7月21日の日本株は急落後の値固めへ 半導体売りと原油高をまず確認
7月21日の日本株市場で最初に見るべきなのは、AI・半導体株の売りが止まるかです。
前営業日の17日、日経平均株価は2,694円安と急落しました。その後の米国市場でも半導体株を中心に売りが続き、原油価格も上昇しています。自律反発の余地はあるものの、寄り付き直後から積極的に買い上がるには不安定な外部環境です。
なお、7月20日は海の日で東京市場が休場となるため、次の立会日は21日です。以下は7月20日午前8時時点で確認できる情報を基に整理しています。
- 日経平均は17日に4.03%安。値がさ半導体株が指数を大きく押し下げた
- 米国ではS&P500が1.0%安、ナスダック総合が1.4%安
- 原油高は資源株を支える一方、輸送・化学・消費関連にはコスト増要因
- 21日は、寄り付きの反発幅よりも前場で売りが一巡するかを確認したい
前営業日の日本市場は半導体主導で急落
17日の東京市場では、日経平均が前日比2,694.42円安の64,141.12円で終了しました。下落率は4.03%です。
TOPIXは109.58ポイント安の3,919.21、東証グロース市場250指数は24.30ポイント安の695.17でした。大型株だけでなく新興株にも売りが及び、東証プライム市場では値下がり1,077銘柄に対し、値上がりは448銘柄にとどまりました。
日経平均の下げが特に大きかった理由
下落の中心はAI・半導体関連です。東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなど、日経平均への寄与度が大きい銘柄がそろって下落しました。
このため、日経平均の4.03%安に対してTOPIXは2.72%安でした。市場全体が弱かったことは確かですが、値がさ株への売りが日経平均の下落を増幅した点は切り分けて見る必要があります。
業種別では33業種中12業種が上昇し、海運、医薬品、水産・農林、食料品が相対的に堅調でした。一方、非鉄金属、金属製品、電気機器が下落上位となっています。
急落後に資金が戻るとしても、まず半導体株ではなく、業績の安定した内需株や出遅れた景気敏感株へ向かう可能性があります。
米国株安と原油高が休場明けの重荷
17日の米国市場では、S&P500が76.08ポイント安の7,475.69、ダウ工業株30種平均が406.55ドル安の52,146.42、ナスダック総合指数が361.70ポイント安の25,520.24で終えました。
下落率はそれぞれ1.0%、0.8%、1.4%です。AI関連株の割高感が意識され、半導体株への売りが指数を押し下げました。米10年国債利回りは前日の4.57%から4.55%へ低下しましたが、金利低下による株価の下支えは限定的でした。
原油は日本株に強弱両方の影響
中東情勢への警戒から、17日のブレント原油は4.6%上昇しました。
原油高の影響は一方向ではありません。
- 石油・資源関連には収益期待を通じた追い風
- 海運の一部には運賃上昇期待が意識される可能性
- 空運、陸運、化学には燃料・原材料コストの上昇圧力
- 小売や外食には家計の実質購買力を弱めるリスク
- インフレ懸念が強まれば、世界的な金利低下を妨げる要因
原油価格がさらに上がる場合、資源株だけが上昇しても、市場全体には必ずしも強気材料になりません。
先物・為替・金利で確認したい水準
21日の寄り付き方向を判断するには、連休中に動く海外市場と先物を直前まで確認する必要があります。
17日の東京市場ではドル円が1ドル=162円台で推移しました。円安は自動車など輸出企業の円換算利益を支えますが、今回は円安以上に半導体株の需給悪化と原油高が意識されています。
寄り付き前に確認したい項目は次の通りです。
- 日経平均先物:現物終値64,141円に対して、どの程度の上振れ・下振れで戻ってくるか
- ドル円:162円台を維持するか、急な円高に転じるか
- 米10年国債利回り:4.5%台から再上昇するか
- ブレント原油:17日の急伸後も上昇が続くか
