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本業だけでは測れない含み資産株10選 土地・有価証券と利益力を分けて見る

本業だけでは測れない含み資産株10選 土地・有価証券と利益力を分けて見る

本業だけでは測れない含み資産株10選 土地・有価証券と利益力を分けて見る

投資判断は自己責任であり、この記事の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。株価、PER、PBR、配当利回りなどの市場データは日々変動します。本稿は2026年7月11日時点で確認できる公開情報を前提に、各社IR、決算資料、主要株価情報サイトで再確認するための比較材料として整理します。

今回の結論を先に言えば、含み資産株は「資産が多いから買い」ではありません。見るべき順番は、まず本業が現金を生むか、次に土地・有価証券が株主価値へ変わる道筋があるか、最後に株価がその変化をどこまで織り込んだかです。

この記事で見るポイントは次の4つです。

  • 本業価値: 営業利益、ROE、成長余地が株価を支えられるか
  • 含み資産: 都心不動産、倉庫用地、政策保有株、森林資源などの厚み
  • 還元・再評価余地: 自社株買い、増配、資産売却、PBR改善策の有無
  • 投資スタイル: 短期材料型、中期見直し型、長期保有型のどれに向くか
目次

含み資産株は「資産の多さ」より「動かせる資産か」が重要

含み資産株で最も重要なのは、貸借対照表に眠る資産が、実際に株主価値へ変わる可能性です。

土地を多く持つ会社でも、本業に不可欠な工場や鉄道用地は簡単に売れません。一方で、都心の賃貸不動産、遊休地、政策保有株式、再開発余地のある拠点は、売却・賃貸収益・担保力・資本政策の材料になります。

特に日本株では、東京証券取引所が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営を求めていることもあり、PBR1倍割れ企業だけでなく、資産効率の改善を迫られる企業全体に見直しが広がっています。

ただし、含み資産には弱点もあります。

  • 資産売却がなければ利益や配当に直結しにくい
  • 土地の再評価益は会計上すぐ表に出ないことが多い
  • 政策保有株は売却タイミングと税負担で手取りが変わる
  • 不動産市況や金利上昇で評価が揺れる
  • 本業が弱い会社では、資産価値が株価の下支えにとどまりやすい

ここがポイント: 含み資産株は、資産価値だけでなく「本業の利益」「資本政策」「資産を動かす意思」の3点を同時に見ると、単なる低PBR株との違いが見えやすくなります。

比較一覧 含み資産と本業価値で見る10銘柄

ここでは、土地・有価証券・不動産収益・本業利益の組み合わせが見やすい10社を並べます。購入ラインと売却ラインは売買指示ではなく、監視レンジやシナリオとしての目安です。

