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少子高齢化で中長期の追い風が続く日本株候補、日本ケアサプライ(2393)は買える?在宅介護需要と業績上方修正を点検

少子高齢化で中長期の追い風が続く日本株候補、日本ケアサプライ(2393)は買える?在宅介護需要と業績上方修正を点検

★★★★☆(やや買い寄り)

ひと言結論は、高齢化で増えやすい在宅介護需要を取り込みつつ、直近業績も上方修正まで出ている点は強い、ということです。日本ケアサプライは福祉用具レンタル卸が主力で、景気敏感な輸出株とは違い、国内の介護需要がそのまま事業機会になりやすい会社です。

一方で、何でも強いわけではありません。株式の流動性は高くなく、介護保険制度の変更が収益構造に影響する余地もあります。足元では業績が良くても、制度と需給の両方を見ないと判断を誤りやすい銘柄です。

  • 65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29.3%。75歳以上は2,078万人で、在宅介護や福祉用具需要の裾野が広い
  • 2026年3月期3Q累計は売上高259.41億円、営業利益23.97億円で前年同期比8.8%増収、29.9%営業増益
  • 2026年3月期通期予想は1月30日に上方修正。売上高350億円、営業利益31.5億円、純利益22億円を見込む
  • 株価は2026年4月17日終値で2,359円。PER16.66倍、PBR2.04倍、予想配当利回り3.05%

ここがポイント: 少子高齢化の恩恵を受けるだけでなく、直近は業績上方修正が出ている点が重要です。テーマ先行ではなく、数字が付いてきているかで見ると、日本ケアサプライは現時点で合格点に入ります。

目次

主要指標と星評価

まず、投資判断の土台になる数字を整理します。株価とバリュエーションは2026年4月17日終値ベース、業績は2026年1月30日公表の第3四半期決算、人口動態は令和7年版高齢社会白書で確認しています。

項目 内容
銘柄名 日本ケアサプライ(2393)
株価 2,359円
時価総額 約383億円
PER 16.66倍
PBR 2.04倍
ROE 10.53%(実績)
自己資本比率 65.5%
予想配当 72円
予想配当利回り 3.05%
次回決算発表予定 2026年5月12日

星評価の理由

4つ星にした主因は次の3点です。

  • 高齢化の長期追い風が、在宅介護向け福祉用具レンタルという本業に直結している
  • 3Q時点で増収増益、しかも通期予想を上方修正しており、テーマだけでなく業績が伴っている
  • 自己資本比率65%台と財務が重すぎず、配当利回りも3%台に乗っている

逆に5つ星まで上げなかったのは、次の点です。

  • PER16倍台は極端な割安圏ではない
  • 制度変更の影響を受けやすい業界にいる
  • 日々の出来高が薄く、売買のしやすさでは大型株に劣る

なぜこの会社が高齢化テーマに乗りやすいのか

日本では65歳以上人口が3,624万人、総人口に占める高齢化率は29.3%です。しかも75歳以上が2,078万人まで増えており、要介護・要支援に近い層が厚くなっています。ここが、日本ケアサプライにとって一番大きい追い風です。

同社の主力は、ベッドや車いすなどの福祉用具を地域の貸与事業者にレンタル卸する事業です。単に物を売り切るモデルではなく、回収、洗浄、消毒、修理を回しながら再利用する循環型の仕組みを持っています。高齢者が増え、在宅介護が増えるほど、こうした基盤型サービスの需要は積み上がりやすくなります。

会社側も2026年3月期3Q決算で、後期高齢者が増加する都市部を中心に拠点開設や倉庫大型化を進め、営業拠点数が97拠点になったと説明しています。人口動態の変化に合わせて、供給網を先に広げている点は評価しやすいです。

直近決算をどう見るか

業績の見え方はかなり良い部類です。3Q累計の売上高は259.41億円、営業利益は23.97億円、経常利益は24.29億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は16.20億円でした。前年同期比ではそれぞれ8.8%増、29.9%増、29.5%増、29.9%増です。

会社の補足資料では、福祉用具サービスが堅調に推移し、売上高は10年連続で過去最高更新としています。利益面では、人件費やレンタル資産購入に伴う減価償却費は増えたものの、増収効果がそれを上回りました。ここは、需要増を値上げではなく事業量の拡大で拾えていることを示します。

上方修正の中身

1月30日には通期予想も引き上げました。

  • 売上高: 345億円→350億円
  • 営業利益: 26.5億円→31.5億円
  • 経常利益: 26.5億円→32.0億円
  • 純利益: 19.0億円→22.0億円

