米ハイテク安を受ける朝、6月29日の日本株は「下げの広がり」を確認したい
6月29日の日本株市場は、まず米ハイテク株安が東京市場のどこまで波及するかを見る朝になる。前営業日の6月26日は、アジア時間にAI関連株への売りが強まり、日本株にも売り圧力が出た。前夜の米国市場もS&P500とナスダックが小幅安で終え、週を通じてハイテク株の重さが残った。
一方で、米国株は全面安ではない。小型株は底堅く、原油も急騰ではなく一服感を残している。したがって、きょうの焦点は「売られるかどうか」だけではなく、売りが半導体・AI関連に限られるのか、TOPIX型の大型バリュー株や内需株まで広がるのかにある。
- 確認時点: 2026年6月29日 8時17分 JST
- 直近終了した日本市場: 2026年6月26日
- 次に開く日本市場: 2026年6月29日
- 朝の主な焦点: 米ハイテク安、円相場、長期金利、原油、日中の物色の広がり
前営業日の日本株と前夜の米国市場
前営業日の東京市場は、AI関連株の調整が主な重しになった。MarketWatchは6月26日のアジア市場について、日本の日経平均が約4%下落し、ソフトバンクグループが大きく売られたと報じている。
この動きが重要なのは、日経平均が値がさ株や半導体関連の影響を受けやすい指数だからだ。日経平均だけが大きく下げ、TOPIXや内需系が相対的に持ちこたえるなら、相場全体の崩れというより「ハイテク集中の巻き戻し」と読める。
米国市場は小幅安、ただしナスダックの週次下落が重い
AP通信によると、6月26日の米国市場は以下の終値だった。
- S&P500: 7,354.02、前日比3.47ポイント安
- ダウ平均: 51,876.11、前日比44.51ドル安
- ナスダック総合: 25,297.62、前日比60.99ポイント安
- ラッセル2000: 3,010.08、前日比2.23ポイント高
1日だけを見れば下げは小さい。ただ、週次ではS&P500が2.0%安、ナスダックが4.6%安だった。日本株の寄り付きでは、ナスダック安を受けた半導体、AI、データセンター関連への売りが先に出やすい。
寄り付き前の外部環境
朝の外部環境は、株価指数だけでなく、為替、金利、原油を一緒に見る必要がある。輸出株、金融株、グロース株で効く材料が違うためだ。
為替は輸出株の下支えになるか
ドル円が円安方向に振れれば、自動車や機械など輸出関連には支えになる。反対に、円高が進めばハイテク安と重なり、日経平均の上値は重くなりやすい。
きょうは寄り付き直後の指数の方向だけでなく、9時台に為替がどちらへ動くかを見たい。株先物が下げて始まっても、ドル円が安定すれば売り一巡後に大型輸出株が下支えする展開は残る。
長期金利はグロース株と金融株で見方が分かれる
日銀の田村直樹審議委員は6月25日、物価上振れリスクが強まる場合には利上げペースを速める必要があるとの考えを示した。市場はこれを、国内金利の上昇圧力として受け止めやすい。
金利上昇は銀行・保険には追い風になりやすい。一方で、将来利益への期待で買われてきたグロース株には逆風だ。金利が上がる日にグロース250が弱く、銀行株が底堅いなら、物色の軸はかなりはっきりする。
原油は中東情勢とインフレ警戒をつなぐ材料
MarketWatchは週末時点で、WTI原油が1バレル70ドル近辺へ上昇したと伝えている。原油の反発は資源株には材料になる一方、運輸、小売、化学などコスト負担が意識される業種には重しになる。
原油高が続く場合、投資家は企業収益だけでなく日銀の政策姿勢も意識する。物価が上振れし、金利上昇観測が強まれば、株式市場では「資源・金融に資金が残り、グロースが売られる」形になりやすい。
きょう確認したいイベントと時間帯
6月29日の日本株は、国内単独の材料よりも、週後半の海外イベントを先回りする動きが出やすい。米国では7月4日の祝日を前に、雇用関連指標の発表日程が意識される。
- 寄り付き前: 日経平均先物、ドル円、米長期金利、原油価格
- 9時台: 半導体・AI関連への売りが一巡するか