銘柄 オススメ度 主な含み資産の見方 向く投資スタイル 購入ラインの考え方 売却ラインの考え方
TBSホールディングス(9401) ★★★★☆ 赤坂周辺不動産、投資有価証券、メディア資産 中期・長期 PBRの過熱感が薄れ、還元・不動産収益の進展を確認できる局面 資産売却期待だけで急伸し、本業利益の伸びを大きく上回る局面
フジ・メディアHD(4676) ★★★☆☆ 不動産、投資有価証券、放送・都市開発関連資産 中期 広告市況の底打ちと資産効率改善が同時に見える局面 放送事業の低迷が続くまま資産期待だけで買われた局面
テレビ朝日HD(9409) ★★★☆☆ 政策保有株、現預金、不動産関連資産 中期・長期 PBR低位で、配当・自社株買いの拡充余地が意識される局面 広告回復を織り込み、還元材料が一巡した局面
東宝(9602) ★★★★☆ 日比谷周辺などの不動産、映画IP、投資有価証券 中期・長期 映画ヒットの反動で押し、賃貸不動産の安定収益が評価される局面 大型作品期待でPERが大きく切り上がり、次の材料待ちになった局面
三菱倉庫(9301) ★★★★☆ 都心・港湾周辺の土地、賃貸不動産、政策保有株 中期・長期 PBR1倍接近前の調整局面、物流と不動産の利益が崩れていない局面 資産売却や還元期待を先取りし、利回り妙味が薄れた局面
住友倉庫(9303) ★★★☆☆ 倉庫用地、不動産賃貸、政策保有株 配当重視・中期 配当利回りが相対的に上がり、物流市況の悪化が限定的な局面 倉庫株全体の資産見直しが一巡し、業績成長に比べ株価が先行した局面
大日本印刷(7912) ★★★★☆ 不動産、政策保有株、事業ポートフォリオ再編余地 中期 自社株買い・事業再編後の利益水準を見極められる調整局面 還元強化を織り込み、ROE改善の追加材料が乏しくなった局面
王子ホールディングス(3861) ★★★☆☆ 国内外の森林資源、土地、素材事業の資産基盤 長期・景気循環型 紙・パルプ市況の悪化が株価に反映され、資産価値が下支えになる局面 市況回復を織り込み、原燃料高や需要減速が再び意識される局面
平和不動産(8803) ★★★☆☆ 兜町・日本橋周辺の不動産、再開発資産 中期・不動産テーマ 金利上昇懸念で不動産株が売られ、再開発の進捗が変わらない局面 不動産市況の楽観が強まり、利回りとNAVの上振れ余地が縮む局面
京王電鉄(9008) ★★★☆☆ 沿線不動産、駅周辺開発、商業施設 長期・回復待ち 運輸回復と不動産収益の両方が見え、PBR低位が続く局面 インバウンド・再開発期待だけで上昇し、運輸利益の改善が追いつかない局面

10銘柄の個別チェック

ここからは、各銘柄を「本業」「含み資産」「強気材料」「弱気材料」「投資スタイル」の順に見ます。

TBSホールディングス(9401) 赤坂不動産とメディア事業を分けて見る銘柄

TBSホールディングスは、放送会社として見るだけでは評価を誤りやすい銘柄です。赤坂を中心とする不動産収益、投資有価証券、コンテンツ事業を分けて見る必要があります。

本業面では、広告市況に左右される放送事業だけでなく、配信、イベント、不動産が利益の安定役です。PERやPBRは市場局面で変動しますが、資産価値を背景にPBRの下値が意識されやすい一方、ROEの改善には本業利益と資産効率の両方が必要です。

強気材料は次の通りです。

  • 赤坂周辺の不動産価値が高く、賃貸収益が安定しやすい
  • 投資有価証券の圧縮や還元強化が進めば、資本効率改善の材料になる
  • コンテンツの二次利用、配信、イベントで放送依存を下げられる

弱気材料も明確です。地上波広告の構造的な伸び悩みが続くと、資産価値はあっても本業評価が重くなります。また、資産売却や再開発は時間がかかるため、短期の株価材料としては期待先行になりやすい点に注意が必要です。

投資スタイルは中期から長期向きです。購入ラインは、PBRや配当利回りに割高感が薄れ、次の決算で不動産・コンテンツ収益の下支えが確認できる局面。売却ラインは、資産売却期待だけで株価が急伸し、営業利益やROE改善の実績を大きく先取りした局面です。

フジ・メディアHD(4676) 不動産価値と放送事業の温度差を見る銘柄

フジ・メディアHDは、不動産とメディア事業の評価差が大きい銘柄です。保有資産への見直し余地はありますが、放送・広告事業の回復力を同時に確認したいタイプです。

含み資産の観点では、不動産関連資産や投資有価証券が注目されます。一方で、本業の収益力が弱い局面では、資産価値が株価の上限を押し上げるより、下値を支える材料にとどまりやすくなります。

強気材料は、不動産収益、資本効率改善、コンテンツ事業の再評価です。PBRが低位にとどまる局面では、還元強化や資産の使い方を巡る期待が出やすくなります。

弱気材料は、広告市況と視聴環境の変化です。テレビ広告の回復が鈍いままでは、PERの切り上がりが続きにくく、ROEも改善しづらい。含み資産株として買う場合でも、本業の底打ち確認が重要です。

