半導体急落後の自律反発はあるか 7月29日の日本株は先物・円相場とFOMC待ち
7月29日の日本株市場で最初に見るべきは、前日に急落したAI・半導体株へ買い戻しが入るかです。米国市場ではダウ平均が上昇した一方、ナスダック総合指数は下落。日本株には自律反発の余地があるものの、ハイテク株への逆風は残っています。
寄り付き直後に指数が上昇しても、半導体株が戻らなければ日経平均の上値は重くなりやすい局面です。反対に、先物が落ち着き、円相場が急伸せず、半導体株に押し目買いが広がれば、前日の下げを一部取り戻す展開が想定されます。
- 前営業日の日経平均は2,566円安。半導体株の急落が指数を押し下げた
- 米国ではダウ平均が約1%上昇した一方、ナスダックは約0.2%下落
- 7月29日はFOMCの結果発表を控え、金利と為替が動きやすい
- 寄り付き後は日経平均だけでなく、TOPIXと値上がり銘柄数で反発の広がりを確認したい
※市場データと予定は、2026年7月29日午前8時(日本時間)までに確認できた情報を基にしています。
7月28日の日本市場は半導体株主導で大幅反落
前営業日の東京市場では、日経平均株価が前日比2,566円27銭安の6万2,364円92銭で終了しました。下落率は3.95%です。取引時間中には6万2,000円を割り込み、値幅の大きい一日となりました。
主要指数はそろって下落しています。
- 日経平均株価:6万2,364円92銭、前日比3.95%安
- TOPIX:3,963.59、同2.52%安
- 東証グロース市場250指数:676.57、同2.64%安
- 東証プライム市場の売買代金:約9兆1,959億円
- プライム市場の騰落:値上がり480、値下がり1,047、変わらず31
東京市場の大引け概況によると、AI・半導体関連株の下げが日経平均を押し下げました。ただし、値下がりは指数寄与度の大きい銘柄だけに限らず、プライム市場の約3分の2へ広がっています。
売買代金が9兆円を超えた点も重要です。薄商いの中で指数だけが崩れたのではなく、ポジション調整を伴う強い売りが出たことを示します。7月29日の反発力を測るには、前日の主な下落銘柄だけでなく、市場全体で値上がり銘柄が増えるかを見る必要があります。
前夜の米国市場は「ダウ高・ナスダック安」
米国市場は、日本株に一方向の手掛かりを与えていません。
7月28日のダウ工業株30種平均は約1%上昇し、S&P500種株価指数も0.2%上昇しました。一方、ナスダック総合指数は0.2%下落。原油価格の低下が幅広い業種を支えましたが、半導体などAI関連株への売りが続きました。
米国市場の概況が示すのは、相場全体のリスク回避というより、ハイテク株から出遅れ業種へ資金が移る動きです。
この流れが東京市場にも及ぶ場合、次のような差が出やすくなります。
- 半導体・電機:米ハイテク株安が重荷
- 銀行・保険:金利動向次第で相対的に選好される可能性
- 小売り・サービスなど内需:円高が進まなければ資金の受け皿になり得る
- 資源・商社:原油安が収益期待の重荷になる一方、コスト低下は輸送や一部内需にプラス
日経平均は値がさの半導体株の影響を受けやすいため、TOPIXより戻りが鈍くなる可能性があります。指数間の強弱は、資金が市場全体へ戻っているのか、内需や金融など一部へ移っているだけなのかを見分ける材料になります。
寄り付き前の外部環境
7月29日朝は、日経平均先物、ドル円、日米の長期金利を一組で確認したいところです。いずれもFOMCを前に変動しやすく、午前8時時点の水準だけで一日の方向を決めつけるのは早計です。
日経平均先物
前日の現物株が急落した後だけに、先物が6万2,364円92銭の現物終値に対してどの位置で推移するかが寄り付きの基準になります。
- 現物終値を明確に上回る:自律反発を織り込む動き
- 終値近辺:方向感より、寄り付き後の半導体株の動きが重要
- 終値を下回る:前日の売りが継続する可能性に注意
ただし、先物だけが上昇し、現物市場で値下がり銘柄が多い場合は、持続力のある反発とは判断しにくくなります。
為替
ドル円は直近まで1ドル=163円台を中心に推移してきました。円安は輸出企業の採算期待を支えますが、原材料費や輸入物価を押し上げる側面もあります。
29日はFOMCを控えているため、朝の水準そのものよりも、東京時間に円がどちらへ動くかが重要です。
- 円安方向:自動車や機械など輸出株の支援材料
- 急な円高方向:輸出株と日経平均の重荷
- 小動き:国内決算や前日の下落銘柄への買い戻しが主役になりやすい
長期金利と原油
米原油価格は中東情勢の緊張緩和を受けて低下しました。原油安はエネルギー株には逆風ですが、燃料費負担の大きい運輸や一部製造業には追い風になります。
