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防衛電子・装備品関連で注目したい日本株10選

防衛電子・装備品関連で注目したい日本株10選

投資判断は自己責任であり、この記事の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。株価、PER、PBR、配当利回り、業績予想は変化します。確認時点は2026年4月10日夜(日本時間)で、株価・指標は主にKabutec掲載の直近データを参照しています。

今回の結論を先に言うと、防衛関連株は「政策テーマで買う」だけでは遅く、受注が利益に変わる大型株と、業績修正・再編で見直される中型株を分けて見る局面です。防衛費の増額は追い風ですが、すでに株価へ相当織り込まれた銘柄も多く、買うなら押し目、売るなら決算前後の過熱感を確認したいテーマです。

  • 総合評価:★★★★☆
  • 見たい軸:防衛予算、受注残、利益率、PER・PBRの過熱感
  • 短期向き:東京計器、豊和工業、石川製作所など値動きの軽い銘柄
  • 中長期向き:三菱重工、IHI、NEC、三菱電機、OKIなど事業基盤のある銘柄
目次

防衛関連株を見る前に押さえたい背景

防衛関連株の土台にあるのは、単発ニュースではなく予算の流れです。

防衛省の防衛力整備計画では、2023年度から2027年度までの5年間で必要な防衛力整備の水準を43兆円程度としています。さらに、スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛、無人アセット、防衛生産・技術基盤などが重点分野に置かれています。

この流れで恩恵を受けやすいのは、次のような会社です。

  • ミサイル、航空機、艦艇、エンジンなどを担う重工メーカー
  • レーダー、通信、管制、サイバー、防衛ITを担う電機・通信メーカー
  • 火器、弾薬、部品、計測機器などを持つ中小型メーカー
  • 既存事業の再編や配当修正で市場の見方が変わった企業

ここがポイント: 防衛費増額はテーマ全体の追い風ですが、株価は先回りして動きます。決算で利益率が伴う銘柄と、材料だけで買われた銘柄を分けることが重要です。

10銘柄の比較一覧

購入ラインと売却ラインは売買指示ではなく、監視レンジです。直近株価、移動平均、PER、決算イベント、テーマ継続性をもとに、無理に追いかけないための目安として整理しています。

銘柄評価向く投資スタイル購入ラインの目安売却・警戒ラインの目安主な見方
三菱重工業(7011)★★★☆☆中長期4,400円台以下5,200円接近防衛主力だがPERは高い
IHI(7013)★★★★☆中期3,100円前後4,000円台回復後の失速ROEが高く押し目候補
川崎重工業(7012)★★★☆☆中期14,000円台前半18,000円台航空・防衛の期待と割高感が並ぶ
NEC(6701)★★★☆☆中長期4,000円割れ付近5,500円超で伸び悩み防衛IT・通信の中核候補
三菱電機(6503)★★★☆☆中長期5,000円近辺5,800円超の過熱レーダー・電機系の安定枠
東京計器(7721)★★★☆☆短中期7,000円前後8,700円台再接近防衛計測・航海機器で値動き強い
日本製鋼所(5631)★★★☆☆中期9,000円台前半10,500円前後素材・装備関連の大型寄り候補
OKI(6703)★★★★☆中期2,700円台3,300円接近再編・増配・通信装備を評価
豊和工業(6203)★★☆☆☆短期1,400円前後1,700円台小型防衛株、業績の弱さに注意
石川製作所(6208)★★☆☆☆短期2,400円台2,800円接近材料株色が強く需給管理が必要

各銘柄の見方

ここからは、銘柄ごとにファンダメンタルズ、値動き、強気材料、弱気材料を分けて見ます。

1. 三菱重工業(7011)

防衛関連の代表格です。2026年3月13日時点の株価は4,745円、PERは61.32倍、PBRは6.79倍、ROEは9.21%。2026年3月期予想は売上高4兆8,000億円、親会社株主に帰属する純利益2,600億円、年間配当24円です。

強気材料は、国内防衛の中心プレーヤーであることです。スタンド・オフ防衛能力や航空・ミサイル関連の投資が続くほど、同社の受注環境は底堅くなります。

一方で、株価はすでに大型テーマ株として買われています。PER60倍台、PBR6倍台は重工メーカーとして軽くありません。購入ラインは4,400円台以下の押し目、売却・警戒ラインは過去高値圏の5,200円接近を目安にしたい銘柄です。

  • 強気材料:防衛・航空・エネルギーまで事業の柱が太い
  • 弱気材料:バリュエーションが高く、決算未達に弱い
  • 向く投資家:短期の値幅取りより、中長期で押し目を待つ投資家

2. IHI(7013)

IHIは航空エンジン、防衛、エネルギー関連を持つ重工株です。2026年3月31日時点の株価は3,138円、PERは26.71倍、PBRは6.90倍、ROEは23.29%。2026年3月期予想は売上高1兆6,400億円、親会社株主に帰属する純利益1,250億円、年間配当20円です。

