MENU

円高警戒でも見たい 海外売上比率が高い日本株10選

円高警戒でも見たい、海外売上比率が高い日本株10選

総合評価: ★★★★☆ ひと言結論: 海外売上比率の高さだけでは足りません。足元は円安追い風の一本足ではなく、業績の質と次回決算前の値位置まで見て選びたい局面です。

投資判断は自己責任であり、以下の内容は将来の成果を保証するものではありません。確認時点は2026年5月5日です。株価や指標は主に2026年4月14日から5月1日に確認できた公開データを基にしています。

  • 足元の注目点は、4月30日の円急騰と当局の介入観測で、「円安なら全部追い風」という見方がやや崩れたこと
  • そのため今回は、海外売上比率が高いだけでなく、直近業績、利益率、還元、次回決算イベントまで確認しやすい銘柄を優先
  • 買い下がりよりも、決算前の監視レンジを決めて待つほうが組み立てやすい銘柄が多い
  • 半導体製造装置の代表格は直近記事と重なりやすいため外し、機械、消費、医療、ゲームまで広げて比較した
目次

なぜ今このテーマを見るのか

海外売上比率が高い企業は、国内景気だけでなく米国、欧州、アジアの需要を取り込めます。日本株の中でも売上源泉が分散しやすく、ひとつの地域の失速を別の地域で埋められるのが強みです。

ただし、今の相場では単純に「円安メリット株」として見るのは危ういです。4月30日には円相場が急伸し、日本当局の対応が意識されました。為替が揺れると、同じ海外比率の高い企業でも、値持ちするのは利益率が高い会社、価格決定力がある会社、次の決算で数字を出せる会社です。

ここがポイント: 海外売上比率は入口にすぎません。今は「為替感応度」よりも、「海外で稼ぐ力が利益に残るか」を見たほうが実戦的です。

10銘柄の比較一覧

銘柄海外売上比率評価向く投資スタイル監視レンジ利確・見直し目安要点
任天堂(7974)76.4%★★★★☆中期7,900-8,300円9,200-9,800円Switch 2の立ち上がり確認局面
アシックス(7936)80.5%★★★★☆短中期4,400-4,600円5,000円前後海外ブランド伸長だが高評価帯
ヤマハ発動機(7272)93.9%★★★☆☆中期・配当1,050-1,120円1,200-1,280円超高海外比率だが利益のブレ大
ダイキン工業(6367)84%★★★★☆中長期19,500-20,000円21,000-22,000円空調の地力と海外展開の厚み
キーエンス(6861)64.8%★★★★☆長期60,000-62,000円66,000-68,000円高利益率だがPERは重い
SMC(6273)80.0%★★★☆☆中期68,000-70,000円75,000-78,000円FA循環回復の取り込み待ち
シスメックス(6869)86.7%★★★★☆中長期1,380-1,420円1,500-1,560円医療機器の安定成長と還元
ニデック(6594)84.6%★★★★☆中期2,150-2,200円2,300-2,450円割安感が出たグローバルモーター株
シマノ(7309)90.8%★★★☆☆中長期16,000-16,400円17,500-18,500円在庫調整後の回復を待つ段階
オリンパス(7733)89%★★★★☆中長期1,520-1,560円1,650-1,750円内視鏡の海外基盤が強い

個別に見る10銘柄

1. 任天堂(7974)

海外売上比率はFY2025で76.4%。日本より米大陸と欧州の比重が大きく、もともと為替影響を受けやすい構造です。一方で、足元の投資材料は為替よりSwitch 2の立ち上がりです。

  • 2026年3月期9カ月累計売上高は1兆9,058億円、営業利益は3,003億円
  • 通期会社計画は売上高2兆2,500億円、営業利益3,700億円
  • 6月発売のSwitch 2は発売後4日で350万台超と初速が強い
  • 株価は4月15日終値8,189円、PBR3.17倍

強気材料 – 新ハード立ち上がりでソフト販売とオンライン収益の積み上がりが見込める – 既存IPが強く、海外売上の厚みがそのまま利益の伸びに転びやすい

弱気材料 – 5月8日の本決算前で、期待先行の反動が出やすい – 海外販売が会社想定を下回ると、株価は為替より販売計画の修正に反応しやすい

見方 短期で飛びつくより、7,900円台から8,300円前後で押し目を待ちたい銘柄です。9,000円台では決算確認を優先したいところです。

2. アシックス(7936)

