日経平均は反落、TOPIXは続伸 7月22日の日本株は「指数の分裂」が鮮明に
7月22日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比116円59銭安の6万6115円60銭で反落した。一方、TOPIXはプラス圏を維持。前日に急反発した半導体・AI関連の一角には買いが続いたものの、値がさ株の下落が日経平均を押し下げた。
市場全体が一様に売られた日ではない。 東証プライム市場では値上がり銘柄が値下がり銘柄を上回り、大型株の中でも明暗が分かれた。次回7月23日は、米大型テクノロジー企業の決算と、半導体株の買い戻しが続くかが焦点になる。
- 日経平均:6万6115円60銭、前日比116円59銭安
- TOPIX:上昇し、日経平均とは逆方向の値動き
- 東証グロース市場250指数:696.81、前日比7.26ポイント安
- プライム市場の騰落数:値上がり837、値下がり670、変わらず45
※指数は2026年7月22日の大引け時点。TOPIXとグロース250の数値は取引終了間際に配信された市場データも参照している。
日経平均は小幅安でも、騰落数は値上がり優勢
この日の特徴は、日経平均の下落だけでは地合いを正確につかみにくいことだ。
日経平均は前日に2091円上昇していた。22日はその反動から利益確定売りが出やすく、朝方の上昇を維持できずに反落した。ただし、下げ幅は116円、率にして0.18%にとどまった。
主要指標の動きは次の通り。
- 日経平均株価:6万6115円60銭(前日比116円59銭安、0.18%安)
- TOPIX:取引終了間際で4028ポイント台(同0.3%程度高)
- 東証グロース市場250指数:696.81(同7.26ポイント安、1.03%安)
- 東証プライム市場の騰落数:値上がり837、値下がり670、変わらず45
TOPIXが上昇し、プライム市場でも値上がり銘柄が過半を占めたことから、主力株全般が崩れたわけではない。日経平均への影響が大きい一部の値がさ株が、指数を下方向へ引っ張った構図だ。
一方、新興株を示すグロース250は1%を超えて下落した。大型株の一角に資金が残る半面、金利上昇の影響を受けやすい成長株には慎重な姿勢が続いている。
半導体株の買い戻しは継続、値がさ株が上値を抑える
前日に相場を押し上げたAI・半導体関連では、22日も銘柄によって買い戻しが続いた。ただ、業種全体がそろって上昇したわけではない。
キオクシアや電子部品株が下支え
日経平均へのプラス寄与では、キオクシアホールディングスが約75円、イビデンが約56円、京セラが約31円、それぞれ指数を押し上げた。太陽誘電や村田製作所もプラスに寄与した。
これは、前週に急落したAI・半導体関連への押し目買いが完全には途切れていないことを示す。米国市場でハイテク株が反発したことも、東京市場の買いを支えた。
ただし、半導体株は直近の値動きが大きい。前週末の急落と21日の急反発を経ており、短期資金による売買で振れ幅が拡大しやすい局面にある。
ファーストリテイリングなどが日経平均を圧迫
下落寄与が最も大きかったのはファーストリテイリングで、日経平均を約182円押し下げた。リクルートホールディングス、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、信越化学工業もマイナスに寄与した。
このため、プライム市場では値上がり銘柄が多かったにもかかわらず、日経平均はマイナスで終えた。
ここがポイント: 22日は「日本株全体の下落」ではなく、日経平均への寄与度が大きい銘柄の下げと、電子部品・半導体関連の買い戻しが同時に進んだ日だった。
米国株反発は支え、金利と中東情勢は重荷
外部環境には強弱両方の材料があった。
前日の米国市場では、ダウ工業株30種平均が385ドル高、ナスダック総合指数が329ポイント高で終了した。AI関連株の回復や主要企業の決算が買い材料となり、22日の東京市場も朝方は日経平均が217円高で始まった。
一方で、相場の上値を追いにくくする要因も残る。
- 米国とイランを巡る緊張が続き、原油価格の上昇リスクが意識されている
- 米長期金利の上昇は、高い成長期待を織り込むハイテク株の評価を圧迫しやすい
- 国内では円相場が1ドル=162円台で推移し、輸出企業には追い風となる半面、輸入コストの上昇につながる
- 日本の長期金利も高水準にあり、新興・成長株には重荷となりやすい
円安を単純な株高材料と見るのは難しい。自動車や機械など海外売上高の大きい企業には利益押し上げ要因となるが、小売、食品、電力・ガスなど輸入コストの影響を受ける企業には逆風になるためだ。
大引け後は米大型テック決算が最大の焦点
22日の大引け後から海外時間にかけては、Alphabet、Tesla、IBM、Texas Instrumentsなど米主要企業の決算が予定されている。
日本株への影響が特に大きいのは、各社が示すAI関連投資と半導体需要の見通しだ。
確認したい項目は明確だ。
- データセンターやAI向け設備投資が維持・拡大されるか
- 半導体やメモリー需要について慎重な見通しが示されないか
- 金利上昇下でも成長投資を継続できる収益力が確認できるか
- 決算発表後の米ハイテク株とSOX指数がどう反応するか
好決算でも株価が上がらない場合は、市場の期待がすでに高すぎる可能性がある。反対に、設備投資計画が強く、米半導体株が素直に上昇すれば、日本の半導体製造装置、電子部品、メモリー関連にも買いが波及しやすい。
国内の大引け後開示については、個別企業の材料を市場全体の方向性へ直結させるより、23日朝の気配と業種内への波及を確認したい。決算発表の本格化を前に、業績予想や受注見通しへの反応が厳しくなる可能性もある。
7月23日の見通し 6万6000円と半導体株の持続力を確認
次回立会日の基本線は、米大型テック決算を受けた半導体株主導の値動きになる。
強気シナリオ
米ハイテク企業の決算や設備投資計画が市場予想を上回り、米国時間にSOX指数とナスダックが上昇すれば、東京市場でも半導体・電子部品株への買い戻しが続きやすい。
その場合、日経平均が6万6000円台を維持し、22日の高値方向へ戻せるかが焦点となる。TOPIXも同時に上昇すれば、一部の値がさ株だけでなく市場全体へ買いが広がっていると判断しやすい。
弱気シナリオ
米企業のAI投資見通しが弱い、または好決算でも株価が下落する場合は、前日の買い戻しが再び巻き戻される可能性がある。
特に注意したいのは次の組み合わせだ。
- 日経平均が6万6000円を明確に下回る
- 半導体関連が寄り付き後も下げ幅を広げる
- TOPIXもマイナスに転じ、プライム市場の値下がり銘柄が増える
- 円安と金利上昇が同時に進み、グロース250が続落する
この形になれば、22日に見られた市場の底堅さは後退する。
次回立会日で見るべき4点
7月23日は、指数の上下だけでなく、買いの広がりを確認したい。
- 日経平均6万6000円を終値で維持できるか
- Alphabetなどの決算後に、米半導体株が上昇するか
- キオクシアや電子部品株への買い戻しが続くか
- TOPIXとプライム市場の騰落数が、日経平均と同じ方向を向くか
22日は日経平均が反落しても、TOPIXと騰落数には底堅さが残った。23日にこの分裂が解消されるのか、それとも値がさ株だけがさらに調整するのか。寄り付き直後ではなく、前場後半までの半導体株と市場の騰落数が、地合いを見極める具体的な手掛かりになる。