長期金利はFOMCの政策判断と声明文を控えて神経質になりやすい状況です。米金利が上昇すればグロース株の評価を圧迫しやすく、低下すればハイテク株の下支えになります。ただし、金利低下が景気不安を映す場合は、株式市場全体への好材料とは限りません。
7月29日の注目イベント
最大の焦点は、米連邦公開市場委員会(FOMC)です。会合は7月28~29日に開かれ、政策金利の発表は日本時間30日午前3時の予定です。したがって、29日の東京市場では結果を確認できません。
FOMCの日程を前に、後場へ進むほど積極的な売買が控えられる可能性があります。
国内外の主な予定は次の通りです。
- 8時50分:日銀が6月の貸出約定平均金利を公表
- 10時30分:財務省が2年物国債入札を実施
- 29日夜:米国の貿易・卸売在庫関連指標など
- 30日午前3時:FOMC政策金利発表
- 7月30~31日:日銀金融政策決定会合
日銀の公表予定とFOMCが近接しているため、日米金利差を意識した為替取引が増えやすい日程です。東京市場の取引時間中は、2年債入札後の国内金利と円相場の反応に注意が必要です。
ここがポイント: 29日の東京市場はFOMC結果を織り込む日ではなく、結果発表前にポジションを整える日です。朝の反発がそのまま大引けまで続くとは限りません。
強気材料と弱気材料
強気材料
前日の下落率が大きかったため、短期的な自律反発は起こりやすくなっています。
- 日経平均が一日で2,500円超下落し、押し目買いが入りやすい
- 米ダウ平均とS&P500が上昇し、米国株全体は崩れていない
- 原油安が運輸、空運、電力・ガスなどのコスト負担を和らげる
- 半導体株が下げ止まれば、日経平均の戻りが速まる余地がある
弱気材料
一方、前日の急落を単純な行き過ぎとみなすには確認材料が足りません。
- 米ナスダックと半導体株の下落が続いている
- 前日はプライム市場の値下がり銘柄が1,000を超え、売りが広範囲だった
- 売買代金が膨らんでおり、短期筋だけでなく幅広い投資家が持ち高を減らした可能性がある
- FOMCと日銀会合を控え、金利・為替の不確実性が高い
当日の想定シナリオ
中心シナリオは、朝に自律反発を試した後、FOMCを控えて上値が重くなる展開です。ただし、先物、円相場、半導体株の三つが同じ方向を向くと値幅が拡大しやすくなります。
反発が続く条件
- 日経平均先物が現物終値を上回って推移する
- 半導体株に寄り付き後も買いが続く
- TOPIXとグロース250も上昇する
- プライム市場の値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回る
- 円相場と国内金利が急変しない
この条件がそろえば、前日の下げに対する買い戻しが市場全体へ広がったと判断しやすくなります。
下値を試す条件
- 先物が現物終値を下回る
- 半導体株が寄り付き後に安値を更新する
- 円高が急速に進む
- 上昇が銀行や内需など一部業種に限られる
- 前場の戻り局面で売買代金を伴う売りが出る
日経平均が再び6万2,000円を割り込む場合は、前日の安値圏で買いが入るかが焦点です。明確に下回って推移すれば、短期的な下値模索が続く可能性があります。
寄り付き・前場・後場で見るポイント
寄り付き:半導体株と指数の温度差
まず確認したいのは、日経平均の始値と半導体株の寄り付きです。指数が高く始まっても、主力半導体株が寄り天となれば反発の勢いは弱まります。
同時にTOPIXを見れば、買いが銀行、商社、内需などへ広がっているかを把握できます。
前場:値上がり銘柄数と2年債入札
前場中盤では、プライム市場の騰落数が重要になります。値上がり銘柄数が増え続ければ地合いの改善、減少すれば指数主導の一時的な反発と見分けられます。
10時30分の2年債入札後は、国内金利とドル円の反応を確認します。金利上昇と円高が同時に進む場合、輸出株には負担となります。
後場:戻り売りとイベント前の手控え
後場はFOMC結果発表を翌朝に控え、持ち高調整が出やすくなります。前場高値を更新できるか、あるいは大引けにかけて上げ幅を縮めるかが、反発の強さを測るポイントです。
特に確認したいのは次の三点です。
- 日経平均が6万2,000円台を維持できるか
- TOPIXが日経平均より底堅く推移するか
- 半導体株の売買代金が減り、下げ止まりの兆しが出るか
7月29日は、指数の上昇幅だけで強弱を判断しないことが大切です。半導体株の下げ止まり、騰落銘柄数の改善、円相場の安定がそろうかを確認し、翌朝のFOMC後に地合いが変わる可能性も残しておきたい一日です。