海外売上比率は80.5%。欧州、北米、その他地域まで広く伸びており、日本依存の低さが目立ちます。海外ブランド力を数字で確認しやすい1社です。

  • FY2025売上高は8,109億円、純利益は987億円
  • 2025年地域別では欧州2,096億円、北米1,454億円、日本1,584億円
  • 株価は5月1日終値ベースで4,332円、4月16日データではPBR12.42倍、ROE予40.51%

強気材料 – 欧州と北米での販売が太く、ランニング関連のブランド競争力が高い – ROE水準が高く、利益成長が株価評価につながりやすい

弱気材料 – PBRが高く、良い決算でも上値反応が鈍る可能性がある – 中国や景気敏感消費の失速が出ると、海外成長ストーリーに水が差す

見方 4,400円台までの押しがあれば短中期で見やすい一方、5,000円近辺では評価先行を警戒したい銘柄です。

3. ヤマハ発動機(7272)

海外売上比率は93.9%で、今回の10銘柄の中でも最上位クラスです。海外比率だけで見ると非常に魅力的ですが、利益のブレまで見ないと危険です。

  • FY2025売上収益は2兆5,342億円、営業利益は1,263億円
  • 日本売上1,553億円、海外売上2兆3,788億円
  • 株価は4月30日1,106円、配当利回りはおおむね4%台

強気材料 – 二輪、船外機、ロボティクスまで事業分散が効く – 海外売上が極端に大きく、長期ではグローバル需要を取り込みやすい

弱気材料 – 2025年は利益が細り、米国需要や関税、調達コストの影響を受けた – 見かけの高配当に寄りかかると、業績回復確認前に捕まりやすい

見方 配当狙いの中期向きです。1,050円近辺までの押しを待ち、1,200円超では回復の中身を確認したい銘柄です。

4. ダイキン工業(6367)

海外売上比率は会社開示ベースで84%。空調で世界展開している強みが、そのまま地域分散になっています。

  • 売上高は4兆7,523億円規模
  • 4月15日終値は20,250円、PER予22.13倍、PBR1.88倍
  • 5月12日に本決算予定
  • 4月には米国訴訟の開示、加えてElliottの保有報道も出た

強気材料 – 世界空調需要を取り込みやすく、北米・欧州・アジアに厚い – PBRは過熱感が強すぎず、業績次第で再評価余地がある

弱気材料 – 決算前で様子見が入りやすい – 米国訴訟など、業績以外のノイズが出やすい

見方 19,500円台なら中長期で拾いやすい候補です。21,000円台では決算通過後の反応を見てからでも遅くありません。

5. キーエンス(6861)

海外売上比率は64.8%。今回の中では比率はやや低めですが、営業利益率の高さが別格です。海外で売っても利益が残る会社、という見方ができます。

  • 2025年3月期売上高1兆591億円、営業利益5,498億円、営業利益率51.9%
  • 2026年3月期3Q累計売上高は8,346億円
  • 4月15日終値62,750円、PER38.17倍、PBR4.56倍、ROE12.95%

強気材料 – 海外事業は過去10年平均で15%超の成長 – 高収益体質で、景気減速局面でも利益防衛力が比較的強い

弱気材料 – PERは重く、少しの失速でも株価調整が大きくなりやすい – 中国や製造業投資の鈍化が出ると上値が抑えられる

見方 長期で持ちたい質の高い銘柄ですが、値段は安くありません。60,000円台前半までの押しを待つほうが入りやすいです。

6. SMC(6273)

海外売上比率は80.0%。空圧制御の世界シェアが高く、地域分散も効いています。ただし、FAは景気循環の影響を受けやすい点を忘れにくい銘柄です。

  • 2025年3月期売上高は7,921億円、当期純利益1,563億円
  • 4月15日終値71,960円、PER29.06倍、PBR2.22倍、ROE9.07%
  • 5月14日に決算予定

強気材料 – 中国を含むアジア、欧州、米国に売上が広がる – 設備投資サイクルが戻れば、利益回復のレバレッジが大きい

弱気材料 – 現時点では回復期待が先行しやすい – 決算で受注や在庫の戻りが弱いと失望売りが出やすい

見方 景気敏感の回復待ち枠です。70,000円割れを監視しつつ、決算の受注コメントを確認したい銘柄です。

7. シスメックス(6869)

海外売上高比率は86.7%。医療機器の中でも海外基盤が厚く、景気敏感株より業績の振れが読みやすいのが利点です。

  • 2025年3月末時点の売上高は5,086億円
  • 海外売上高比率86.7%
  • 4月15日終値1,432円、PER21.77倍、PBR1.78倍、ROE11.57%
  • 3月に自己株取得と消却を発表

