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継続課金で選ぶサイバーセキュリティ関連株10選

継続課金で選ぶサイバーセキュリティ関連株10選

継続課金で選ぶサイバーセキュリティ関連株10選

投資判断は自己責任であり、この記事の内容は将来の運用成果を保証するものではありません。株価・指標・決算予定は、2026年7月11日時点で確認できる情報をもとにし、株価関連データは原則として2026年7月10日の東証終値ベースで整理しています。

今回の結論はシンプルです。サイバーセキュリティ関連株は、単なるテーマ人気ではなく「継続課金」「高ROE」「人材・運用サービスの伸び」を同時に確認できる銘柄を優先したい局面です。

一方で、すでに高PBR・高PERまで買われた銘柄も多く、決算で成長率が少し鈍るだけで売られやすい面があります。攻めるなら成長株、守るなら配当と収益安定、という使い分けが必要です。

この記事で分かることは次の4点です。

  • サイバーセキュリティ関連10銘柄のオススメ度と投資スタイル
  • PER、PBR、ROE、配当利回りから見た割高・割安感
  • 各銘柄の強気材料と弱気材料
  • 短期・中期・長期で見る購入ラインと売却ラインの考え方
目次

サイバーセキュリティ株を見る軸

このテーマでは「事件が起きたら買われる銘柄」より、日常的に契約が積み上がる会社を優先したいところです。

企業のクラウド利用、生成AIの普及、リモートワーク環境、官公庁・防衛関連のシステム強化は、いずれも一度導入して終わりではありません。監視、認証、WAF、メール対策、ログ管理、教育、SOC運用などが継続的に必要になります。

見るべき指標は、単純な売上成長率だけではありません。

  • ARRやサブスクリプション収益が伸びているか
  • ROEが高く、利益を資本効率よく生んでいるか
  • PER・PBRが成長率に見合っているか
  • セキュリティ人材、クラウド費、人件費の増加を吸収できるか
  • 信用買い残や急騰後の反動で短期需給が重くなっていないか

ここがポイント: サイバーセキュリティ株は「需要が強いから買い」では足りません。継続課金が伸び、利益率を維持し、バリュエーションが許容できる銘柄ほど中期で見やすくなります。

10銘柄の比較一覧

まず全体を見渡します。星評価は、確認時点の業績、収益性、バリュエーション、株価位置、テーマ純度を総合した目安です。

銘柄オススメ度向く投資スタイル株価PERPBRROE監視したい購入ライン売却・利確ラインの目安
トレンドマイクロ(4704)★★★★☆中期・大型安定6,277円22.40倍7.34倍28.24%6,000〜6,200円6,800〜6,900円
デジタルアーツ(2326)★★★★☆中期・収益安定3,965円14.14倍2.89倍19.17%3,700〜3,850円4,400〜4,600円
ソリトンシステムズ(3040)★★★★☆中期・配当も意識1,988円15.69倍2.75倍18.01%1,850〜1,950円2,250〜2,300円
FFRIセキュリティ(3692)★★★☆☆短期・中期成長5,340円37.28倍11.18倍33.48%4,800〜5,100円6,000〜6,300円
サイバーセキュリティクラウド(4493)★★★★☆中期成長1,913円22.67倍4.24倍27.02%1,750〜1,850円2,050〜2,150円
グローバルセキュリティエキスパート(4417)★★★★☆中期・人材需要3,980円29.98倍13.61倍39.74%3,650〜3,850円4,500円前後
セキュアヴェイル(3042)★★☆☆☆短期・小型材料299円24.21倍1.79倍8.51%270〜290円350〜400円
イー・ガーディアン(6050)★★★☆☆中期・割安寄り1,747円19.61倍1.68倍8.04%1,600〜1,700円1,900〜2,000円
網屋(4258)★★★☆☆短期・高成長4,380円43.12倍18.02倍30.28%3,900〜4,200円5,000円前後
HENNGE(4475)★★★★☆中期・クラウド認証1,213円23.89倍10.31倍40.59%1,100〜1,180円1,330〜1,350円

星だけで見るなら、バランスがよいのはデジタルアーツ、ソリトンシステムズ、サイバーセキュリティクラウド、HENNGEです。高成長の上振れを狙うならFFRIセキュリティ、グローバルセキュリティエキスパート、網屋。ただしこの3社はPBRが高く、決算後の値幅も大きくなりやすい銘柄です。

1. トレンドマイクロ(4704)