投資スタイルは中期向きです。購入ラインは、広告市況の悪化が一巡し、PBR低位と還元余地が同時に見える場面。売却ラインは、放送事業の利益改善が弱いまま資産期待だけで株価が上がった場面です。

テレビ朝日HD(9409) 守りの資産と還元余地を確認する銘柄

テレビ朝日HDは、派手な成長株ではなく、資産と財務の厚みをどう株主価値へ変えるかを見る銘柄です。

財務面では、現預金、投資有価証券、不動産関連資産が評価の下支えになります。PBRが低く見える局面では、資本効率改善策が株価材料になりやすい一方、ROEが上がらなければ低PBRのまま放置されるリスクもあります。

強気材料は、保守的な財務、政策保有株の見直し余地、配当や自社株買いの拡充期待です。広告市況が持ち直せば、本業と資産の両面で評価が改善します。

弱気材料は、放送広告の構造変化と成長投資の見えにくさです。資産は厚くても、それを使ってROEを高める道筋が弱いと、株価の再評価は限定的になります。

投資スタイルは中期から長期向きです。購入ラインは、PBR低位で配当利回りが相対的に高まり、還元拡充の可能性が意識される場面。売却ラインは、広告回復や還元期待を織り込み、次の一手が見えにくくなった場面です。

東宝(9602) 不動産と映画IPを両方持つ質の高い含み資産株

東宝は、単なる映画会社ではなく、映画IPと都心不動産を併せ持つ銘柄です。含み資産株の中でも、本業の利益力が比較的見えやすい点が強みです。

映画事業はヒット作の有無で利益が振れますが、劇場、不動産賃貸、アニメ・映像IPが収益を支えます。PERはヒット期待で高く見える局面がありますが、PBRやROEだけでなく、IPの継続的な収益化を合わせて見るべき銘柄です。

強気材料は、映画・アニメIPの海外展開、不動産賃貸の安定性、保有資産の質です。含み資産株でありながら、本業が成長材料を持つ点は大きな違いです。

弱気材料は、ヒット作依存と期待先行です。大型作品の反動で業績が鈍ると、PER面の割高感が意識されやすくなります。また、映画館需要や制作費上昇も確認が必要です。

投資スタイルは中期から長期向きです。購入ラインは、ヒット作の反動で株価が調整し、不動産収益とIP収益の基礎利益が崩れていない場面。売却ラインは、作品期待で株価が大きく上がり、次の決算で上振れ余地が小さくなった場面です。

三菱倉庫(9301) 物流と都心不動産を併せ持つ王道の資産株

三菱倉庫は、倉庫株の中でも含み資産の見方がしやすい銘柄です。港湾・都市部の土地、物流施設、不動産賃貸、政策保有株が評価の焦点になります。

本業は物流、倉庫、不動産が柱です。景気に左右される物流収益だけでなく、賃貸不動産が利益の安定役になります。PBR1倍を意識する市場では、資産効率改善や還元強化の余地が株価材料になりやすい銘柄です。

強気材料は、都心部不動産の価値、物流再編、安定配当、政策保有株の見直し余地です。大型株ほど流動性もあり、機関投資家の見直し対象になりやすい点もあります。

弱気材料は、物流市況の鈍化、倉庫再開発の時間軸、金利上昇による不動産評価の低下です。含み資産をすぐ現金化する会社ではないため、短期急騰後は材料待ちになりやすいでしょう。

投資スタイルは中期から長期向きです。購入ラインは、PBR1倍接近前の調整局面で、物流と不動産の利益が崩れていない場面。売却ラインは、資産売却や還元強化を織り込み、配当利回りとPBRの魅力が薄れた場面です。

住友倉庫(9303) 配当と資産価値を組み合わせて見る銘柄

住友倉庫は、三菱倉庫よりも配当・安定収益の観点で見たい銘柄です。倉庫用地、不動産賃貸、政策保有株が評価の土台になります。

本業は物流と不動産が中心で、急成長を狙う銘柄ではありません。だからこそ、PER、PBR、配当利回りを横並びで見て、どの水準なら資産価値と利回りの両方に妙味があるかを判断する必要があります。

