日経平均株価は9月18日、前日比882円70銭(1.38%)高の6万5018円95銭で引けた。3日続伸で、終値ベースでは10日以来およそ1週間ぶりの6万5000円台回復となる。
ただし、この数字だけを見ると相場の中身を読み違える。同じ日のTOPIXは3.05ポイント安の4091.14と3日ぶりの小反落。東証プライムの33業種のうち上昇はわずか7業種で、26業種は下落した。日経平均採用225銘柄の内訳も、値上がり63、値下がり161、変わらず1である。
指数を押し上げたのは半導体を中心とした一部の値がさ株で、相場の裾野が広がったわけではない。 ここが18日の東京市場を理解する要点になる。
- 日経平均は3日続伸、一時は上げ幅1300円超。高値は6万5436円57銭
- TOPIXは小反落、33業種中26業種が下落と中身は弱い
- 東証グロース市場250指数は808.98(+19.63、+2.49%)と続伸
- 日銀は政策金利を1.25%程度へ引き上げ。適用開始は次の立会日となる9月24日
18日の主要指標を確認する
数値はいずれも9月18日大引け時点。
| 指標 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,018.95円 | +882.70円(+1.38%) |
| TOPIX | 4,091.14 | -3.05(-0.07%) |
| 東証グロース市場250指数 | 808.98 | +19.63(+2.49%) |
東証プライムの出来高は28億6228万株、売買代金は10兆3969億円。年初来高値を更新したのは46銘柄、年初来安値は3銘柄だった。
指数と騰落の食い違いをどう読むか
売買代金10兆円台は、動いていた資金の量としては十分にある。問題はその向き先だ。年初来高値46銘柄に対して33業種中26業種が下落したという組み合わせは、買いが特定テーマに集中し、その外側では利益確定や資金の抜けが進んだことを示す。
日経平均だけを地合いの代表と見ると、この日の相場は「強い日」になる。TOPIXと騰落数を並べれば、評価は「一部主導の上昇」に変わる。
買われたセクター、売られたセクター
上昇したのは非鉄金属、電気機器、ガラス土石など。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇を受け、半導体関連への買いが先行した。
- 上昇:非鉄金属、電気機器、金属製品、ガラス土石製品
- 下落:電気・ガス業、石油石炭製品、水産・農林業、海運業、不動産業
値上がり率の目立った例では、キオクシアホールディングスが4690円高(+9.40%)の5万4570円、関東電化工業が206円高(+9.64%)の2343円となった。いずれも半導体・材料系である。
一方で電気・ガスや石油石炭が売られた背景には、原油価格の続落がある。サウジアラビアの主要パイプライン修復期待から原油が下げ、インフレ懸念が後退したことが、エネルギー関連には逆風、グロース株には追い風として働いた。
新興市場では、グロース250がPowerXやジーエヌアイの大幅高に支えられて2.49%高。もっとも同日に上場した新規公開4社はいずれも初値を下回っており、新興市場全体が一律に強かったわけではない。
相場を動かした外部環境と政策
日銀の利上げは「通過」として受け止められた
日銀は18日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げた。6月以来3カ月ぶりの利上げで、1.25%は1995年4月以来、約31年ぶりの水準にあたる。
採決は賛成7、反対2。浅田委員は物価上昇率が2%未満であることを理由に据え置きを主張し、佐藤委員は「経済・物価情勢がこれまでと比べて大きく加速していない」としてこのタイミングでの利上げは不適切と判断した。
ここがポイント: 利上げそのものより、2人の反対票が「利上げペースの加速は難しい」との見方につながり、株式市場ではハト派的に受け止められた。日経平均が後場に上げ幅を拡大したのはこの解釈による。
