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外国人材の受け入れ拡大で注目したい日本株10選 採用・住まい・送金・教育を比較

人材、住宅、送金、教育を通じて日本で働く外国人を支える都市のイメージ。

外国人材の受け入れ拡大で注目したい日本株10選 採用・住まい・送金・教育を比較

総合評価:★★★★☆(中長期で注目)

外国人材関連株を見るときの核心は、単なる「外国人増加」ではなく、採用後も住宅、教育、生活支援、送金が繰り返し利用される仕組みを持つ企業を選ぶことです。

本稿では、海外人材を成長戦略に据えるウィルグループやZenkenを中心に、住居、家賃保証、金融、教育まで10社を比較します。一方、テーマとの距離が遠い大企業や、利益への寄与がまだ小さい事業については評価を抑えました。

本記事は2026年8月1日時点の公表資料と、2026年7月31日終値を基に作成しています。投資判断は自己責任であり、記載内容は将来の運用成果を保証するものではありません。

この記事で分かること

  • 外国人材の増加が企業収益へつながる4つの経路
  • 人材、住宅、送金、教育に関わる上場10社の違い
  • 各社の強気材料と弱気材料
  • 短期・中期・長期別の監視レンジと撤退条件
目次

外国人材需要は「採用した後」にも広がる

最大の変化は、外国人材向けサービスが採用時の一回限りではなく、定着を支える継続取引へ広がっていることです。

厚生労働省によると、2025年10月末の外国人雇用事業所は37万1,215カ所で、前年比8.5%増えました。出入国在留管理庁が公表した2025年末の在留外国人数も412万5,395人と過去最高です。

特に注目したいのが特定技能です。2025年末の在留者は39万296人となり、1年間で10万5,830人増えました。受け入れ企業には、採用だけでなく日本語学習、住居の確保、行政手続き、生活相談などが求められます。

収益化の経路は大きく4つあります。

  • 人材:紹介料、派遣料金、登録支援、定着支援
  • 住宅:賃貸住宅の稼働率、法人契約、家賃保証
  • 送金・金融:ATM利用、海外送金、口座・決済サービス
  • 教育:日本語教育、資格対策、企業向け研修

ただし、外国人関連サービスを提供しているだけでは投資理由になりません。連結売上に占める比率、利益率、利用者の継続性を確認する必要があります。

10銘柄の比較一覧

テーマへの直接度と業績の裏付けを両立しているのは、ウィルグループ、Zenken、ヒューマンホールディングスです。

価格は2026年7月31日終値。購入・売却ラインは売買指示ではなく、決算や株価位置を確認するための監視レンジです。

銘柄主な接点評価向く期間購入監視ライン利益確定・見直しライン
ウィルグループ(6089)外国人雇用支援・人材★★★★☆中長期予想PER10倍前後、配当利回り4%台PER14倍超、または外国人HRの成長鈍化
Zenken(7371)海外IT・介護人材、日本語教育★★★★☆中長期700~730円775~850円、または8月決算後の下方修正
ヒューマンHD(2415)日本語学校・人材・教育★★★★☆中長期1,500~1,580円1,800~1,980円
パーソルHD(2181)特定技能・高度外国人材★★★☆☆中長期予想PER13倍以下PER17倍超、または国内派遣の減速
レオパレス21(8848)外国人・法人向け賃貸住宅★★★☆☆短中期620~660円720~745円
Casa(7196)外国人向け家賃保証★★☆☆☆中期707~730円790~800円、または赤字継続
セブン銀行(8410)多言語ATM・海外送金★★★☆☆中長期300~310円330~335円
SBI HD(8473)SBIレミット・金融★★★☆☆短中期2,800~2,950円3,300円前後、または決算上昇分の全戻し
学研HD(9470)日本語・実務教育★★★☆☆長期950~1,000円1,100~1,120円
大東建託(1878)賃貸住宅・外国語入居支援★★★☆☆長期予想配当利回り3%台後半利回り3%割れ、または入居率低下

星評価は、テーマへの直接度、直近業績、財務、割高・割安度、株価需給を総合したものです。大企業ほど外国人関連事業の連結業績への寄与が薄くなるため、財務が強くても星を抑えています。

