日経平均は大幅反落、AI主導相場に利益確定売り 6月5日は金利と銀行株が焦点
2026年6月4日の日本株市場は、前日の急伸から一転して反落しました。日経平均は前日比931円44銭安の67,470円69銭、TOPIXは44.35ポイント安の3,951.85で終了。前日に日経平均とTOPIXがそろって最高値を更新した直後だけに、利益確定売りが出やすい一日でした。
ただし、全面的な投げ売りというより、情報・通信、非鉄、石油・石炭など前日まで買われた領域の調整が目立つ相場です。銀行、海運、機械はプラスで、金利上昇を材料に買われる銘柄もありました。
- 日経平均は67,470.69円、前日比-931.44円
- TOPIXは3,951.85、前日比-44.35ポイント
- 東証グロース市場250指数は743.77、前日比-20.25ポイント
- 東証プライムは値上がり430銘柄、値下がり1,078銘柄、変わらず50銘柄
- 6月5日は、日銀利上げ観測、米経済指標、AI関連株の需給が焦点
主要指数はそろって下落、グロースも5日続落
大引け後に確認できる主要指数では、日経平均、TOPIX、東証グロース市場250指数がいずれも下落しました。
| 指数・項目 | 終値・状況 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 67,470.69円 | -931.44円(-1.36%) |
| TOPIX | 3,951.85 | -44.35(-1.11%) |
| 東証グロース市場250指数 | 743.77 | -20.25(-2.65%) |
| 東証プライム騰落数 | 値上がり430 / 値下がり1,078 / 変わらず50 | 値下がり優勢 |
前場の日経平均は一時1,300円安まで売られました。後場にかけて下げ幅は縮小したものの、値下がり銘柄数は値上がりの2倍以上あり、市場全体としてはリスクを落とす動きが優勢でした。
売買代金については、大引け直後の確定値として本稿作成時点で参照先にまとまった終日データを確認できませんでした。前場時点では東証プライムの売買代金概算が5兆2,250億円と報じられており、前日に続き売買は高水準だったとみられます。確定値はJPXまたは主要市況データの更新で確認したいところです。
セクターは5業種高、28業種安
業種別では、上昇したのは33業種中5業種にとどまりました。前日に強かったAI・半導体関連の一角や、ソフトバンクグループを含む情報・通信業が大きく売られ、指数の重荷になりました。
上昇した業種
- 海運業: +1.05%
- 銀行業: +0.74%
- 機械: +0.57%
- 空運業: +0.35%
- 倉庫・運輸関連: +0.25%
銀行業の上昇は、日銀が6月会合で1%への利上げを検討すると伝わったことが材料視された動きです。金利上昇は一般に銀行の利ざや改善期待につながるため、下げ相場の中でも見直し買いが入りました。
下落が大きかった業種
- 情報・通信業: -5.67%
- 非鉄金属: -3.33%
- 石油・石炭製品: -2.64%
- 繊維製品: -2.55%
- その他製品: -2.34%
情報・通信の下げは、AI関連や大型グロース株に利益確定売りが集中したことを示しています。前日6月3日はAI関連が相場を押し上げ、日経平均が初めて68,000円台に乗せました。その反動が4日の相場に出ました。
外部環境: 円相場は159円台、米株安も重荷
為替市場では、16時前後のドル円が159円台後半で推移しました。円安水準そのものは輸出関連株の支えになりやすい一方、4日は株価指数の調整圧力の方が勝りました。
米国市場では、NYダウが50,687.07ドル、前日比620.72ドル安。ナスダック総合も26,853.97、前日比239.92ポイント安でした。米国株の下落は、東京市場で前日に買われたAI・ハイテク株へ利益確定を促す材料になりました。
国内金利では、トレーダーズ・ウェブの指数一覧で日本10年国債利回りが2.66%と表示されています。銀行株には追い風ですが、高PERのグロース株や将来利益を強く織り込んだ銘柄には重荷になりやすい水準です。
大引け後に見る材料
4日の大引け後は、個別企業の決算・月次・適時開示もありますが、市場全体で見るべき軸は次の3つです。
- 日銀の6月会合に向けた利上げ観測が、銀行株と不動産・グロース株にどう効くか
- 米国時間の雇用関連指標や労働生産性データで、米金利が上下するか
- 前日まで相場を押し上げたAI・半導体関連に押し目買いが戻るか
特に、日経平均は値がさ株の寄与度が大きい指数です。ソフトバンクグループや半導体関連の一部が動けば、個別株全体の温度感以上に指数が大きく振れます。TOPIXや騰落数を併せて見る必要があります。
6月5日の注目点: 反発よりも中身を確認
次回立会日となる2026年6月5日は、単に日経平均が反発するかどうかより、どの資金がどこへ移るかを見たい日です。
強気材料はあります。日銀利上げ観測で銀行株が買われ、円安が輸出関連の下支えになるなら、TOPIX型の銘柄には買いが入りやすい展開です。機械や海運が4日にプラスを保った点も、物色が完全に止まったわけではないことを示します。
一方で、弱気材料も残ります。
- 日経平均は前日に最高値を更新した直後で、短期過熱感が残る
- グロース250は5日続落で、金利上昇に弱い銘柄への警戒が続く
- 米株が続落すれば、AI・半導体関連の戻りは鈍くなりやすい
- 67,000円台を保てない場合、先物主導で下値を試す可能性がある
6月5日は、日経平均の水準だけでなく、TOPIX、銀行株、情報・通信、東証グロース市場250指数の動きを並べて見るべきです。前日までのAI主導相場から、金利を意識した銘柄選別へ資金が移るのか。そこが次の地合いを判断する手掛かりになります。
