朝高から失速、半導体買いは続かず 7月23日の日本株と24日の焦点
7月23日の東京株式市場は、半導体株を中心に朝方大きく上昇したものの、後場に勢いを失いました。日経平均は一時前日比1,300円超高まで上げた後、終値では前日比マイナスに転じ、TOPIXはプラスを維持。東証グロース市場250指数も下落し、寄り付きの強さが市場全体には定着しない一日となりました。
次回立会日の7月24日は、国内物価指標と企業決算に加え、海外時間のECB理事会や米半導体関連企業の決算を受けた為替・金利・先物の反応が焦点です。
- 朝方はSOX指数の3日続伸を支えに半導体関連株が上昇
- 日経平均は高寄り後に失速し、TOPIXとの方向差が残った
- 原油高と国内外の長期金利上昇が上値を抑えた
- 24日は物価、円相場、半導体決算をまとめて確認したい
主要指数は朝高後に失速
寄り付き直後は明確なリスク選好でした。9時52分時点の日経平均は6万6,919円90銭と前日比804円30銭高、TOPIXは4,060.51と27.38ポイント高、東証グロース市場250指数は698.69と2.15ポイント高でした。
ところが、前場の高値圏を維持できず、後場には日経平均とグロース250がマイナス圏へ沈みました。TOPIXはプラスを保っており、値がさの半導体・ハイテク株に振られやすい日経平均と、より広い銘柄を含むTOPIXで方向が分かれています。
確認できた市場データ
- 日経平均:朝方に前日比800円超高、一時は上げ幅1,300円超、その後マイナス圏へ
- TOPIX:朝方は4,060台まで上昇し、大引けでもプラス圏
- 東証グロース市場250指数:朝方の上昇を維持できず下落
- 前日22日の終値:日経平均6万6,115円60銭、TOPIX4,039.69
なお、大引け時点の指数確報、東証プライムの売買代金、売買高、騰落銘柄数は、記事作成時点で参照先の更新を確認できていません。数値を補完する際は、JPXまたは当日の市場統計で確報を照合する必要があります。
半導体株が先導したが、買いは市場全体に広がらず
朝方の主役は半導体関連でした。前日の米国市場ではダウ平均、S&P500、ナスダック総合が下落した一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3日続伸。東京市場ではレーザーテック、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテスト、SCREENホールディングス、キオクシアホールディングス、ディスコ、東京エレクトロンなどに買いが入りました。
米国株全体が弱いなかでも半導体株が上昇したため、日本市場でも関連銘柄を選別する動きが先行しました。国内企業の4〜6月期決算発表が始まる時期で、AIやデータセンター向け需要への期待も買いを支えました。
ただし、後場の失速は、半導体株への買いだけでは高値圏の相場全体を押し上げ続けられなかったことを示します。寄り付きで材料を織り込んだ後は利益確定売りが増え、日経平均への寄与度が高い銘柄ほど指数を不安定にしました。
朝方の業種別指数では電気機器、機械、金属製品、銀行などが上昇する一方、不動産、小売、陸運、サービスなどは弱含みました。金利上昇が銀行株には利ざや改善期待として働く半面、不動産や内需株には資金調達コストへの警戒材料となる構図です。
原油高と金利上昇が上値を抑制
外部環境は株式に全面的な追い風ではありませんでした。
22日の米国市場では、NYダウが6.06ドル安の5万2,218.58ドルと小反落。原油価格と米長期金利の上昇が重荷となり、主要3指数はいずれも下落しました。アルファベットとテスラの決算後の時間外取引が弱かったことも、東京市場で積極的に上値を追いにくい理由になりました。
国内では、22日時点の日本国債10年物利回りが2.74%と高水準にあります。金利上昇は銀行や保険に追い風となる場合がある一方、株式の評価に使われる割引率を押し上げます。将来利益への期待が株価を支えるグロース株には、とりわけ逆風です。
為替も重要です。円安なら輸出企業の採算改善期待につながりますが、輸入物価を押し上げ、日銀の追加利上げ観測を強める可能性があります。24日はドル円の水準だけでなく、円相場と国内金利が同時に上昇していないかを確認したいところです。
大引け後と海外時間の材料
23日大引け後は、半導体製造装置大手ディスコの決算発表が予定されています。同社の内容は個別株だけでなく、AI向け半導体投資や装置需要を見極める材料になります。
海外時間にはECB理事会とラガルドECB総裁の記者会見が予定されています。欧州金利やユーロが大きく動けば、ドル円や世界の長期金利を通じて日本株にも影響します。
米国ではインテルなどの決算発表も予定されています。東京市場で半導体株が先導した直後だけに、次の点が重要です。
- AI・データセンター向け需要の強さ
- 設備投資計画と採算の見通し
- 半導体在庫やパソコン向け需要の回復度
- 時間外取引での株価反応
好決算でも株価が下がる場合は、市場の期待がすでに高かった可能性があります。決算の数字と時間外取引の反応は分けて見る必要があります。
7月24日の注目点と強弱シナリオ
24日の中心は、物価と半導体です。国内では全国消費者物価指数の公表が予定され、物価の伸びが市場予想から外れれば、円相場、国債利回り、銀行株、不動産株が同時に動く可能性があります。
強気シナリオ
- 米半導体株が決算後に上昇し、SOX指数の強さが続く
- ディスコの決算や見通しが半導体設備投資の堅調さを示す
- 国内金利が落ち着き、円相場も急変しない
- 日経平均先物が23日夜間の戻りを維持する
この場合、23日に失速した半導体・電気機器へ買い直しが入り、日経平均がTOPIXを上回る展開が考えられます。ただし、寄り付きだけ高い場合は23日の再現になりやすく、前場高値を後場まで維持できるかが重要です。
弱気シナリオ
- インテルなど米企業の決算後に半導体株が下落する
- CPI上振れで日銀の追加利上げ観測と国内金利が強まる
- 原油高が続き、企業コストと家計負担への警戒が増す
- 円高と株安が同時進行し、輸出株にも売りが広がる
この場合はグロース株や高PERのハイテク株が売られやすくなります。TOPIXまでマイナスへ転じるか、銀行・保険など金利上昇に比較的強い業種が下支えするかが地合いを測るポイントです。
次回立会日で見るべき4項目
23日は、朝方の強さよりも「高値を維持できなかったこと」のほうが重要でした。24日は寄り付きの騰落だけで判断せず、次の順番で確認すると地合いをつかみやすくなります。
- 日経平均先物が6万6,000円台を維持できるか
- 日経平均とTOPIXが同じ方向へ動くか
- 半導体株の上昇が後場まで続くか
- CPI発表後の円相場と10年国債利回りが安定しているか
半導体株が反発してもTOPIXと騰落銘柄数が伴わなければ、相場全体の強さとは言い切れません。24日の最大の確認点は、主力株への買いが市場の広がりを伴うかどうかです。
※本記事は市場情報の整理を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