人材・教育の4社は「定着支援」まで確認する

人材関連では、紹介人数よりも採用後の教育と定着支援を収益化できる企業が優位です。

1.ウィルグループ(6089)— 外国人HRを中計の柱に据える

評価:★★★★☆/中長期向き

2026年3月期は売上収益1,468億5,600万円、営業利益32億7,900万円。営業利益は前期の23億3,800万円から大きく改善しました。会社は2029年に向けた中期計画で、国内Working事業の「正社員・外国人HRビジネスの拡大」を戦略テーマに掲げています。

  • 強気材料:外国人雇用支援が中期計画上の明確な成長分野
  • 弱気材料:人材派遣全体は景気や賃金上昇の影響を受ける
  • 購入監視:予想PER10倍前後、配当利回り4%台を確保できる水準
  • 見直し条件:外国人HRの売上・契約人数が伸びても利益率が改善しない場合

テーマ性だけでなく、本業の収益回復を伴っている点が強みです。次の確認項目は、外国人雇用支援が国内Working事業の利益成長へどこまで寄与するかです。

2.Zenken(7371)— 海外人材の業績寄与が見えやすい

評価:★★★★☆/中長期向き

海外IT人材の紹介、介護分野の特定技能人材、日本語・日本文化教育を組み合わせています。2026年6月期第3四半期累計は売上高42億9,800万円、営業利益4億9,800万円。営業利益は前年同期比54.9%増となり、海外人材部門の伸びが利益に表れました。

7月31日終値は747円、予想PER25.96倍、PBR0.72倍、ROE2.78%、予想配当利回り3.48%。PERは低くありませんが、自己資本比率85.4%という財務余力があります。

  • 強気材料:人材紹介と教育を一社で提供できる
  • 弱気材料:ROEが低く、信用買い残も多い
  • 購入監視:700~730円。PBR0.7倍前後が下値の目安
  • 利益確定:年初来高値775円から850円。8月14日の決算確認を優先

決算で見るべき数字は、海外人材部門の紹介人数だけではありません。1人当たり売上、成約までの日数、教育コストを含む利益率が重要です。

3.ヒューマンホールディングス(2415)— 日本語学校と人材を横断

評価:★★★★☆/中長期向き

2026年3月期は売上高1,025億3,900万円、営業利益36億1,400万円。売上高は2.2%増、営業利益は6.1%増でした。ROEは11.8%、自己資本比率は37.5%です。

7月31日終値1,630円に対し、予想PER6.90倍、PBR0.87倍、予想配当利回り4.36%。10社の中では利益、資産、配当の3方向から割安感を確認しやすい銘柄です。

  • 強気材料:日本語教育と人材サービスを併せ持ち、留学生から就職まで接点を作れる
  • 弱気材料:2027年3月期の営業利益予想は前期比7.3%減
  • 購入監視:1,500~1,580円。年初来安値1,496円が意識される
  • 利益確定:1,800円台から年初来高値1,982円

8月7日の決算では、教育部門の在籍者数と人材部門の利益率を分けて確認したいところです。

4.パーソルホールディングス(2181)— 規模は大きいがテーマ純度は低め

評価:★★★☆☆/中長期向き

PERSOL Global Workforceは、特定技能人材の募集、海外での日本語教育、国内企業への紹介、定着支援を一気通貫で提供しています。外国人材サービスの設計はテーマに合います。

ただし、パーソル全体では国内派遣、転職支援、BPO、アジア・パシフィック事業の規模が大きく、外国人材だけで連結業績が動く会社ではありません。

  • 強気材料:募集国と顧客基盤が広く、制度変更へ対応しやすい
  • 弱気材料:外国人材事業の個別寄与が見えにくい
  • 購入監視:予想PER13倍以下を一つの目安に、決算後の押し目を待つ
  • 見直し条件:国内派遣の稼働率低下や人件費増で全社利益が減る場合

安定性を優先する長期投資家には候補ですが、テーマへの直接投資としてはZenkenやウィルグループが先です。

住宅関連は稼働率と保証収益が分かれ目

外国人入居者が増えても、空室減少や保証料収入として数字に表れなければ株価材料は長続きしません。

5.レオパレス21(8848)— 法人・短中期入居との相性

評価:★★★☆☆/短中期向き

家具・家電付き住戸や法人契約は、来日直後の住居をまとめて確保したい企業と相性があります。多言語対応も、外国人入居者の契約障壁を下げます。

7月31日終値は677円、予想PER9.69倍、PBR5.29倍、ROE24.49%。収益性は高い一方、自己資本比率は23.0%で、PBRも高水準です。

  • 強気材料:稼働率上昇が利益へ反映されやすい
  • 弱気材料:財務余力と過去の施工問題への継続対応
  • 購入監視:620~660円
  • 利益確定:720~745円。年初来高値突破時は出来高を確認

