急落後の日本株は反発できるか 9月3日朝は米株高と円高の綱引き
9月3日の日本株市場は、前日に急落した反動と米国株高を受け、買い戻しが先行しやすい状況です。CME日経平均先物は日本時間3日4時33分時点で6万4,725円と、大阪取引所の基準を375円上回りました。
ただし、ドル円は前日の160円台から158円台へ円高が進行しています。寄り付きの反発力より、買い一巡後に6万4,000円台を維持できるかが重要です。
- 前日の日本株は全面安。日経平均は1,889.70円下落
- 米国株は3指数とも反発し、朝の買い戻しを支える材料
- 円高は輸出株の重荷、原油高と高金利も引き続き警戒対象
- 8時50分の投資部門別フロー、10時45分の中国サービス業PMI、30年国債入札を確認
※市場データは原則として2026年9月3日午前8時までに確認できた情報です。
9月2日の日本市場は全業種が下落
前営業日の東京市場では、原油高と長期金利上昇への警戒から売りが広がりました。日経平均だけでなく、TOPIXと新興株も大幅安となり、指数寄与度の大きい銘柄に限った調整ではありません。
- 日経平均:6万4,325.64円(前日比1,889.70円安、2.85%安)
- TOPIX:4,081.60(100.26ポイント安、2.40%安)
- 東証グロース市場250指数:777.48(22.61ポイント安、2.83%安)
- 東証プライム売買代金:約8兆300億円
- 東証プライム騰落:値上がり100、値下がり1,436、変わらず19
岩井コスモ証券の市況解説によると、東証33業種はすべて下落しました。売買代金が8兆円を超えるなかで値下がり銘柄が9割を占めたため、単なる薄商いの下落ではなく、投資家が広くリスクを落とした一日だったことが分かります。
日経平均は寄り付きから6万5,000円を割り込み、安値6万4,215.47円まで下落しました。9月3日はこの安値と6万4,000円が、戻りの持続性を測る最初の目安になります。
米国株は反発、金利上昇の一服が支え
前夜の米国市場では、大型テクノロジー株が買われ、主要3指数がそろって上昇しました。
- ダウ工業株30種平均:5万3,061.95ドル(295.07ドル高、0.56%高)
- S&P500:7,666.60(35.13ポイント高、0.46%高)
- ナスダック総合:2万6,217.83(118.05ポイント高、0.45%高)
AP通信の市場概況では、テクノロジー株の上昇に加え、原油価格と債券利回りが比較的落ち着いたことが相場を支えたとされています。米10年国債利回りは4.78%台と高いものの、前日からの上昇が一服しました。
この組み合わせは日本の半導体・大型成長株に買い戻しを促しやすい材料です。一方、米国株の上昇率は0.5%前後にとどまります。前日の日本株の下落幅を一気に埋めるほど強い追い風ではありません。
先物は反発を示す一方、円高が上値を抑える
寄り付き前の外部環境には、株高要因と株安要因が混在しています。
日経平均先物
CME日経平均先物は日本時間3日4時33分時点で6万4,725円でした。大阪取引所の基準を375円上回り、現物終値に対しても約400円高い水準です。
前夜0時時点の大阪取引所の日経225先物は6万4,310円だったため、米国株の上昇に伴って持ち直しました。寄り付きは反発が見込まれるものの、先物の上昇幅は前日の現物下落幅の一部にすぎません。
為替
ドル円はニューヨーク市場で158.71円と、前営業日の160.18円から1円47銭の円高・ドル安になりました。一時は158.22円まで円が上昇しています。
トレーダーズ・ウェブの為替概況によると、日銀の高田創審議委員の発言を受けて利上げ観測が強まったほか、米ADP雇用者数が市場予想を下回ったこともドル売りにつながりました。
円高は輸入コストを抑える一方、自動車や機械など輸出企業の採算期待には逆風です。米ハイテク株高を受けて半導体株が買われても、輸出株全般には買いが広がらない可能性があります。