会合結果の発表後、円相場は円安・ドル高に傾き、ドル円は157円台前半で推移した。利上げ後に円安が進んだことで、海外短期筋による株価指数先物買いが後場に膨らみ、日経平均の上げ幅は一時1300円を超えた。
米国側の材料
米国では9月16日のFOMCで0.25%の利上げが決定済みで、ドットチャートの予想中央値では2026年中にもう1回の利上げが見込まれている。18日の東京市場が好感したのは、米ダウ平均の反発と、米10年債利回りが5%を割り込んだことだ。金利上昇の一服が、グロース株と新興株の買い戻しを後押しした。
ただし米金利の水準そのものは高い。足元の金利上昇はAI関連株には逆風であり、この綱引きは連休明けにも持ち越される。
連休明け、9月24日に向けて
東京市場は9月21日(敬老の日)から23日(秋分の日)まで休場で、次の立会日は9月24日(木)。5営業日ぶりの再開となるため、休場中の海外材料をまとめて織り込む展開になりやすい。
追い風になりうる材料
- 日銀の利上げが「イベント通過」として消化済みで、政策の不透明感が一段落している
- 利上げ後も円相場が157円台と円安方向にあり、輸出関連の採算には支援材料
- 原油価格の下落によるインフレ懸念の後退
- 半導体関連の物色が続けば、日経平均は6万5000円台を維持しやすい
重しになりうる材料
- TOPIXと騰落数が示す物色の偏り。半導体が崩れた場合、指数を支える柱が細い
- 政策金利1.25%の適用開始が9月24日。金利上昇を嫌う不動産・内需系への影響
- 円安の進行はインフレ側から見れば輸入コスト増で、家計と内需企業には負担
- 米金利が再び上昇に向かえば、グロース株と新興株の買い戻しは反転しうる
カレンダー上の確認事項
- 9月23日(日本休場中):米国で9月製造業・サービス部門PMI速報値
- 9月24日:ホワイトハウスで米中首脳会談。中国の習近平国家主席が国賓として訪米
- 9月25日:米8月耐久財受注
米中首脳会談は日本時間では24日の取引時間外から夜間にかけて動く可能性が高く、東京市場は当日の日中に結果を完全には織り込めない。24日の日経平均先物の夜間取引と、25日の寄り付きまで含めて見ておきたい。
次の立会日で見るべきポイント
- 日経平均6万5000円が支持線として機能するか、それとも18日の高値6万5436円57銭が戻り高値になるか
- TOPIXが4091ポイント台から上向くか。日経平均との乖離が縮まれば物色の広がりを示す
- 東証プライムの売買代金が10兆円台を維持できるか。連休明けの薄商いに沈むなら上値は重い
- グロース250が808ポイント台を維持できるか。新規公開4社が初値割れした点も新興市場の需給を測る材料
- ドル円157円台の定着か、円高方向への巻き戻しか
- 半導体関連の主導が続くのか、電気・ガスや不動産など売られた業種に資金が戻るのか
18日の相場は、数字の強さと中身の弱さが同居した一日だった。連休明けにその差が埋まるのか、それとも指数だけが先行したまま調整に入るのか。24日はまずTOPIXと騰落数を見るのが実際的だ。
参照リンク
- 日経平均、終値882円高 日銀利上げ「逆風にならず」 – 日本経済新聞
- 東京株式(大引け)=882円高と3日続伸、追加利上げ決定後に上昇幅拡大 – 株探
- 日経平均大引け:前日比882.70円高の65018.95円 – 財経新聞
- 日経平均3日続伸、終値は882円高の6万5018円95銭 TOPIXは小反落 – 神戸経済ニュース
- 新興株18日 グロース250が続伸 アキッパなど4社、いずれも初値下回る – 日本経済新聞
- 東証グロース市場250指数先物概況:日銀利上げもイベント通過の安心感で大幅続伸 – 財経新聞
- 日銀、1.25%に利上げ 決定会合、物価高でペース加速 – 時事ドットコム
- 日銀が政策金利を1.25%に引き上げ 賛成7・反対2、9月24日から
- 日銀「利上げ決定」で日経平均は6万5,000円台に回復…【9月18日の国内株式市場概況】 – THE GOLD ONLINE
- シルバーウイーク明けの株式相場を「日米の注目イベント」から予測する – トウシル