- 米半導体株:連休中に売りが一巡する兆しが出るか
為替と先物は21日朝まで変動します。固定的な予想値より、午前8時台の方向と変化幅を優先して確認したいところです。
21日の注目イベント
21日は国内の大型経済指標が少なく、海外市場、原油、為替の変化が相場を動かしやすい日です。
日本銀行は午前11時に「金融研究」第45巻第3号を公表する予定です。金融政策の決定日ではないため直接的な影響は限られそうですが、月末には日銀金融政策決定会合が控えています。円相場や国内長期金利が大きく動けば、銀行株や不動産株にも波及します。
海外では欧州のZEW景況感指数が予定されています。日本市場の取引時間後に発表されるため、21日の日中相場よりも欧州株や翌日の地合いへの影響を確認する材料です。
今週後半には、次の重要日程があります。
- 7月23日:欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表
- 7月24日:日本の6月全国消費者物価指数
- 7月24日:米国の製造業・非製造業PMI
- 7月30~31日:日銀金融政策決定会合
21日は単独の材料だけで方向が決まる日というより、これらのイベントを前にポジションを組み直す初日と位置付けられます。
強気・弱気の両シナリオ
17日の急落で短期的な過熱感は後退しました。ただし、値下がりしたこと自体は反発の十分条件ではありません。
強気シナリオ
次の条件が重なれば、自律反発が広がりやすくなります。
- 日経平均先物が現物終値を上回って推移
- 米半導体株やアジアの関連株が下げ止まる
- 原油価格の上昇が一服
- 寄り付き後の押しで64,000円近辺を維持
- 半導体株だけでなくTOPIX採用銘柄にも買いが広がる
この場合、急落した値がさ株の買い戻しによって、日経平均の反発率がTOPIXを上回る展開も考えられます。
弱気シナリオ
一方、次の動きが出れば戻り売りへの警戒が必要です。
- 米ハイテク株と半導体株の下落が継続
- 原油高が一段と進む
- 64,000円を割り込み、前場で安値を切り下げる
- 円高と株安が同時に進む
- 値下がり銘柄数が再び市場全体の3分の2を超える
ここがポイント: 21日は「反発したか」だけでなく、反発後に売り直されず、TOPIXやグロース250にも買いが広がるかが重要です。
寄り付き・前場・後場で見るポイント
時間帯ごとに確認する材料を分けると、急変の多い相場でも地合いを把握しやすくなります。
寄り付き
最初に見るのは、17日に大きく売られた半導体株の気配と日経平均先物です。
大幅高で始まった場合は買い戻しの強さを示しますが、寄り付きが高すぎると短期筋の利益確定売りも出やすくなります。反対に小幅安で始まっても、64,000円近辺を維持しながら下げ渋れば、売り一巡の兆候になります。
前場
午前10時以降は、指数の値動きより騰落の広がりを確認します。
- 半導体以外にも買いが波及しているか
- TOPIXが日経平均に追随しているか
- グロース250が17日の安値圏から離れられるか
- 海運、医薬品、食料品など17日に堅調だった業種が引き続き支えになるか
日経平均だけが値がさ株の買い戻しで上昇し、値下がり銘柄の方が多い場合は、地合いの改善を過大評価できません。
後場
後場は戻り売りを吸収できるかが焦点です。
連休明けで海外材料をまとめて織り込むため、前場の値幅が大きくなる可能性があります。後場に前場高値を更新できるか、少なくとも安値を切り下げずに終えられるかが翌日以降の手掛かりになります。
21日に見るべき3つの数字
最後に、休場明けの相場を判断するための基準を絞ります。
- 64,000円近辺:日経平均が終値ベースで維持できるか
- 東証プライムの騰落数:反発が市場全体に広がっているか
- 米10年債利回りと原油価格:ハイテク株への逆風が弱まるか
21日の焦点は、急落に対する一時的な買い戻しではありません。前場の売りを吸収し、後場まで64,000円台と市場の広がりを保てるかが、値固めの成否を分けます。