外国人需要だけでなく、全体の入居率、賃料単価、修繕費を同時に見る必要があります。

6.Casa(7196)— 家賃保証需要は伸びても利益回復が条件

評価:★★☆☆☆/中期向き

外国人が日本で賃貸住宅を契約するとき、国内の連帯保証人を用意しにくいケースがあります。Casaの家賃債務保証は、この契約上の障壁を減らすサービスです。

7月31日終値は740円、予想PER35.94倍、PBR1.06倍、ROE1.74%。2027年1月期第1四半期は売上高32億9,500万円と4.5%増えましたが、販管費増で営業損失1億4,800万円でした。

  • 強気材料:保証需要の裾野が広がりやすい
  • 弱気材料:足元の赤字と低いROE
  • 購入監視:707~730円。安値圏でも利益回復の確認が先
  • 利益確定:年初来高値795円付近

売上増だけでは不十分です。保証料収入の伸び、代位弁済率、回収率が同時に改善するかを確認します。

7.大東建託(1878)— 外国人需要は高稼働を支える補助線

評価:★★★☆☆/長期向き

大東建託は賃貸住宅の供給・管理に加え、外国語での入居サポートを展開しています。外国人居住者の増加は管理戸数と入居率を支える材料になります。

一方、連結業績を動かす中心は建設受注、賃貸管理、金利、資材費です。外国人需要だけを理由に高値を追う銘柄ではありません。

  • 強気材料:大規模な管理基盤と安定した賃貸管理収益
  • 弱気材料:建築費、人件費、金利上昇
  • 購入監視:予想配当利回り3%台後半を確保できる水準
  • 見直し条件:入居率低下と建設受注の減少が重なる場合

長期では、外国人比率より管理戸数、家賃収入、入居率を優先して判断します。

送金・金融は利用者増より手数料収益を見る

金融2社は利用者基盤が大きい反面、外国人関連事業だけで投資判断を完結できません。

8.セブン銀行(8410)— 多言語ATMのネットワーク効果

評価:★★★☆☆/中長期向き

全国のATM網、多言語表示、海外発行カードへの対応は、来日直後の外国人にも使いやすい金融インフラです。送金・決済サービスとの接点も持ちます。

7月31日終値は318.6円。予想PER21.90倍、PBR1.33倍、ROE4.83%、予想配当利回り3.45%でした。7月24日から29日に株価が7.4%上昇し、29日には年初来高値335円を付けたため、短期的には材料を織り込んだ面があります。

  • 強気材料:ATM利用の反復性と多言語対応
  • 弱気材料:現金利用の減少、国内ATMの成長鈍化
  • 購入監視:300~310円
  • 利益確定:330~335円。高値更新には決算の裏付けが必要

8月7日の決算ではATM設置台数より、1台当たり利用件数と手数料単価を見ます。

9.SBIホールディングス(8473)— SBIレミットは有力だが全社材料が支配

評価:★★★☆☆/短中期向き

グループのSBIレミットは、外国人居住者による母国向け送金需要を取り込める事業です。ただし、SBIホールディングスの株価は証券、銀行、保険、暗号資産、投資事業の影響を強く受けます。

7月31日終値は3,038円で前日比7.5%上昇。2027年3月期第1四半期の純利益が前年同期比75.0%増となったことや配当修正が買い材料になりました。PBRは1.09倍、ROEは27.98%です。

  • 強気材料:金融サービス全体の増益と送金基盤
  • 弱気材料:投資損益、市況、暗号資産で利益が変動する
  • 購入監視:2,800~2,950円。急騰直後の追随は避けたい
  • 利益確定:3,300円前後。2,826円を割り込むなら決算上昇分の剥落を警戒

