MENU

9月3日の日本株は朝高から失速 円高と金利警戒で戻りの鈍さが残る

朝高後に失速した日本株市場を示す取引画面と東京の街並み。

9月3日の日本株は朝高から失速 円高と金利警戒で戻りの鈍さが残る

9月3日の東京株式市場は、前日の急落を受けて買い戻しが先行したものの、日経平均は後場に失速しました。15時時点では前日比58円安の6万4,266円。米国株高だけでは、原油高や国内金利の先高観を打ち消せなかったことが、この日の値動きに表れています。

一方、資源・商社・金融などには買いが入り、前場の東証プライム市場では値上がり銘柄が6割を超えました。指数の弱さだけで全面安と判断できる地合いではなく、物色先が分かれた一日です。

  • 日経平均:朝方の約399円高から失速し、15時時点で58円安
  • 市場の支え:米国株の反発、前日の急落を受けた買い戻し
  • 上値を抑えた材料:原油高、国内金利の先高観、午後の円高
  • 9月4日の焦点:米雇用統計を前にした金利・為替の変動と、6万4,000円近辺の攻防

※本稿は2026年9月3日16時時点で確認できた公開情報を基にしています。日経平均の15時30分の確定終値、TOPIXなど一部の大引け値が参照先に未反映のため、確認時刻を付けて記載しています。

目次

主要指標から見る9月3日の地合い

この日の特徴は、寄り付きの反発を維持できなかったことです。ただし、前場には値上がり銘柄が値下がり銘柄を大きく上回り、個別物色の余地は残っていました。

日経平均は約399円高で始まり、午後にマイナスへ

日経平均は前日比399円17銭高の6万4,724円81銭で寄り付きました。前日の米国市場で主要3指数が反発したことに加え、9月2日に日経平均が1,889円70銭下落していたため、朝方は買い戻しが優勢でした。

しかし、前引けは130円19銭高の6万4,455円83銭。後場には一時500円を超えて下げ、15時時点では58円82銭安の6万4,266円82銭まで押し戻されました。

朝高を保てなかった点は重いものの、急落翌日に6万4,000円近辺で売り買いが交錯したことも事実です。9月4日は、この水準を維持できるかが短期的な地合いを測る目安になります。

TOPIXとグロース市場は大型値がさ株より底堅い場面

東証グロース市場250指数は13時時点で780.86、前日比3.38ポイント高でした。日経平均が半導体や衣料品など一部の値がさ株に押し下げられた一方、新興市場には買い戻しが残っていたことを示します。

TOPIXの確定値は16時時点で参照先に反映されていません。ただ、前場には銀行、商社、鉄鋼など時価総額の大きい銘柄群が買われており、日経平均より幅広い銘柄で構成されるTOPIXを支える動きが見られました。

売買代金と騰落の広がり

前場の東証プライム市場は、売買代金が概算3兆4,424億円、売買高が9億4,573万株でした。騰落数は次の通りです。

  • 値上がり:1,030銘柄
  • 値下がり:458銘柄
  • 変わらず:66銘柄

前場段階では値上がり銘柄が全体の6割を超えていました。日経平均の失速は市場全体の一様な売りではなく、指数寄与度の高い銘柄の下落が目立った結果と捉える必要があります。

資源・商社が上昇、半導体には濃淡

物色は、原油高の恩恵を受けやすい資源関連と、金利上昇が収益機会につながりやすい金融株へ向かいました。その反対側で、金利上昇に弱い高PER銘柄や、一部の半導体株が売られています。

買われた業種とテーマ

14時50分時点の業種別では、石油・石炭製品、海運、卸売、電気・ガス、鉄鋼が上昇率上位でした。

前場にはENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングスなどの資源関連が上昇。三菱商事、三井物産、住友商事など商社株にも買いが入りました。原油高は市場全体にはインフレ要因として逆風ですが、資源権益やエネルギー販売を持つ企業には収益面の追い風として意識されています。

銀行株も堅調でした。国内金利の上昇は株式全体の割高感を強める一方、銀行にとっては貸出利ざや改善への期待につながります。同じ金利上昇でも、業種によって影響が逆になる局面です。

日経平均を押し下げた銘柄群

14時50分時点では、ファーストリテイリング、アドバンテスト、イビデンが日経平均の主な押し下げ役でした。特に日経平均は値がさ株の影響を受けやすく、これらの下落が指数の見た目を弱くしました。