強気材料 – ヘマトロジー、血液凝固、尿検査で世界首位級のポジション – 還元策が明確で、株価の下支え要因になりやすい

弱気材料 – 中国や新興国の医療予算・通貨動向の影響は受ける – 急騰するタイプではなく、短期妙味は限定的

見方 派手さより安定感を重視する中長期向きです。1,400円前後の押しを拾い、1,500円台では決算の内容を見て続行判断をしたいです。

8. ニデック(6594)

海外売上比率は84.6%。モーターの用途が広く、欧州、米国、中国、アジアに売上が分散しています。今回のテーマの中では、指標面の割安感が見えやすい側です。

  • 2025年3月期売上高2兆6,078億円、営業利益2,378億円
  • 4月15日終値2,207円、PER12.65倍、PBR1.44倍
  • 4月24日に本決算を公表済み

強気材料 – グローバル売上基盤に対してPERが低め – 欧州と米国の売上が大きく、事業再編が進めば利益改善余地がある

弱気材料 – M&A後の統合や事業ポートフォリオ再編が常に論点になる – 安いからすぐ上がる銘柄ではなく、改革の進み方が必要

見方 中期で評価しやすい銘柄です。2,100円台後半までの押しを待ち、2,300円超では業績モメンタムの継続を確認したいです。

9. シマノ(7309)

海外売上比率は90.8%。自転車部品と釣具で世界展開しており、日本比率はかなり低い部類です。

  • 2024年12月期の地域別売上からみる海外比率は9割超
  • 4月14日終値16,525円、PER34.02倍、PBR1.65倍
  • 4月23日に決算予定として公表

強気材料 – 欧州とアジアの売上が厚く、競争優位が崩れにくい – 財務の強さがあり、長期で下値不安が相対的に小さい

弱気材料 – 自転車市場は在庫調整後の需要回復がまだ読みづらい – ROEは高くなく、回復確認に時間がかかると資金が集まりにくい

見方 短期で攻めるより、回復確認型の中長期向きです。16,000円前後の監視が基本線になります。

10. オリンパス(7733)

2025年3月期の地域別売上構成では、日本は11%にとどまり、海外売上比率は89%です。内視鏡の海外基盤が収益の中心になっています。

  • 2025年3月期売上高9,973億円、営業利益1,625億円
  • 地域別売上は北米4,138億円、欧州2,546億円、日本1,101億円
  • 4月16日終値1,586円、PER18.58倍、PBR2.26倍

強気材料 – 海外医療需要に直結し、北米比率が高い – 医療機器としての継続需要があり、景気循環だけでは崩れにくい

弱気材料 – 会社計画修正や訴訟、品質関連の話題には注意が必要 – 成長株というより、安定成長株として見たほうがズレにくい

見方 1,500円台前半なら中長期で入りやすい候補です。1,700円近辺では次の決算内容を見たいです。

投資スタイル別に見るなら

短期で見やすいのは、値動きと材料がはっきりしている銘柄です。

  • 短期向き: アシックス、任天堂
  • 中期向き: ダイキン、ニデック、SMC、ヤマハ発動機
  • 長期向き: キーエンス、シスメックス、シマノ、オリンパス

短期は決算前後の値幅を取りに行く発想、中長期は為替よりも海外需要の持続と利益率の維持を追う発想が合います。

共通リスクと、前提が崩れる条件

このテーマ全体に共通する逆風もあります。

  • 円高が一段と進み、会社前提レートを大きく下回ること
  • 米国や欧州の景気減速で、海外売上の量が落ちること
  • 関税や通商摩擦で、価格転嫁が追いつかないこと
  • 決算で在庫調整長期化や受注鈍化が確認されること
  • 高PER銘柄で、良い決算でも材料出尽くしになること

次回立会日までの注目点

最後は、抽象的な「今後に注目」ではなく、見る場所を絞っておきます。

  • 5月8日: 任天堂の本決算。Switch 2関連の販売前提と利益計画
  • 5月12日: ダイキン、オリンパスの決算。海外需要と会社計画の強弱
  • 5月13日から14日: アシックス、シスメックス、SMCなどの決算。成長継続か、期待先行か
  • ドル円: 160円接近時の当局対応と、155円台までの円高定着の有無
  • 買う位置: 25日線から大きく上に離れた銘柄は無理に追わず、決算前の押し目待ちが基本

海外売上比率が高い銘柄群は、円安局面ではまとめて上がりやすい反面、円高警戒が出ると選別が急に厳しくなります。次の決算で見るべきなのは、売上の多さではなく、海外で稼いだ売上が営業利益と通期計画にきちんと残っているかです。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次