9月8日の日本株、日経平均の戻りとTOPIXの弱さをどう読むか
9月8日の東京市場では、円高が重荷となる一方、AI・半導体関連への買いが日経平均を支えた。確認できた前引けでは日経平均が45円高だったのに対し、TOPIXは下落。指数の切り返しと、幅広い銘柄の回復は分けて見る必要がある。 ロイターの前場市況が、その違いを伝えている。
9月9日の焦点は、AI関連への買いが続くかに加え、円高で売られた銘柄にも買いが戻るかだ。日経平均だけでなく、TOPIXと値上がり銘柄数を合わせて確認したい。
※9月8日16時04分(日本時間)を基準とする整理。ただし、取得できた当日データは前引け・後場寄り付きまでで、15時30分の終値と一日合計の売買代金・騰落数は未確認。以下の途中値は終値ではない。
- 前引けの日経平均は6万6,445.13円、前日比45.29円高。
- TOPIXは前引けで0.58%安。プライム市場では値下がりが値上がりを大きく上回った。
- 次回立会日は9月9日。米国市場の休場明けの動きと、ドル円の153円台からの変化が焦点となる。
主要指標――前引けは日経平均高でも売り優勢
前引け段階の数字を並べると、日経平均だけでは見えない弱さがある。
- 日経平均:6万6,445.13円(前日比+45.29円、+0.07%)
- TOPIX:4,102.05(同-23.75、-0.58%)
- 東証グロース市場250指数:795.51(同+3.90、+0.49%)
いずれも9月8日の前引け値。指数はトレーダーズ・ウェブ掲載値による。
プライム市場の前場売買代金は概算3兆9,778億円、売買高は9億3,104万株。値上がり430銘柄に対して値下がりは1,070銘柄、変わらずは54銘柄だった。みんかぶの前引け市況が報じている。
値下がりは値上がりの約2.5倍に達した。グロース250の上昇も踏まえると、すべての株が一方向に売られたわけではない。ただ、前場の地合いは買われる銘柄が限られた状態だったと読める。
後場寄り付きの日経平均は6万6,663.71円、263.87円高へ上げ幅を広げた。一方、TOPIXは4,108.63、17.17ポイント安で、指数間の方向の違いは残った。この時点の動きはフィスコの後場寄り付き市況によるもので、大引けの結果とは区別したい。
AI関連が支える一方、円高が輸出関連の重荷に
朝の売りを吸収したのは、主にAI・半導体関連への物色だった。
日経平均は寄り付きで556.15円安。その後は下げ幅を縮め、前場のうちにプラスへ転じた。原油高を背景とした石油関連への買いに加え、情報・通信にも資金が向かった。フィスコの前場解説が、この切り返しを伝えている。
午前の個別動向では、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、キオクシアの上昇が指数を支えた。他方、円高を受けて太陽誘電や村田製作所、精密関連の一角は下落した。日本証券新聞の10時時点の市況による。
この組み合わせが示すのは、同じ電機・技術関連でも買いが一様に広がっていないことだ。9日の地合い改善を判断するには、主導株の続伸だけでなく、円高で売られた銘柄の下げ止まりも必要になる。
外部環境――153円台のドル円と休場明けの米国株
為替は、国内株の強弱を分ける材料になった。
フィスコの後場寄り付き市況では、ドル円は1ドル=153.20~153.30円。輸出企業の利益への警戒につながる一方、輸入コスト低下が期待される企業には支えとなりうる水準変化だ。ただし、この為替水準も大引け後の値ではない。後場寄り付き市況
米国株式市場は9月7日、レーバーデーで休場だった。東京市場には前夜の米国株終値という新しい手掛かりがなく、9日の日本株は休場明けの米国株の反応を受けることになる。フィスコの市況解説
先物について確認できたのは、8日早朝に終了した夜間取引の日経225先物が6万6,070円、前日清算値比420円安だったこと。これは8日の東京市場が開く前の材料であり、9日の寄り付き判断には、その後の先物を確認する必要がある。株探の先物情報
国内では、4~6月期の実質GDP改定値が前期比0.4%増、年率1.4%増となり、設備投資の上振れを背景に上方修正された。景気の支えを示す材料だが、これが当日の株価を直接押し上げたとは確認できない。共同通信のGDP報道
日米の長期金利は、同じ時点で比較できる最新値を取得できていないため、水準や当日の方向を断定しない。9日は為替とともに金利を確認し、銀行株と成長株で反応が分かれるかを見たい。
大引け後の材料と9月9日の確認点
9月8日15時30分以降の決算・適時開示については、内容を確認できた発表を本稿には織り込んでいない。発表がなかったという意味ではなく、翌日の個別材料として別途確認が必要になる。
次回の立会いは9月9日9時~15時30分。見通しは、次の条件で分けて考えたい。
- 買いが広がる場合: 米国のAI・半導体関連が堅調で、円高も一服すれば、国内の主導株への買いが続く余地がある。TOPIXの上昇と値上がり銘柄数の増加が伴うかが確認点。
- 指数だけが強い場合: 日経平均が上がってもTOPIXが弱く、値下がり銘柄が多い状態なら、少数銘柄への買いの集中が続いていると読む。
- 売りが広がる場合: 円高がさらに進み、米国の半導体株も下落すれば、輸出関連への売りと主導株の利益確定が重なる可能性がある。
9日の寄り付き後は、日経平均の上げ下げに続いて、TOPIX、プライム市場の騰落数、ドル円を確認する。主導株の強さが市場全体へ広がるかが、次の立会いで見極めたい点だ。