強気材料は、安定した物流需要、賃貸不動産、株主還元余地です。倉庫株全体に資産効率改善の見直しが入る局面では、相対的に評価されやすくなります。

弱気材料は、成長率の低さです。ROEが大きく伸びない場合、PBRの切り上がりには限界があります。物流市況が悪化すると、配当利回りだけでは株価を支えきれない場面もあります。

投資スタイルは配当重視の中期向きです。購入ラインは、配当利回りが高まり、PBRが過去レンジの下限に近づく局面。売却ラインは、倉庫株全体の資産見直しで株価が先行し、利益成長とのバランスが崩れた局面です。

大日本印刷(7912) 資産圧縮と本業再編の両方を見る銘柄

大日本印刷は、含み資産株であると同時に、事業ポートフォリオ改革と株主還元の進み方を見る銘柄です。

印刷会社としてのイメージが強い一方、エレクトロニクス、情報コミュニケーション、生活・産業分野を持ち、事業構造は広い。政策保有株や不動産の見直し、自己株式取得、資本効率改善が株価材料になってきました。

強気材料は、資本政策の明確化、成長領域への投資、ROE改善余地です。資産を圧縮しながら本業の利益率を上げられれば、単なる低PBR修正ではなく、中期的な再評価につながります。

弱気材料は、既に還元期待をある程度織り込んでいる可能性です。自社株買いなどの大きな材料が一巡した後、本業利益の伸びが鈍いと、株価は次の材料待ちになります。

投資スタイルは中期向きです。購入ラインは、還元策の発表後ではなく、決算で利益率改善とキャッシュ配分を確認できる調整局面。売却ラインは、ROE改善より先に株価だけが上がり、PBRの上昇余地が限られてきた場面です。

王子ホールディングス(3861) 森林資源と素材市況を分けて見る銘柄

王子ホールディングスは、土地や森林資源を持つ一方で、紙・パルプ市況の影響を強く受ける銘柄です。資産価値だけでなく、素材サイクルを必ず見る必要があります。

本業は生活産業資材、機能材、資源環境ビジネスなどに広がります。森林資源や土地は長期的な価値を持ちますが、短期の株価は紙需要、パルプ価格、原燃料費、為替の影響を受けます。

強気材料は、森林資源、包装材需要、脱プラスチック関連、海外資源事業です。PBRが低位で、市況悪化が十分織り込まれた局面では、長期資産価値が下支えになります。

弱気材料は、国内紙需要の縮小と原燃料高です。ROE改善が遅れると、資産価値があっても株価の上値は重くなります。

投資スタイルは長期・景気循環型です。購入ラインは、素材市況の悪化で株価が売られ、財務と配当の持続性が確認できる場面。売却ラインは、市況回復を織り込み、利益率改善が頭打ちになった場面です。

平和不動産(8803) 兜町・日本橋再開発の資産価値を見る銘柄

平和不動産は、含み資産を最も直接的に株価へ結びつけやすい不動産株です。兜町・日本橋周辺の再開発が中期テーマになります。

本業はオフィス賃貸、証券取引所関連施設、再開発です。不動産会社なので、資産価値は業態そのものに近く、PBR、NAV、賃料動向、金利を合わせて見る必要があります。

強気材料は、都心再開発、賃料上昇、街区価値の向上です。再開発が進むほど、単なる保有資産ではなく、収益を生む資産として評価されます。

弱気材料は、金利上昇と不動産市況の変化です。不動産株は金利が上がると利回り比較で売られやすく、NAVの見方も保守的になります。

投資スタイルは中期の不動産テーマ向きです。購入ラインは、金利上昇懸念で株価が売られても、賃料や再開発の進捗が崩れていない場面。売却ラインは、再開発期待を大きく織り込み、利回り面の余地が縮んだ場面です。

京王電鉄(9008) 沿線不動産と運輸回復を合わせて見る銘柄

京王電鉄は、鉄道会社としての回復と、沿線不動産の価値を合わせて見る銘柄です。土地を多く持つ会社ですが、鉄道用地は売りにくいため、駅周辺開発と商業施設収益が焦点になります。