大型株でサイバーセキュリティに乗るなら、まず確認したい銘柄です。

2026年7月10日の株価は6,277円。PERは22.40倍、PBRは7.34倍、ROEは28.24%です。2026年第1四半期は売上高738.56億円、営業利益155.58億円で増収増益となり、法人向けのVision One関連が材料になっています。

強気材料は、グローバルで法人向けセキュリティ需要を取り込める点です。個人向けから法人向け、単品販売からプラットフォーム型へ移るほど、収益の継続性が増します。

弱気材料は、PBR7倍台まで評価されていることと、外貨建て売上・費用による為替影響です。成長期待はすでに株価にかなり織り込まれています。

  • 短期: 6,000円近辺への押し目を待ちたい
  • 中期: Vision OneのARR成長が続くなら保有候補
  • 長期: グローバル競争で利益率を維持できるかが条件
  • 購入ライン: 6,000〜6,200円
  • 売却ライン: 年初来高値6,900円接近、または法人向け成長鈍化

2. デジタルアーツ(2326)

割高感を抑えながらセキュリティ需要を取りたい銘柄です。

株価は3,965円。PER14.14倍、PBR2.89倍、ROE19.17%、配当利回りは2.52%です。2026年3月期は売上高108.35億円、営業利益47.91億円で増収増益。公共向け案件や主力製品の堅調さが支えです。

この銘柄の魅力は、成長株というより収益性の高いミドルリスク銘柄として見られる点です。ROEは19%台で、PBRもテーマ株としては極端に高くありません。

弱気材料は、成長率が高成長SaaS銘柄ほど大きくないことです。決算で増収増益でも、投資家が「伸びが物足りない」と判断すれば株価の反応は鈍くなります。

  • 短期: 3,700〜3,850円の押し目確認
  • 中期: PER14倍台なら業績安定株として見やすい
  • 長期: 公共・教育・企業向けの更新需要が継続するか
  • 購入ライン: 3,700〜3,850円
  • 売却ライン: 4,400〜4,600円、または利益率低下

3. ソリトンシステムズ(3040)

配当と業績伸長を両方見たい投資家に向きます。

株価は1,988円。PER15.69倍、PBR2.75倍、ROE18.01%、配当利回りは3.02%です。2026年12月期第1四半期はITセキュリティ事業が好調で、売上高51.65億円、営業利益9.08億円。営業利益は前年同期比53.2%増でした。

強気材料は、自社製品・サービスの伸びで粗利率が改善している点です。セキュリティ製品が単なる販売代理ではなく利益率の改善につながっているなら、中期評価は上がりやすくなります。

弱気材料は、株価が6月に年初来高値2,314円を付けた後、2,000円前後で足踏みしていることです。好決算をどこまで織り込んだかを確認する必要があります。

  • 短期: 1,850〜1,950円の下値固めを確認
  • 中期: 増配とITセキュリティ利益率の維持を重視
  • 長期: 自社サービス比率が高まるかが焦点
  • 購入ライン: 1,850〜1,950円
  • 売却ライン: 2,250〜2,300円、または通期上方修正なしで失速

4. FFRIセキュリティ(3692)

高ROEと防衛・安全保障材料を評価する一方、値動きの荒さを受け入れる銘柄です。

株価は5,340円。PER37.28倍、PBR11.18倍、ROE33.48%です。2026年3月期は売上高43.48億円、営業利益13.64億円で大幅増収増益。官公庁・防衛産業向け案件、パートナー販売、OEM販売が材料です。

強気材料は、国内の安全保障関連需要と高度なセキュリティ技術の希少性です。2026年7月上旬には出来高を伴って上昇した局面もあり、短期資金が入りやすい銘柄でもあります。

弱気材料は、年初来高値10,430円から大きく下げていることです。成長期待が高い分、受注タイミングや人材確保に遅れが出るとバリュエーション調整が大きくなります。

  • 短期: 4,800〜5,100円で反発確認
  • 中期: 官公庁・防衛案件の継続性を確認
  • 長期: 高度人材の採用と利益率維持が条件
  • 購入ライン: 4,800〜5,100円
  • 売却ライン: 6,000〜6,300円、または受注成長鈍化

5. サイバーセキュリティクラウド(4493)

ARRを重視するなら、今回の中心候補の一つです。

株価は1,913円。PER22.67倍、PBR4.24倍、ROE27.02%、配当利回りは0.31%です。2026年12月期第1四半期は売上高13.93億円、営業利益3.62億円。ARRは51.94億円まで伸びています。