半導体関連でも一方向ではありません。東京エレクトロンや一部銘柄には買いが入る一方、アドバンテスト、ディスコ、イビデンなどは軟調でした。米国の半導体株指数が反発しても、日本株では個別の需給や高値警戒感が優先された格好です。

円高・原油高・長期金利が上値を制限

海外株の反発は朝方の買い材料になりました。しかし、日本株を取り巻く外部環境には、戻りを抑える材料が残っています。

米国株は反発したが、上昇率は限定的

9月2日の米国市場は、NYダウが295.07ドル高の5万3,061.95ドル、S&P500が35.13ポイント高の7,666.60、ナスダック総合が118.06ポイント高の2万6,217.83で終了しました。

3指数そろって上昇したことは日本株の寄り付きには追い風でした。ただし、いずれも上昇率は1%未満です。世界的な金利上昇や中東情勢への警戒を払拭するほどの強さではありませんでした。

ドル円は午後に157円台前半へ

ドル円相場は15時1分時点で1ドル=157円37銭前後と、円高・ドル安方向に動きました。9月2日の東京引け後に158円台後半だった水準から円高が進み、輸出企業の採算に対する警戒が強まりました。

自動車や電機など外需株にとっては、円高が続くほど業績の円換算額を押し下げる要因になります。9月4日は株価指数だけでなく、ドル円が157円台を維持するのか、再び158円台へ戻るのかも確認したいところです。

原油高は資源株に追い風、市場全体には負担

9月2日のWTI原油先物は91.01ドルでした。原油高は石油関連株を支える一方、運輸、化学、食品などでは燃料費や原材料費の上昇につながります。

さらに、エネルギー価格の上昇が物価を押し上げれば、中央銀行が金融引き締めを続けるとの見方も強まりやすくなります。資源株の上昇だけを見て強気材料と判断するのではなく、企業コストと金利への波及を同時に見る必要があります。

大引け後から海外時間に確認する材料

9月3日の海外時間には、米国の景気と金利見通しを左右する指標が続きます。結果は9月4日の東京市場で、為替、先物、半導体株などに反映されます。

  • 21時30分:米国7月貿易収支
  • 21時30分:米新規失業保険申請件数
  • 21時30分:米4〜6月期非農業部門労働生産性指数・確報値
  • 22時45分:米国8月サービス業PMI・確報値
  • 23時00分:米国8月ISM非製造業景気指数
  • 米金融当局者の発言

国内では決算発表数が限られており、次回立会日の市場全体を動かす中心材料は、個別決算より米経済指標と金利・為替の反応になりそうです。個別の適時開示については、翌朝までの追加発表も確認が必要です。

9月4日の日本株、強弱両面のシナリオ

9月4日は、前日の急落後に残った戻り売りをこなしながら、6万4,000円近辺を維持できるかが焦点です。夜間の米指標を受けた米長期金利とドル円が方向を決めやすくなります。

強気シナリオ

次の条件が重なれば、主力株を中心に買い戻しが続く可能性があります。

  • 米ISM非製造業指数などが景気の底堅さを示しつつ、金利を急上昇させない
  • ドル円が円高方向へ走らず、157〜158円台で落ち着く
  • 米国株と日経平均先物が上昇する
  • 半導体株がそろって反発し、日経平均の押し下げ要因が薄れる

この場合、資源・商社・金融だけでなく、電機や機械にも買いが広がるかが反発の質を測るポイントです。

弱気シナリオ

一方、次の動きが出れば、9月2日の急落で悪化した投資家心理が再び意識されます。

  • 米指標がインフレや金融引き締めの長期化を連想させ、米長期金利が上昇する
  • ドル円が157円を割り込み、輸出株への売りが強まる
  • 原油価格が一段高となり、企業コストへの警戒が広がる
  • 日経平均が6万4,000円を明確に下回り、先物主導の売りが増える

9月4日夜には米国8月雇用統計も予定されています。東京市場では発表前にポジションを傾けにくくなり、後場ほど様子見が強まる可能性があります。

最後に見るべきなのは、日経平均の騰落だけではありません。6万4,000円の維持、TOPIXの相対的な強さ、半導体株への買い戻し、ドル円の157円台——この4点が、急落後の相場が落ち着くかを判断する具体的な手掛かりになります。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次