金利と原油
日本の10年国債利回りは3%付近、米10年国債利回りは4.79%前後と、どちらも株式の評価を圧迫しやすい水準です。金利上昇が再開すれば、高PERの成長株を中心に戻り売りが出やすくなります。
WTI原油先物は1バレル90.89ドル、北海ブレント原油は95ドル台でした。上昇が一服しても絶対水準は高く、航空、陸運、化学など燃料・原材料費の影響を受ける業種には重荷が残ります。
ここがポイント: 米国株高と先物上昇は寄り付きを支えますが、円高、高水準の原油、日米金利という三つの負担は解消していません。初動の反発だけで地合い改善と判断しないことが大切です。
9月3日に確認したいイベント
国内では朝から需給と金利を確認し、前場中盤には中国景気への反応を見ます。米国の主要指標は日本市場の大引け後に発表されるため、後場では発表前の持ち高調整が起こり得ます。
- 8時50分:日本の週間対外・対内証券売買契約等の状況
- 10時45分:中国8月RatingDogサービス業PMI
- 日中:財務省の30年国債入札
- 21時30分:米新規失業保険申請件数、米貿易収支、労働生産性・単位労働コスト
- 22時45分:米8月サービス業PMI確報値
- 23時00分:米8月ISM非製造業景気指数
当日の予定は株探の経済スケジュールとニューヨーク連銀の経済指標カレンダーで確認できます。
特に30年国債入札が不調となり国内金利が上昇すれば、不動産や成長株には売り材料です。反対に、入札を無難に通過して金利が落ち着けば、前日に売られた銘柄の買い戻しが続きやすくなります。
強気・弱気の条件を分けて考える
強気材料
- 米国主要3指数がそろって反発した
- CME日経平均先物が現物終値を上回った
- 米金利の上昇が一服し、米大型テクノロジー株が買われた
- 前日の急落を受け、短期的な自律反発が入りやすい
日経平均が6万4,700円前後で寄り付き、その後も先物主導で6万5,000円を回復できれば、買い戻しの範囲が大型株から広がる可能性があります。TOPIXやグロース250も同時に上昇するかを確認したいところです。
弱気材料
- ドル円が158円台へ円高に振れた
- 原油価格が90ドル台と高い
- 国内10年金利が3%付近にある
- 前日は全33業種が下落し、市場心理の傷みが大きい
寄り付き後に先物が失速し、日経平均が前日安値の6万4,215円を下回る場合は、戻り売りが優勢になったサインです。円高が158円を割り込む、国内金利が再上昇するといった動きが重なれば、輸出株と成長株の双方に売り圧力がかかります。
寄り付き・前場・後場のチェックポイント
寄り付き:反発の広がりを見る
まず確認したいのは上昇幅ではなく、値上がり銘柄数です。半導体など一部の大型株だけで日経平均が上がるのか、TOPIXやグロース250にも買いが及ぶのかで地合いは異なります。
あわせて、ドル円が158円台を維持するか、さらに円高へ進むかを見ます。
前場:6万5,000円と中国指標
日経平均の6万5,000円は、前日に割り込んだ節目です。回復後に維持できれば心理改善につながりますが、手前で上値を抑えられるなら戻り売りの強さが意識されます。
10時45分の中国サービス業PMI後は、中国関連株、機械、素材、小売などの反応が焦点です。指標そのものだけでなく、人民元や香港・中国株の値動きも併せて確認する必要があります。
後場:国債入札と週末の米雇用統計を意識
30年国債入札後に国内金利が上がるか下がるかが、金融株と高PER株の明暗を分けそうです。
翌4日には米雇用統計を控えています。後場は海外投資家が積極的に持ち高を傾けにくく、朝の上昇分を縮める展開にも注意が必要です。
本日の実用的な判断軸は、日経平均6万5,000円、前日安値6万4,215円、ドル円158円、国内長期金利3%の四つです。 朝の反発後もこれらが安定し、TOPIXとグロース250まで買いが広がるかを追う一日になります。