強気材料は、クラウド型WAF「攻撃遮断くん」や「WafCharm」の継続課金です。サイバー攻撃への備えは一度導入すると解約しにくく、運用サービスを追加できれば単価上昇も見込めます。

弱気材料は、クラウドセキュリティ領域の競争です。技術変化が速く、単価や解約率に変化が出ると、ARR成長への評価が下がります。

  • 短期: 1,750〜1,850円で出来高を伴う反転を確認
  • 中期: ARR成長率と営業利益率をセットで確認
  • 長期: WAF以外の運用サービス拡大が鍵
  • 購入ライン: 1,750〜1,850円
  • 売却ライン: 2,050〜2,150円、またはARR成長鈍化

6. グローバルセキュリティエキスパート(4417)

セキュリティ人材不足そのものを成長材料にする銘柄です。

株価は3,980円。PER29.98倍、PBR13.61倍、ROE39.74%、配当利回りは1.23%です。2026年3月期は売上高110.22億円、営業利益22.38億円。次期も増収・営業増益を見込んでいます。

強気材料は、教育、コンサル、運用支援まで含めた人材・サービス需要です。企業は製品を買うだけではセキュリティ体制を作れず、実装できる人材や外部支援が必要になります。

弱気材料は、PBR13倍台という高評価です。人件費上昇や採用難が利益率を圧迫すると、成長率が高くても株価は調整しやすくなります。

  • 短期: 年初来高値4,530円後の調整を待つ
  • 中期: 3,650〜3,850円なら押し目候補
  • 長期: 教育・運用支援の需要継続が前提
  • 購入ライン: 3,650〜3,850円
  • 売却ライン: 4,500円前後、または採用費増で利益率低下

7. セキュアヴェイル(3042)

小型株としての値幅を狙う銘柄で、安定投資向きではありません。

株価は299円。PER24.21倍、PBR1.79倍、ROE8.51%、配当利回りは1.00%です。時価総額は22億円台と小さく、テーマ株として資金が入ると動きやすい一方、出来高や需給の影響も大きく受けます。

強気材料は、PBRが今回の10銘柄の中では低めで、株価水準も小口資金が入りやすいことです。監視や運用系の需要が広がれば、材料株として反応する余地があります。

弱気材料は、ROEが8%台にとどまる点です。高ROE銘柄が多いサイバーセキュリティ関連の中では、収益性の見劣りが残ります。

  • 短期: 270〜290円で下値確認後の反発狙い
  • 中期: 業績改善が数字で出るまで慎重
  • 長期: 継続収益の厚みを確認してから
  • 購入ライン: 270〜290円
  • 売却ライン: 350〜400円、または出来高急減

8. イー・ガーディアン(6050)

純粋なセキュリティ専業ではないものの、割高感を抑えて周辺需要を取りたい銘柄です。

株価は1,747円。PER19.61倍、PBR1.68倍、ROE8.04%、配当利回りは2.18%です。ネット監視、投稿監視、カスタマーサポート、セキュリティ周辺のBPO需要を取り込む企業として位置づけられます。

強気材料は、PBR1倍台、配当利回り2%台という相対的な低バリュエーションです。高PBRの成長株が売られる局面では、守りの選択肢になりやすい銘柄です。

弱気材料は、ROEが8%台で、テーマ純度も専業銘柄ほど高くないことです。サイバーセキュリティ相場の中心銘柄として買われるには、成長材料の明確化が必要です。

  • 短期: 1,600〜1,700円台前半の押し目確認
  • 中期: 配当とPBR1倍台を支えに保有
  • 長期: セキュリティ周辺サービスの利益貢献が焦点
  • 購入ライン: 1,600〜1,700円
  • 売却ライン: 1,900〜2,000円、またはROE改善が見えない場合

9. 網屋(4258)

データセキュリティの成長を評価する一方、バリュエーション管理が重要な銘柄です。

株価は4,380円。PER43.12倍、PBR18.02倍、ROE30.28%です。2026年12月期第1四半期は売上高17.62億円、営業利益3.47億円で増収増益。データセキュリティ事業のセグメント利益が大きく伸びました。

