TOPIX主導で反発、半導体株の重さは残る 7月27日の日本株と28日の焦点
7月27日の東京株式市場は反発した。日経平均株価は前週末比320円04銭高の6万4,931円19銭、TOPIXは54.76ポイント高の4,066.07で終了した。
ただし、日経平均の上昇率が0.50%だったのに対し、TOPIXは1.37%高。指数寄与度の大きいAI・半導体株には売りが残る一方、幅広い業種へ買いが向かった一日だった。
- 日経平均:6万4,931円19銭、前週末比0.50%高
- TOPIX:4,066.07、同1.37%高
- 主な支え:空運、サービス、輸送用機器などへの幅広い買い
- 7月28日の焦点:半導体株の下げ止まり、企業決算、FOMCを前にした為替と金利
主要指数は反発、TOPIXの強さが目立つ
7月24日に日経平均が1,811円45銭安と急落した反動から、27日は買い戻しが入った。もっとも、一本調子の上昇ではない。
日経平均は6万5,164円98銭で始まり、一時は前週末比でマイナスへ沈んだ。前場終値は6万4,764円で、後場に持ち直して6万4,931円19銭で引けた。
7月27日の主要指標
- 日経平均株価:6万4,931円19銭(前週末比320円04銭高、0.50%高)
- TOPIX:4,066.07(同54.76ポイント高、1.37%高)
- 東証グロース市場250指数:大引け後の速報資料で終値を確認できなかったため、本稿では数値の記載を見送った
- 東証プライムの売買代金・騰落数:同様に確定値を確認できなかった。前引け時点では売買代金4兆7,038億円、値上がり1,318銘柄、値下がり225銘柄だった
前場の段階で値上がり銘柄が値下がり銘柄を大幅に上回っていたこと、日経平均よりTOPIXの上昇率が大きかったことから、地合いは指数の見た目以上に底堅かった。
一方、売買代金やグロース市場250指数の確定値は、公開後に日本取引所グループの統計情報で再確認したい。
半導体株の弱さを内需・消費関連が補う
27日の特徴は、前週末に急落した半導体株がそろって戻ったわけではない点にある。午前10時時点では、アドバンテスト、キオクシアホールディングス、ソフトバンクグループ、信越化学工業、フジクラが日経平均を押し下げていた。
その一方で、東証33業種のうち27業種が午前10時時点で上昇。空運、その他製品、サービス、輸送用機器などが上位に並んだ。
日経平均とTOPIXの差が示すもの
日経平均は値がさ株の影響を強く受ける。AI・半導体関連の一部が下落すると、ほかの多くの銘柄が上昇しても指数の上値は抑えられやすい。
TOPIXが1%を超えて上昇したのは、銀行、輸送用機器、サービスなど、時価総額の大きい銘柄を含む広い範囲に買いが入ったためだ。したがって27日の相場は、単純な「小幅高」ではなく、半導体株からほかの業種へ資金が移る局面として見る必要がある。
ただし、この動きが継続的な物色転換か、急落後の一時的なリバランスかはまだ判断できない。28日はTOPIXの強さが続くかに加え、半導体株が安値を切り上げられるかが重要になる。
円安は輸出株を支えるが、金融政策イベントが迫る
27日15時ごろのドル円相場は1ドル=163円60銭前後だった。円安は自動車や機械など外需企業の業績期待を支える半面、輸入価格の上昇を通じて小売り、食品、空運などのコスト要因にもなる。
外部環境では、次の材料を分けて確認したい。
- 米国株:7月24日はダウ工業株30種平均が235ドル60セント高。一方、ナスダック総合指数は161.87ポイント安となり、ハイテク株への警戒が残った
- 為替:ドル円は163円台。輸出株には追い風だが、急速な円安には介入警戒が伴う
- 米金融政策:FOMCは7月28~29日に開催予定。声明と会見を前に、米長期金利やドルの動きが不安定になりやすい
- 日銀:金融政策決定会合は7月30~31日の予定。国内金利と銀行株、不動産株の値動きに影響しやすい
米ハイテク企業の決算も控える。AI投資の規模だけでなく、投資に見合う売上高や利益が示されるかが、日本の半導体製造装置、電線、データセンター関連の評価を左右する。
大引け後の決算は28日の個別物色へ
27日の大引け後にはキヤノンが2026年12月期第2四半期決算を発表した。1~6月期の連結税引き前利益は前年同期比13.4%増の2,520億円となり、通期の税引き前利益予想も2%上方修正した。
この決算が市場全体を単独で動かす可能性は限られるものの、28日の輸出株を見るうえでは意味がある。
確認点は次の3つだ。
- 円安が売上高と利益にどこまで寄与したか
- カメラ、印刷、医療機器など各事業の採算が改善しているか
- 上方修正が同業の業績期待へ波及するか
今週はアドバンテスト、日立製作所、コマツ、NEC、野村ホールディングスなどの決算も予定されている。個別企業の数字が、半導体、設備投資、IT投資、金融といった各セクターの方向を決める展開になりやすい。
7月28日は「6万5,000円」と物色の広がりを確認
次回立会日の中心的な確認点は、日経平均が6万5,000円を明確に回復できるかだ。27日は取引時間中に同水準を上回ったものの、終値では届かなかった。
強気シナリオ
- TOPIX優位の上昇が続き、値上がり銘柄の広がりが維持される
- 半導体株が下げ止まり、日経平均の押し下げが弱まる
- 円安が自動車や機械など輸出株を支える
- 好決算や業績上方修正が個別株からセクター全体へ波及する
この場合、日経平均は6万5,000円を回復し、7月24日の急落分をさらに埋める展開が視野に入る。
弱気シナリオ
- 米ハイテク株や米株先物が下落し、AI・半導体株への売りが再開する
- FOMCを前に米長期金利が上昇し、高PER銘柄の評価を圧迫する
- ドル円が急変し、輸出株への買いが後退する
- 27日に上昇した内需・バリュー株へ利益確定売りが出る
この場合は、日経平均の6万4,000円台前半と、TOPIXの4,000ポイント台を維持できるかが下値確認の目安になる。
28日は日経平均の騰落だけでなく、TOPIXとの強弱差、半導体株の安値、値上がり銘柄数をセットで見たい。6万5,000円を回復しても半導体株だけが指数を押し上げるなら地合いの改善は限定的だ。反対に、指数が伸び悩んでも幅広い業種に買いが続けば、相場の土台は崩れていない。
※本稿は市場全体の情報整理を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
