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ROICが高く改善も続く日本株候補、トレジャー・ファクトリー(3093)は買える?高水準ROICと出店成長を点検

ROICが高く改善も続く日本株候補、トレジャー・ファクトリー(3093)は買える?高水準ROICと出店成長を点検

総合評価:★★★★☆(やや買い寄り)

ひと言結論は明快です。トレジャー・ファクトリーは、ROICが高く、しかも改善基調を保ったまま最高益更新と増配を続けている銘柄です。足元の株価指標もPER12倍前後で、成長株として極端な割高感は出ていません。

一方で、安心して放置できる銘柄でもありません。出店ペースが速く、商品ミックス次第で粗利率がぶれやすい業態です。インバウンド需要や物価高が追い風になっているぶん、外部環境が反転したときの影響も見ておく必要があります。

  • ROICの最新開示値は18.7%。会社が示すWACC5.5%程度を大きく上回る
  • 2026年2月期は売上高485.97億円、営業利益47.77億円で最高益更新
  • 2027年2月期も売上高543.04億円、営業利益50.65億円を会社計画。増配予想は44円
  • 注目点は、既存店成長が続くか、出店拡大のなかで利益率を守れるか
目次

主要指標を先に確認

指標の確認時点は、株価関連が2026年4月17日、業績は2026年4月9日発表の通期決算、ROICは2025年2月期実績の最新開示値です。

項目 数値 確認時点・補足
株価 1,765円 2026年4月17日終値
時価総額 429.74億円 2026年4月17日
PER 12.19倍 会社予想ベース
PBR 3.25倍 実績ベース
予想配当利回り 2.49% 2027年2月期予想
ROE 27.40% 実績
ROIC 18.7% 2025年2月期実績の最新開示値
WACC 5.5%程度 会社開示
2026年2月期売上高 485.97億円 前期比15.1%増
2026年2月期営業利益 47.77億円 前期比18.4%増
2027年2月期営業利益予想 50.65億円 会社予想
年間配当 40円 → 44円予想 2026年2月期実績 → 2027年2月期予想

PERだけを見ると割安株とまでは言いにくいですが、ROE27%台、ROIC18%台、営業利益率9%台後半を並べると、収益性に対して無理のない評価水準に見えます。

なぜこの銘柄はROICで見やすいのか

トレジャー・ファクトリーの強みは、単に利益が伸びていることではありません。投じた資本に対してどれだけ効率よく利益を生んでいるかでも、かなり高い水準にあります。

ROICの推移を見ると、次のように改善しています。

  • 2023年2月期:17.7%
  • 2024年2月期:18.6%
  • 2025年2月期:18.7%

会社は2025年2月期実績について、ROIC18.7%に対しWACCを5.5%程度と示しています。つまり、資本コストを大幅に上回る収益を継続的に稼げている状態です。

ここがポイント: ROICが高いだけでなく、17%台後半から18%台後半へと改善が続いている点が重要です。出店を増やしている企業でこの水準を維持できているのは、投資効率が崩れていないことを意味します。

ROICが高い理由

数字の背景は、かなり具体的です。

  • 既存店売上が強い
  • 服飾雑貨やホビーなど、単価の高いカテゴリーが伸びている
  • EC併売と自社システム活用で在庫回転と査定効率を高めている
  • 店舗を増やしても、既存店の収益力で全体の利益率を支えられている

2024年2月期の決算説明資料では、売上高344億円、経常利益33.8億円、ROIC18.6%を記録。2026年2月期にはさらに売上高485.97億円、営業利益47.77億円まで伸びました。利益だけでなく、資本効率が崩れていない点がこの銘柄の質です。

直近決算で何が起きたか

最新の通期決算では、2026年2月期に過去最高益を更新しました。

  • 売上高:485.97億円(前期比15.1%増)
  • 営業利益:47.77億円(同18.4%増)
  • 経常利益:48.57億円(同19.0%増)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益:31.71億円(同17.0%増)
  • 営業利益率:9.83%