強気材料は、データ保護やログ管理の需要がクラウド化とともに拡大している点です。ROE30%台で成長が続くなら、高い評価を一定程度説明できます。

弱気材料は、PBR18倍台です。年初来高値5,040円に近い水準まで買われた後は、決算前後で期待値の調整が起きやすくなります。

  • 短期: 3,900〜4,200円まで待つ方がリスクを抑えやすい
  • 中期: データセキュリティ事業の利益成長を確認
  • 長期: 財務体質の変化と有利子負債を監視
  • 購入ライン: 3,900〜4,200円
  • 売却ライン: 5,000円前後、または高PBR修正局面

10. HENNGE(4475)

クラウド認証・ID管理の継続課金を評価する銘柄です。

株価は1,213円。PER23.89倍、PBR10.31倍、ROE40.59%、配当利回りは0.49%です。2026年9月期第2四半期は売上高61.29億円、営業利益12.68億円。ARRは119.04億円まで伸びています。

強気材料は、HENNGE OneのようなクラウドID管理・認証サービスが、企業のSaaS利用拡大と相性がよいことです。メール、ID、アクセス制御は止めにくい領域で、ARRの積み上がりが評価されやすい銘柄です。

弱気材料は、PBR10倍超の評価です。ARRが伸びていても、成長率が市場期待を下回ればバリュエーション調整が起こります。

  • 短期: 1,100〜1,180円の押し目を監視
  • 中期: ARR成長と営業利益率の両立を確認
  • 長期: 大企業向けID管理の継続拡大が条件
  • 購入ライン: 1,100〜1,180円
  • 売却ライン: 1,330〜1,350円、またはARR成長率低下

投資スタイル別の使い分け

同じサイバーセキュリティ関連でも、狙い方はかなり違います。

短期向き

短期で見るなら、出来高が増えやすく、材料への反応が大きい銘柄が中心です。

  • FFRIセキュリティ
  • 網屋
  • セキュアヴェイル
  • グローバルセキュリティエキスパート

ただし短期組は、急騰後の反落も速いです。年初来高値や直近高値に近いところで飛びつくより、決算前後の押し目、出来高急増後の一服、信用買い残の整理を確認したいところです。

中期向き

中期では、継続課金と利益率の両方を見ます。

  • サイバーセキュリティクラウド
  • HENNGE
  • ソリトンシステムズ
  • デジタルアーツ
  • トレンドマイクロ

このグループは、四半期決算でARR、営業利益率、配当、通期見通しを確認しながら保有判断を更新するのが現実的です。

長期向き

長期では、テーマの強さだけでなく競争力の持続性が必要です。

  • トレンドマイクロ: グローバルな製品競争力
  • デジタルアーツ: 公共・教育・企業向けの安定需要
  • HENNGE: クラウドID管理の継続課金
  • サイバーセキュリティクラウド: WAFと運用サービスの拡張

長期で持つなら、株価より先に「解約率」「ARR成長」「営業利益率」「人材採用」の変化を追うべきです。

共通リスクと次に見るべきポイント

サイバーセキュリティ需要は強い一方、株価が常に右肩上がりになるわけではありません。

共通リスクは次の通りです。

  • 高PER・高PBR銘柄の期待先行
  • 人材採用難と人件費上昇
  • クラウドインフラ費用の増加
  • 海外大手との競争激化
  • 大型案件の期ずれ
  • セキュリティ事故発生時の信頼低下
  • グロース株全体の需給悪化

次回立会日以降で見るべきポイントは、まず決算日程です。NECやNRIのような大型IT株も7月下旬に決算を控えており、ソフトウェア・ITサービス全体の地合いに影響します。今回の10銘柄では、グローバルセキュリティエキスパート、デジタルアーツ、HENNGE、ソリトンシステムズ、FFRIセキュリティ、サイバーセキュリティクラウド、セキュアヴェイルなどが順次決算確認の対象になります。

価格帯では、FFRIセキュリティの5,000円前後、HENNGEの1,100円台、ソリトンシステムズの1,900円前後、サイバーセキュリティクラウドの1,800円前後が押し目確認の目安です。逆に、グローバルセキュリティエキスパートや網屋が年初来高値圏を再び試す場合は、出来高を伴う上抜けか、決算期待だけの先回り買いかを分けて見たいところです。

最後に整理すると、安定寄りならデジタルアーツとソリトンシステムズ、継続課金の成長ならサイバーセキュリティクラウドとHENNGE、値幅を狙うならFFRIセキュリティ、グローバルセキュリティエキスパート、網屋です。次の決算で見るべき数字は、売上高よりもARR、営業利益率、ROEの維持、そして通期見通しの上方修正余地です。

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