日経平均は最高値圏で続伸、TOPIX安が示した6月1日の温度差
6月1日の日本株は、日経平均だけを見れば強い一日だった。Yahoo!ファイナンスの15時30分時点では、日経平均株価は66,934.33円、前日比604.83円高(+0.91%)で終了し、同日中に67,231.28円の年初来高値も付けた。
ただし、地合いは全面高ではない。TOPIXは3,940.70、前日比16.47ポイント安(-0.42%)で引けた。値がさの主力株が日経平均を押し上げる一方、東証全体では売りに押される銘柄も多く、指数ごとの見え方に差が出た。
- 確認時点: 2026年6月1日16時ごろ(日本時間)
- 日経平均: 66,934.33円、前日比604.83円高(+0.91%)
- TOPIX: 3,940.70、前日比16.47ポイント安(-0.42%)
- 東証グロース市場250指数: 14時15分時点で782.39、前日比35.98ポイント安(-4.40%)
- 次回立会日: 2026年6月2日(火)9:00から15:30
結論を先に言えば、6月1日は「日経平均は強いが、市場全体はやや重い」相場だった。 6月2日は、日経平均が6万7000円台を再び試せるかよりも、TOPIXとグロース市場の弱さが和らぐかを見たい。
主要指数は日経平均とTOPIXで明暗
日経平均は続伸したが、TOPIXは下落した。大型値がさ株への資金集中が、指数の温度差を作った。
| 指標 | 確認値 | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 66,934.33円 | +604.83円(+0.91%) | Yahoo!ファイナンス、15:30 |
| TOPIX | 3,940.70 | -16.47(-0.42%) | Yahoo!ファイナンス、15:30 |
| 東証グロース市場250指数 | 782.39 | -35.98(-4.40%) | トレーダーズ・ウェブ、14:15時点 |
| 日本10年国債利回り | 2.69% | +0.04ポイント | トレーダーズ・ウェブ、11:33時点 |
前場の段階では、日経平均は前営業日比708.74円高の67,038.24円で引け、初めて6万7000円台に乗せた。株探は、前場のプライム市場の売買代金概算を6兆426億円、値上がり413銘柄、値下がり1129銘柄、変わらず19銘柄と伝えている。
ここがこの日の相場をよく表している。売買代金は大きい。だが、値下がり銘柄数が多い。つまり、買われた銘柄は強く買われたが、買いが市場全体へ広がったわけではない。
主役は情報通信と一部ハイテク、弱さは内需・景気敏感に残る
トレーダーズ・ウェブの14時15分時点の業種別データでは、情報・通信業が+5.22%と大きく上昇した。サービス業、金属製品、ガラス・土石製品、非鉄金属もプラス圏だった。
一方で、輸送用機器、鉱業、医薬品、卸売業、建設業などは下落が目立った。
買われた側
- 情報・通信業: +5.22%
- 金属製品: +2.06%
- サービス業: +1.96%
- ガラス・土石製品: +1.35%
- 非鉄金属: +1.11%
日経平均を押し上げたのは、主力ハイテク株と情報通信株への集中買いだった。株探の寄り付き概況でも、ソフトバンクグループ、村田製作所、東京エレクトロン、フジクラ、古河電工、リクルートHDなどが売買代金上位で上昇していたとされる。
売られた側
- 鉱業: -4.62%
- 医薬品: -4.00%
- 輸送用機器: -3.86%
- 卸売業: -3.47%
- 建設業: -3.24%
輸送用機器や卸売業が弱いと、TOPIXには重しになりやすい。日経平均の上昇だけを見て「日本株全体が強い」と判断すると、実際の持ち株の体感とずれやすい局面だった。
外部環境は米株高が追い風、金利上昇は重し
6月1日の東京市場は、前週末の米国株高を受けて買いが先行した。株探の寄り付き概況によると、5月29日の米国市場ではダウ平均が363.49ドル高、ナスダック総合指数が55.15ポイント高で終え、いずれも堅調だった。
中東情勢をめぐる停戦延長報道や、米株の最高値更新が、東京市場のリスク選好を支えた。
一方で、国内金利には注意が残る。トレーダーズ・ウェブでは、11時33分時点の日本10年国債利回りが2.69%、前日比0.04ポイント上昇していた。長期金利の上昇は、グロース株や不動産、内需株のバリュエーションには逆風になりやすい。
ここがポイント: 日経平均の上昇は、米株高と値がさ株への資金集中で説明しやすい。一方、TOPIX安とグロース250安は、買いが広く回っていないことを示している。
大引け後から海外時間で見る材料
6月1日の国内予定では、1-3月期の法人企業統計調査、5月新車販売台数、5月軽自動車販売台数が確認対象だった。財務省が公表した法人企業統計については、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比14.6%増だったと報じられている。
企業利益の底堅さは中期的には株価の支えになる。ただ、6月1日の場中では、指数の主役は業績全体というより、AI・データセンター・半導体周辺のテーマ株だった。
海外時間では、米5月ISM製造業景況指数が日本時間23時に予定されている。6月2日の寄り付きでは、この結果と米長期金利、ナスダックの反応がまず材料になる。
6月2日の日本株で見るべきポイント
次回立会日の焦点は、日経平均の高値更新そのものよりも、上昇の中身が広がるかどうかだ。
強気材料
- 日経平均が6万7000円台を一度付け、上値を試す需給が残っている
- 米国株が堅調で、ハイテク株への資金流入が続いている
- 情報通信や一部ハイテク株が指数をけん引している
- 法人企業統計で企業利益の増加が確認された
弱気材料
- TOPIXは下落しており、日経平均との温度差がある
- 前場時点で値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大きく上回った
- グロース250は14時15分時点で大きく下げていた
- 国内長期金利の上昇が、成長株や内需株の重しになりやすい
6月2日は、まず日経平均が66,500円から67,000円近辺で値を保てるかを見る。そこを維持できれば、値がさ株主導の買いはまだ続いていると受け止められやすい。
ただし、より大事なのはTOPIXだ。TOPIXが反発し、輸送用機器や卸売、建設など下げが目立った業種に買い戻しが入れば、相場の裾野は広がる。反対に日経平均だけが高く、TOPIXとグロース250が弱いままなら、6月1日と同じく「指数は強いが中身は偏る」展開になりやすい。
最後に確認したいのは、米ISM製造業景況指数後の米金利だ。米指標が強すぎて金利が上がる場合、ハイテク株には短期的な利益確定が出やすい。逆に、米株高と金利安が並ぶなら、6月2日の東京市場でも情報通信・半導体関連への買いが続く余地がある。
次回の立会日では、次の3点に絞って見ると地合いをつかみやすい。
- 日経平均が6万7000円台を再び回復できるか
- TOPIXが反発し、値上がり銘柄数が増えるか
- グロース250と国内長期金利の動きが落ち着くか
6月1日の相場は、強い指数と弱い広がりが同居した。6月2日は、日経平均の水準よりも、買いが大型値がさ株の外へ出るかが最初の確認点になる。