ここで効いているのは、単発の材料ではありません。会社資料では、成長要因として次を挙げています。

  • 物価高を背景にしたリユース需要の拡大
  • インバウンド需要の回復
  • スポーツ・アウトドア・楽器などホビー領域の拡大
  • ラグジュアリー品など高単価商材の拡大
  • ECチャネル強化による店頭との併売体制

このうち投資家目線で重要なのは、外部環境の追い風だけではなく、内部施策が利益率につながっているかです。トレファクはそこが比較的見えやすい会社です。2026年2月期第1四半期資料でも、既存店売上は計画を上回って推移し、単体既存店売上高は45カ月連続で前年同月超えとされました。

株価はまだ買える水準か

2026年4月17日時点の株価は1,765円です。年初来高値は1,935円、年初来安値は1,607円なので、高値圏から少し調整した位置にあります。

ここで見ておきたいのは、業績の伸びとバリュエーションのバランスです。

  • PER:12.19倍
  • PBR:3.25倍
  • 2027年2月期EPS予想:144.83円
  • 2027年2月期配当予想:44円

PBRは低くありません。ただ、ROE27%台の会社ならPBR3倍台は説明がつきます。むしろ注目したいのは、ROIC18%台の小売・リユース企業がPER12倍前後にとどまっている点です。高成長小型株にありがちな極端な期待先行ではありません。

ただし、株価が一気に切り上がる局面ではない

いまの株価は、明らかな割安放置というより、良い会社を妥当価格で買う場面に近いです。

そのため、次のどちらかが必要です。

  • 既存店売上と営業利益率がもう一段強く出る
  • ROICや出店効率の高さが市場に再評価される

逆に、既存店成長が鈍れば、PER12倍でも調整余地はあります。

海外を含む市況環境は追い風か

この銘柄は国内リユース企業ですが、外部環境には海外要因も効きます。特に分かりやすいのがインバウンドです。

JNTOによると、2026年3月の訪日外客数は361万8,900人で、3月として過去最高でした。会社側も、ブランドバッグなど服飾雑貨の販売でインバウンド需要が追い風になっていると説明しています。

つまり、海外景気や為替は次の形で業績に影響します。

  • 追い風:円安基調、訪日客増、富裕層消費の堅調さ
  • 逆風:円高反転、海外景気減速、訪日消費の鈍化

国内では物価高が続くほど、節約志向からリユース需要が増えやすい面があります。会社もその点を成長要因として挙げています。海外と国内の両方で、いまの環境はこの会社に比較的有利です。

強気材料と弱気材料

強気材料

  • ROIC18.7%でWACC5.5%を大幅に上回る
  • 2023年2月期17.7% → 2024年2月期18.6% → 2025年2月期18.7%と改善
  • 2026年2月期は最高益更新、2027年2月期も増益計画
  • 既存店売上の強さが長く続いている
  • 年間30〜40店ペースの出店戦略で成長余地がある
  • 配当は2024年2月期28円、2025年2月期36円、2026年2月期40円、2027年2月期44円予想と増配基調

弱気材料

  • 高単価商材の比率上昇で、粗利率が四半期単位ではぶれやすい
  • 出店加速局面では、採用費・物流・システム投資が先行しやすい
  • インバウンドと物価高が追い風のため、外部環境が反転すると見え方が変わる
  • PBR3倍台で、単純な資産株としては買いにくい
  • 海外事業やM&Aはまだ大きな果実より、先行投資の側面が残る

いま投資判断で見るべきポイント

この銘柄は、配当利回りだけを狙う銘柄でも、超割安株でもありません。見るべきポイントは、高ROICを保ったまま店舗拡大を続けられるかです。

次の確認ポイントはかなりはっきりしています。

  • 既存店売上が引き続き前年超えを維持できるか
  • 営業利益率が9%台を守れるか
  • 新業態や高単価商材の拡大が粗利率悪化を招かないか
  • 2026年3月以降の訪日需要がブランド品販売を支え続けるか
  • 次回のROIC開示で18%台後半を維持できるか

結論として、トレジャー・ファクトリーは「高ROICが続くならまだ買い余地がある」銘柄です。次の決算で見るべきなのは売上の大きさより、既存店成長と利益率、そしてROICの維持です。ここが崩れなければ、評価の見直し余地は残ります。

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