評価を高めたい点はROEの高さです。PBRは高いものの、収益性が伴っているため、三菱重工よりも押し目の納得感があります。3,100円前後は直近データ上の下値圏で、ここを割り込まず反転できるかが重要です。

弱点は財務レバレッジとPBRの高さです。防衛テーマで買われても、航空エンジンや海外事業に悪材料が出ると一気に売られます。

  • 強気材料:ROE23%台、航空・防衛の需要継続
  • 弱気材料:PBRが高く、業績への期待値も高い
  • 向く投資家:中期でリバウンドと業績確認を両方見る投資家

3. 川崎重工業(7012)

川崎重工は航空、防衛、二輪、エネルギーなどを持つ総合重工です。2026年3月27日時点の株価は15,195円、PERは28.22倍、PBRは3.61倍、ROEは10.32%。2026年3月期予想は売上高2兆3,400億円、親会社株主に帰属する純利益900億円、年間配当166円です。

75日線、200日線との関係では上昇基調が残っています。ただし、短期では高値18,375円から調整しており、勢いだけで追うより14,000円台前半まで引きつけたい銘柄です。

防衛だけでなく航空機、エンジン、車両など複数の材料を持つ点は強みですが、事業が広いぶん、テーマと関係ない部門の採算悪化も株価を押し下げます。

  • 強気材料:防衛・航空関連の受注期待
  • 弱気材料:大型株としてはPER・PBRともに安くない
  • 向く投資家:中期で押し目を待てる投資家

4. NEC(6701)

NECは防衛IT、通信、サイバー、指揮統制システムの文脈で見たい銘柄です。2026年4月7日時点の株価は4,074円、PERは30.98倍、PBRは2.78倍。2026年3月期予想は売上高3兆5,600億円、年間配当32円です。

株価は25日線、75日線を下回る場面があり、重工株ほどの勢いはありません。ただ、防衛の中身がハードからネットワーク、AI、サイバー、通信へ広がるほど、NECのようなシステム企業の重要性は増します。

弱気材料は、短期の株価トレンドが弱いことです。購入ラインは4,000円割れ付近、売却・警戒ラインは5,500円超で再び上値が重くなる場面です。

  • 強気材料:防衛IT・通信インフラの中核候補
  • 弱気材料:直近株価は調整色がある
  • 向く投資家:防衛をIT・サイバーの長期テーマとして見る投資家

5. 三菱電機(6503)

三菱電機はレーダー、電子機器、FA、電力システムなどを持つ電機大手です。2026年3月13日時点の株価は5,456円、PERは31.21倍、PBRは2.87倍、ROEは8.83%。2026年3月期予想は売上高5兆7,600億円、親会社株主に帰属する純利益3,600億円、年間配当55円です。

防衛関連としては、電子装備・レーダー・管制の領域で見ます。重工株ほど防衛一本ではありませんが、事業分散が効くため、テーマ失速時の下値耐性は相対的にあります。

ただし、PER30倍台は安くありません。5,000円近辺まで調整した場面を待ち、5,800円超で過熱感が強まるなら利益確定を検討する形が現実的です。

  • 強気材料:防衛電子に加え、FA・電力など収益源が広い
  • 弱気材料:テーマ株としての爆発力は中小型株に劣る
  • 向く投資家:防衛関連を安定大型株の一部として持ちたい投資家

6. 東京計器(7721)

東京計器は計測、航海、油空圧、防衛関連機器を持つ中型株です。2026年4月3日時点の株価は7,270円、PERは37.22倍、PBRは2.96倍、ROEは6.12%。2026年3月期予想は売上高604億円、親会社株主に帰属する純利益32億1,000万円、年間配当40円です。

値動きの強さは魅力です。防衛計測や航海機器への連想が入りやすく、出来高が増えた局面では短期資金も集まります。

ただし、利益予想は前期比で減益方向です。株価だけが先行すると、決算で売られやすい銘柄でもあります。購入ラインは7,000円前後、売却・警戒ラインは2月に見た8,700円台への再接近です。

  • 強気材料:防衛装備・計測機器へのテーマ性
  • 弱気材料:PERが高く、利益成長の確認が必要
  • 向く投資家:短中期で出来高と決算を見られる投資家

7. 日本製鋼所(5631)

日本製鋼所は素材・産業機械・防衛装備に関連する銘柄です。2026年3月13日時点の株価は10,040円、PERは39.95倍、PBRは3.82倍、ROEは9.48%。2026年3月期予想は売上高2,900億円、親会社株主に帰属する純利益185億円、年間配当88円です。

売上高は前期の2,485億円から予想2,900億円へ増える見通しです。防衛だけでなく産業機械の需要もあり、単一材料に依存しすぎない点は評価できます。

一方で、PBR3倍台、PER40倍近辺は割安とは言えません。9,000円台前半まで下げた場面で需給が崩れないかを確認し、10,500円前後では上値の重さを見たい銘柄です。