- 前場中盤: TOPIX、銀行、資源、内需株の相対的な強弱
- 後場: アジア株、米株先物、為替の方向感
- 週内: 米雇用統計、JOLTS、ADP雇用、米新規失業保険申請件数、中国・日本の製造業関連指標
WSJは6月29日からの週について、米雇用統計や欧州の物価関連指標、中国・日本を含む製造業データが為替・債券市場の焦点になると整理している。日本株もこの流れから外れにくい。
強気材料と弱気材料
きょうの相場は、強弱が混ざっている。寄り付きで下げても、すぐ全面弱気と決めつける局面ではない。
強気材料
- 米国株の下げは6月26日単日では小幅にとどまった
- ラッセル2000は小幅高で、リスク回避一色ではない
- 円安が残れば輸出株の支えになる
- 原油高は資源関連に追い風となる可能性がある
- 金利上昇局面では銀行・保険が相対的に買われやすい
弱気材料
- ナスダックは週次で4.6%下落し、ハイテク株の調整色が強い
- AI関連株への売りが日本の値がさ株に波及しやすい
- 日銀の利上げ観測が強まるとグロース株の重しになる
- 原油高は企業コストとインフレ警戒を同時に押し上げる
- 週後半の米雇用統計を前に、積極的な買いが入りにくい
ここがポイント: きょうは日経平均の値幅だけでなく、TOPIX、グロース250、銀行、資源、半導体の組み合わせを見る日。売りがハイテクに限られるか、相場全体へ広がるかで地合いの読み方が変わる。
寄り付き、前場、後場で見るポイント
時間帯ごとに見るべき材料を分けると、相場の変化を追いやすい。
寄り付き
最初に見るのは、日経平均の下げ幅よりも値下がり銘柄数の広がりだ。半導体関連だけが大きく下げるなら、指数の見た目ほど地合いは悪くない可能性がある。
反対に、銀行、商社、内需株まで売られるなら、海外株安をきっかけに利益確定が広がっていると見るべきだ。
前場
前場ではTOPIXの動きが重要になる。日経平均が弱くてもTOPIXが粘るなら、相場の中では物色の入れ替えが起きている。
グロース250が大きく下げる場合は、金利上昇への警戒が強い。米長期金利と国内長期金利の両方を確認したい。
後場
後場はアジア株と米株先物の反応が効きやすい。中国・韓国・台湾のハイテク株が下げ止まるなら、日本の半導体関連にも買い戻しが入りやすい。
逆に、米ナスダック先物が下げ幅を広げるなら、東京市場の引けにかけて持ち高調整が出やすい。
きょうの見方
6月29日の日本株は、寄り付き段階ではハイテク安を織り込む動きが先行しやすい。ただし、米国株全体が大崩れしたわけではなく、為替や金利次第では、輸出株、銀行、資源株が下支えする余地もある。
見るべき順番ははっきりしている。
- 日経平均先物とドル円が寄り付き前から崩れていないか
- 半導体・AI関連の売りが一巡するか
- TOPIXが日経平均より強いか
- グロース250が金利上昇を嫌って下げを広げるか
- 後場に米株先物とアジア株が落ち着くか
きょうの相場が強く見える条件は、日経平均が下げてもTOPIXが粘り、銀行・資源・輸出株に買いが残ることだ。弱い条件は、ハイテク売りが内需株や金融株まで広がり、値下がり銘柄数が増えること。まずは9時台の売りの広がりを確認し、後場は米株先物と為替が同じ方向に動くかを見たい。
参照リンク
- AP: How major US stock indexes fared Friday 6/26/2026
- MarketWatch: Nasdaq set to fall after tech selloff in Asia
- MarketWatch: Oil prices rise, stock futures inch higher as U.S. and Iran trade more airstrikes
- WSJ: Hawkish Bank of Japan Member Sees Scope to Bring Policy Rate Closer to 2%
- WSJ: Week Ahead for FX, Bonds