送金件数の増加は好材料ですが、全社利益への寄与が開示されない限り、補助材料として扱うのが妥当です。

教育は制度移行後の需要継続が焦点

日本語教育は長期需要が見込めますが、講師確保と採算管理が欠かせません。

10.学研ホールディングス(9470)— 実務教育まで広げる

評価:★★★☆☆/長期向き

グループのTOASUは「学研にほんごキャリアスクール」を運営し、2026年から外国人実務能力検定に関する教材・研修を拡充しました。2027年4月に予定される育成就労制度の施行を前に、日本語だけでなく職場で必要な実務能力へ対象を広げています。

7月31日終値は1,017円、予想PER10.54倍、PBR0.79倍、ROE6.95%、予想配当利回り2.85%です。

  • 強気材料:教材、研修、介護・教育施設を横断できる
  • 弱気材料:外国人教育は全社の一部で、講師コストも上がりやすい
  • 購入監視:950~1,000円
  • 利益確定:1,100~1,120円

8月7日の決算では、教育・医療福祉を含む各部門の利益率を確認します。外国人向けサービスの案件数だけでなく、継続契約へ移行できているかが焦点です。

投資スタイル別の使い分け

短期は決算と出来高、中期は利益率、長期は継続収益の比率で選びます。

短期向き

  • SBIホールディングス:好決算後の値固めを確認
  • レオパレス21:稼働率と8月7日の決算が焦点
  • セブン銀行:年初来高値335円を出来高付きで超えられるか

短期では決算前の飛び付きより、発表後に前日終値や窓を維持できるかを見る方がリスクを管理しやすくなります。

中期向き

  • ウィルグループ:外国人HRの利益寄与を四半期ごとに確認
  • Zenken:海外人材部門の増収増益継続が条件
  • Casa:第1四半期赤字からの回復待ち

売上だけ伸び、採用費や支援コストで利益が残らない企業は除外します。

長期向き

  • ヒューマンホールディングス:割安度、配当、日本語教育の組み合わせ
  • 学研ホールディングス:教材・研修の継続収益化
  • パーソルホールディングス:規模と募集網を重視
  • 大東建託:外国人需要を賃貸管理の補助材料として評価

長期投資では、制度変更のたびに単発案件を受注する企業より、毎月の派遣料金、家賃、保証料、教育費、送金手数料が積み上がる企業が有利です。

共通リスクと前提が崩れる条件

最大のリスクは受け入れ人数の減少ではなく、支援コストと競争が収益の伸びを上回ることです。

外国人材関連サービスには次の共通リスクがあります。

  • 在留資格や育成就労制度の運用変更
  • 円高・円安や母国賃金の上昇による日本就労の魅力低下
  • 紹介会社や登録支援機関の増加による価格競争
  • 日本語講師、生活支援担当者、住宅管理担当者の人件費上昇
  • 不適切な仲介、労務管理、住宅対応による信用失墜
  • 景気後退で製造、宿泊、外食、建設の求人が減る可能性

テーマの前提が崩れたと判断する目安は、在留者数そのものではありません。

  • 外国人雇用事業所数の伸びが止まる
  • 特定技能人材の増加に対し、紹介単価や支援単価が低下する
  • 人材会社の粗利率が連続して悪化する
  • 賃貸住宅の入居率や保証会社の代位弁済率が悪化する
  • 海外送金件数が増えても手数料収益が伸びない

次の決算で見るべき具体的な数字

次回の焦点は「利用者が増えたか」ではなく「1人当たりの利益が残ったか」です。

直近では、8月7日にヒューマンホールディングス、学研ホールディングス、レオパレス21、セブン銀行、8月14日にZenkenの決算発表が予定されています。

確認項目を絞るなら、次の5点です。

  • ウィルグループ:外国人HRの契約人数と国内Working事業の利益率
  • Zenken:海外人材部門の売上、成約数、営業利益
  • ヒューマンHD・学研HD:日本語教育の在籍者数と採算
  • レオパレス21・Casa:入居率、保証契約、貸倒・代位弁済コスト
  • セブン銀行・SBI HD:送金・ATMの件数ではなく手数料収益

外国人材の増加は長期的な需要の入口です。しかし、株価を持続的に押し上げるのは人数ではなく、採用後の生活を支えるサービスから企業が適正な利益を得られるかどうかです。まずは8月の決算で、売上増と利益率改善が同時に確認できる銘柄を残すのが実践的です。

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