  • 強気材料:売上拡大見通し、防衛・産業機械の複合材料
  • 弱気材料:株価に成長期待が織り込まれている
  • 向く投資家:中期で業績進捗を確認しながら持つ投資家

8. OKI(6703)

OKIは通信、社会インフラ、EMS、情報機器を持つ企業で、防衛・通信装備の周辺銘柄として見られます。2026年4月6日時点の株価は2,943円、PERは13.44倍、PBRは1.75倍、ROEは9.97%。2026年3月期予想は売上高4,300億円、親会社株主に帰属する純利益190億円、年間配当65円です。

この10銘柄の中では、バリュエーション面の納得感があります。2026年3月には配当予想の修正や、日立製作所とのATM事業統合契約に関する開示もあり、再編・還元の材料が重なっています。

弱点は、防衛専業ではないことです。ATMや情報機器の再編が主材料になる局面では、防衛テーマだけで評価するのは危険です。それでも、2,700円台まで押すなら中期の監視候補として面白い位置です。

  • 強気材料:PER13倍台、増配、事業再編
  • 弱気材料:防衛色は重工株ほど濃くない
  • 向く投資家:防衛周辺と再編材料を合わせて見る中期投資家

9. 豊和工業(6203)

豊和工業は小銃などで知られる防衛関連の小型株です。2026年4月10日時点の株価は1,472円、PERは74.01倍、PBRは0.95倍、ROEは4.95%。2026年3月期予想は売上高232億円、親会社株主に帰属する純利益2億4,000万円、年間配当20円です。

PBR1倍割れは見た目に安く見えますが、PERは高く、今期は減収減益予想です。つまり「資産面では割安感があるが、利益面では強くない」銘柄です。

短期の材料株としては動きやすい一方、業績が伴わない上昇は長続きしにくいです。購入ラインは1,400円前後、売却・警戒ラインは1,700円台です。

  • 強気材料:防衛小型株として資金が入りやすい
  • 弱気材料:今期予想が減益、PERが高い
  • 向く投資家:短期で損切りラインを明確にできる投資家

10. 石川製作所(6208)

石川製作所も防衛関連の材料株として見られやすい銘柄です。2026年2月27日時点の株価は2,690円、PERは39.00倍、PBRは3.19倍、ROEは7.91%。2026年3月期予想は売上高190億円、親会社株主に帰属する純利益4億4,000万円、年間配当15円です。

売上高は前期の162億円から増える見通しで、テーマ性もあります。ただし、自己資本比率は25.96%で、大型株に比べると財務の余裕は小さくなります。

短期資金が入りやすい反面、出来高が細ると値崩れも速い銘柄です。購入ラインは2,400円台、売却・警戒ラインは2,800円接近を目安に、追いかけ買いは避けたいところです。

  • 強気材料:売上増見通し、防衛材料への反応度
  • 弱気材料:PBR3倍台、財務余力は大型株より小さい
  • 向く投資家:短期で需給を見ながら売買できる投資家

投資スタイル別の使い分け

同じ防衛関連でも、向いている時間軸はかなり違います。

短期で見る銘柄

短期で見るなら、東京計器、豊和工業、石川製作所です。材料が出た時の反応は速い一方、決算や出来高の変化で下げも速くなります。

  • 見るべきもの:出来高、直近高値、信用買い残、決算予定日
  • 避けたい買い方:急騰日の高値追い
  • 利益確定の目安:過去高値圏で出来高が減る場面

中期で見る銘柄

中期ではIHI、川崎重工、OKI、日本製鋼所が候補です。業績進捗、受注、再編、配当修正が株価を動かします。

  • 見るべきもの:四半期決算、通期予想の修正、受注残、配当方針
  • 購入の目安:25日線・75日線付近で反発する場面
  • 警戒点:期待先行でPERが急上昇する場面

長期で見る銘柄

長期では三菱重工、NEC、三菱電機が中心です。防衛予算の増額だけでなく、通信、サイバー、レーダー、電力、産業システムまで含めて事業基盤を見ます。

  • 見るべきもの:中期経営計画、政策予算、受注採算、海外リスク
  • 購入の目安:テーマ全体が売られた日の押し目
  • 警戒点:高PERのまま利益成長が鈍る場面

共通リスクと次に見るポイント

防衛関連株は政策テーマとして強い一方、全銘柄に共通するリスクがあります。

  • 防衛予算の執行が遅れる
  • 受注は増えても利益率が上がらない
  • 材料株に短期資金が入りすぎる
  • 地合い悪化で高PER銘柄から先に売られる
  • 円高、資材高、人件費増で採算が悪化する

次に見るべきは、2026年3月期本決算です。特に三菱重工、IHI、川崎重工、東京計器、日本製鋼所は、防衛関連の受注や利益率がどこまで数字に出るかで評価が変わります。

短期なら出来高と高値更新の持続性。中長期なら、受注残が利益に変わる速度。防衛関連株はテーマだけで買うより、決算で確認して押し目を拾う銘柄を絞るほうが、次の立会日以降も判断しやすくなります。

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