傾けた持ち高を戻す動きが出やすい

押さえておきたい点

  • 24日の寄り付きは、18日の引け後に出た植田総裁のタカ派会見を現物株が初めて値段にする場面になる
  • 原油の100ドル割れは、そのタカ派化の根拠を弱める逆向きの材料。どちらが優先されるかで物色の中身が変わる
  • 日経平均とTOPIXの騰落率の差、値上がり銘柄数、売買代金の3点で、上昇の広がりを確認する
  • 米中首脳会談の結果は東京の取引時間中には固まらない見込み。期待先行の値動きと、翌25日の反動を分けて考える
  • ドル円158円は介入警戒の水準。円安の追い風が突然消える可能性を前提に置く

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