本業は運輸、流通、不動産、レジャー・サービスです。運輸収益は人流回復で改善しやすい一方、コスト増や人口動態の影響も受けます。不動産収益が安定すれば、PBR低位の見直し材料になります。

強気材料は、沿線開発、インバウンド、人流回復、商業施設の収益改善です。鉄道株の中では、地域密着型の不動産価値をどう伸ばすかが重要です。

弱気材料は、人口減少、運輸コスト、金利上昇です。鉄道用地の多くは簡単に売却できないため、含み資産をそのまま現金化できるわけではありません。

投資スタイルは長期・回復待ち向きです。購入ラインは、運輸利益の改善と不動産収益の安定が確認でき、PBR低位が続く場面。売却ラインは、再開発やインバウンド期待だけで株価が先行し、実際の利益改善が追いつかない場面です。

投資スタイル別の使い分け

含み資産株は、短期・中期・長期で見るべき材料が変わります。資産価値だけを見て同じように買うと、期待外れになりやすいテーマです。

短期で見るなら「開示」と「還元」の有無

短期投資では、含み資産そのものよりも、会社が資産をどう動かすかが材料になります。

短期向きの確認ポイントは次の通りです。

  • 自社株買い、増配、配当方針の変更
  • 政策保有株の売却方針
  • 不動産売却や再開発の具体化
  • 決算説明資料でのPBR・ROE改善策

この観点では、大日本印刷、三菱倉庫、TBSホールディングスが比較的見やすい候補です。ただし、発表後に急伸した銘柄を追う場合は、材料が一巡した後の反落に注意が必要です。

中期で見るなら「本業利益と資産効率の同時改善」

中期では、本業利益が崩れないことが最重要です。資産を売って一時的に利益を出しても、営業利益やROEが改善しなければ評価は続きません。

中期向きは、東宝、三菱倉庫、大日本印刷、平和不動産です。これらは、本業や不動産収益の説明が比較的しやすく、資産価値と利益力をつなげて見られます。

長期で見るなら「資産を持ち続ける意味」

長期投資では、資産を売るかどうかだけでなく、持ち続けることで収益を生むかが大事です。

長期向きは、TBSホールディングス、東宝、王子ホールディングス、京王電鉄です。都心不動産、IP、森林資源、沿線開発のように、時間をかけて価値が表れやすい資産を持っています。

共通リスクと前提が崩れる条件

含み資産株の共通リスクは、資産価値が株価に反映されるまで時間がかかることです。

特に次の条件が重なると、テーマ全体の評価は鈍ります。

  • 日銀の金融政策変更などで金利上昇が進み、不動産株や資産株の割引率が上がる
  • 企業が資産売却や還元に消極的で、PBR改善策が形式的にとどまる
  • 本業利益が悪化し、資産価値より損益悪化が重く見られる
  • 政策保有株の売却が進んでも、成長投資や還元に十分つながらない
  • 株価が先に上がり、配当利回りやPBR面の妙味が薄れる

逆に、再評価が続く条件もあります。自社株買い、増配、資産売却、再開発、ROE改善が同時に進む会社は、単なる低PBR株から「資本効率改善株」へ見方が変わります。

次に見るべきポイント

次回以降の決算で見るべき点は、資産の多さではなく、資産をどう使ったかです。

具体的には、次の5点を確認したいところです。

  • 決算短信で営業利益とROEが改善しているか
  • 決算説明資料でPBR、資本コスト、還元方針に踏み込んでいるか
  • 政策保有株や不動産の売却益を一過性で終わらせていないか
  • 増配・自社株買いが継続できるキャッシュフローを伴っているか
  • 株価上昇後も、PBR、PER、配当利回りに説明できる余地が残っているか

含み資産株は、貸借対照表の奥にある価値を読むテーマです。ただし、最終的に株価を動かすのは「資産がある」という事実ではなく、経営陣がその資産を利益、還元、成長投資のどれに変えるかです。次の決算では、土地や有価証券の金額よりも、ROE改善とキャッシュ配分の具体策を先に確認したいところです。

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