営業利益の上振れ幅が大きいのは、福祉用具サービスの堅調さに加え、レンタル資産の調達時期が後ろ倒しとなって減価償却費が想定より軽くなったこと、拠点開発費用の一部が来期発生見込みになったことが理由です。

つまり、上方修正には本業の強さと費用発生タイミングの追い風が混ざっています。ここはそのまま鵜呑みにせず、来期は費用が戻る可能性も考えておくべきです。

株価推移と需給

株価は2026年1月30日に年初来高値2,665円をつけたあと、4月17日終値では2,359円まで落ち着いています。年初来安値2,300円は3月30日で、高値からは調整したものの、安値から大きく崩れたままでもありません。

この値動きが示すのは、上方修正後に評価は進んだ一方、そこから先は利益確定や市場全体の地合いで伸び悩んでいるということです。4月17日時点のPER16.66倍、PBR2.04倍は、成長テーマ株として過熱しすぎとは言いにくいですが、誰が見ても割安という水準でもありません。

需給面では注意も必要です。4月17日の出来高は2,700株でした。流動性が高い銘柄ではないので、好材料でも株価が素直に走らない日がありますし、逆に地合いが悪い日は売りが少し出るだけで値が飛びやすい面があります。

海外を含めた市況環境の影響

この銘柄の売上は国内介護需要に根差しているため、輸出企業のように為替や米景気で業績が直接振れやすいタイプではありません。そこは今の相場で強みです。

ただし、株価は別です。4月の日本市場では、Bloombergが4月17日時点で円が対ドル159円台前半、原油価格の高止まりやインフレ懸念が重しになっていると伝えています。会社自身も3Q決算で、継続的な物価高や米国の通商政策の影響で先行き不透明な状況が続くと説明しました。

日本ケアサプライへの影響を整理すると、こうなります。

  • 直接影響: 輸出入比率が高くないため、為替変動の直撃は相対的に小さい
  • 間接影響: 物価上昇や賃上げ圧力で人件費、物流費、調達費が上がりやすい
  • 株価面: 金利上昇や市場のリスク回避で、中小型株全体の評価が圧縮されやすい

つまり、事業は内需ディフェンシブ寄りでも、株価は相場全体のリスクオフから自由ではないということです。

強気材料

ここからは、買い材料を短く整理します。

1. 高齢化の追い風が本業に直結している

高齢者が増えるほど、在宅介護、施設介護、退院後支援で福祉用具の必要性は高まります。日本ケアサプライはそのど真ん中にいる会社です。テーマと事業の距離が近いので、長期投資の仮説を立てやすい銘柄です。

2. 直近業績が強く、上方修正も出た

テーマ株でも、数字が伴わない銘柄は多いです。その点、日本ケアサプライは3Qでしっかり増収増益を出し、通期予想も引き上げました。ここが今回の評価で最も重い材料です。

3. 財務と配当が一定の安心感を持つ

自己資本比率65.5%は十分に高い水準です。予想配当利回りも3.05%あり、値上がり益だけに頼る銘柄ではありません。景気敏感株が振れやすい局面では、こうした下支えは効きます。

弱気材料

一方で、弱い点もはっきりあります。

1. 制度変更リスクは避けられない

同社の主力は介護保険制度の枠組みと深く結びついています。会社資料でも、2024年4月からレンタル対象の一部福祉用具でレンタル・購入の選択制が導入されたと説明しています。対象拡大や制度改定の方向次第では、収益構造が揺れる可能性があります。

2. 上方修正には費用後ろ倒しの要素がある

今回の利益上振れは本業の堅調さだけでなく、減価償却費や拠点開発費用の発生タイミングにも支えられています。来期も同じ伸び率をそのまま期待すると、少し危ういです。

3. 流動性が低い

出来高が薄く、機関投資家の資金が大きく入りにくい銘柄です。良い決算でも株価が鈍いことがありますし、逆に悪材料が出た時は逃げにくさが出ます。

今後の注目点

次に見るべきポイントは、かなり明確です。

  • 2026年5月12日の通期決算で、上方修正後の計画をどこまで上回れるか
  • 来期見通しで、費用後ろ倒しの反動を吸収できるか
  • 福祉用具レンタル卸の伸びが続くか、それとも一巡感が出るか
  • 2027年度の介護保険制度改正議論が、貸与市場に追い風か逆風か

現時点の整理では、日本ケアサプライは少子高齢化の長期追い風を、実際の売上と利益に変えられている数少ない中型株の一つです。ただし、次の決算で来期の利益の質まで確認できないと、株価は2,300円台から一段高に進みにくいはずです。見るべきポイントはテーマではなく、5月12日の数字と来期ガイダンスです。

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