米株最高値と原油安が追い風 8月5日の日本株は半導体主導の反発力を見極める朝
8月5日の東京市場は、米国株高と原油安を受けて買い先行が見込まれる。特に、前夜の米国市場で半導体株が上昇した流れが、日経平均を押し上げやすい。
ただし、日経平均は前日に高値から押し戻されている。寄り付きの上昇幅よりも、その後にTOPIXや東証グロース市場250指数まで買いが広がるかが重要だ。
- 前日の日経平均:63,957円53銭、前営業日比202円63銭高
- 米国市場:S&P500、ダウ、ナスダックがそろって大幅上昇
- 主な追い風:米半導体株高、米長期金利低下、原油価格の急落
- 注意点:寄り付き後の利益確定売り、円相場の変動、上昇銘柄の広がり
※市場データは2026年8月5日午前8時ごろまでに確認できた情報を基にしている。
前日の日本市場は小幅高、高値では売りも
8月4日の日経平均は63,957円53銭で終了し、前営業日から202円63銭上昇した。
日中は64,240円50銭まで上昇した一方、安値は62,864円43銭だった。値幅は1,300円を超えており、終値の小幅高だけでは見えにくい不安定さが残った。
前日の値動きで押さえたい点は次の通りだ。
- 始値63,995円28銭に対し、終値は63,957円53銭
- 64,000円台では戻り売りが出た
- 安値からは1,000円超戻しており、下値での買いも確認された
つまり、売り一辺倒ではない。ただし、64,000円台を維持できるかは引き続き重要な分岐点になる。
TOPIX、東証グロース市場250指数、東証プライム市場の騰落数と売買代金は、日経平均だけでは分からない市場の広がりを見る材料だ。5日は寄り付き後にこれらを確認し、大型半導体株だけの上昇なのか、幅広い銘柄への資金流入なのかを切り分けたい。
米国株は最高値、半導体株高が東京市場を支える
前夜の米国市場では主要3指数がそろって上昇した。
- S&P500:7,736.52、前日比1.8%高
- ダウ工業株30種平均:54,085.88、同1.7%高
- ナスダック総合指数:26,584.99、同2.6%高
S&P500とダウは最高値を更新した。企業業績への評価に加え、エヌビディア、ブロードコム、マイクロン・テクノロジーなど半導体株の上昇が指数を押し上げた。
この流れは、値がさの半導体関連株が日経平均に与える影響の大きい東京市場にとって追い風になる。一方、指数への寄与が一部銘柄に偏れば、日経平均が上がっても市場全体の体感は弱くなり得る。
原油安と金利低下も支援材料
北海ブレント原油は5.3%安の1バレル79.36ドルとなった。米10年国債利回りも前日の4.70%から4.62%へ低下した。
原油安は輸送、空運、電力・ガスなど燃料費の影響を受ける業種にプラスとなりやすい。長期金利の低下は、高い将来成長を株価に織り込むハイテク株やグロース株の評価にも追い風だ。
ただし、中東情勢を背景に原油価格は7月に大きく振れている。再上昇すれば、インフレ懸念と金利上昇を通じて株式市場の重荷に戻る可能性がある。
寄り付き前は先物、為替、金利をセットで確認
日経平均先物は現物終値を上回る水準で推移しており、現時点では買い先行を示している。ただし、先物価格は寄り付き直前まで変わるため、8時45分以降の大阪取引所の日中取引を改めて確認したい。
為替は輸出株の持続力を左右する
ドル円は円安水準にあるものの、為替介入への警戒が残る。円安が続けば自動車や機械など輸出関連株の支えになりやすいが、急速な円高に振れれば米国株高の効果を打ち消しかねない。
見るべきなのは水準だけではない。寄り付き前後の変化の速さだ。
- 円安方向で安定:輸出株に追い風
- 緩やかな円高:米株高が支えとなり、影響は限定的になりやすい
- 急速な円高:先物と輸出株の上値を抑える可能性
国内長期金利が上昇する場合は銀行・保険株が相対的に選好される一方、高PERのグロース株には逆風となる。この違いがTOPIXとグロース250の強弱に表れやすい。
8月5日のイベントは日本時間夜に集中
東京市場の取引時間中は、前夜の米国株高と企業決算が中心材料になる。海外の主要経済指標は日本時間夜に発表されるため、後場では結果そのものより、発表を控えた持ち高調整に注意したい。
- 21時15分:米7月ADP雇用者数
- 23時00分:米7月ISM非製造業景気指数
- 8月7日21時30分:米7月雇用統計
ADP雇用者数の市場予想は前月比7万4,000人増、ISM非製造業景気指数は54.4。いずれも東京市場の大引け後に発表される。
5日の後場で上値追いが鈍る場合、米国景気への懸念というより、重要指標を前に利益を確定する動きかどうかを見極めたい。
強気と弱気、二つのシナリオ
強気シナリオ
米株高を受けて半導体関連株が上昇し、日経平均が64,000円台を維持する展開だ。
そのうえでTOPIXも上昇し、東証プライム市場の値上がり銘柄が過半を占めれば、買いが市場全体へ広がっていると判断しやすい。原油安を背景に運輸や内需へ物色が広がるかも確認したい。
弱気シナリオ
高く始まった後、前日の高値64,240円50銭付近で利益確定売りが増える展開だ。円高への急変や先物の失速が重なれば、寄り付きの上昇分を縮める可能性がある。
特に、日経平均だけが上昇し、TOPIXやグロース250が伸びない場合は注意が必要だ。一部の値がさ株による指数高であり、地合い全体の改善とは言い切れない。
ここがポイント: 5日は「高く始まるか」より、64,000円台を保ちながら買いがTOPIXやグロース株へ広がるかが焦点になる。
寄り付き・前場・後場で見るポイント
寄り付き
最初に確認したいのは、日経平均の64,000円台回復と半導体関連株の寄与度だ。
- 日経平均先物と現物の差
- ドル円の急変の有無
- 半導体株、自動車株、銀行株の初動
- 前日高値64,240円50銭への接近度
前場
寄り付きから30分ほど経過した後の市場の広がりを見る。
- TOPIXが日経平均に追随しているか
- 東証プライム市場の値上がり銘柄数が増えているか
- グロース250が米金利低下を好感できているか
- 原油安を受ける運輸・内需株へ資金が向かうか
後場
後場は上昇幅を維持できるかが焦点だ。夜の米ADP雇用者数とISM非製造業景気指数を控え、短期筋の利益確定が出る可能性がある。
日経平均が64,000円を挟んで推移する場合、終値で同水準を確保できるかを確認したい。64,240円付近を明確に上回るなら戻りの強さが意識される一方、寄り付き後に63,957円を割り込めば、米株高を織り込んだ後の売り圧力が強いことを示す。
本日の実践的な確認順は、64,000円台の定着、TOPIXへの波及、円相場、後場の利益確定売りの4点となる。
