9月25日(金)の東京株式市場は、日経平均株価が前日比850円21銭(1.30%)高の6万6364円20銭で引け、5日続伸となった。上げ幅は一時900円に迫る場面もあった。
ただし、強かったのは大型株だ。TOPIXが1.31%高と日経平均に並走した一方、東証グロース市場250指数は0.95%安で逆行安。同じ「上げた日」でも、投資家の資金は明確に片側へ寄っていた。
牽引役は2つ。東京エレクトロンやアドバンテストといったAI・半導体関連の大幅高と、日米の金利上昇を追い風にした銀行株である。そこに9月末の中間配当を取りにいく買いが重なった。
この立会日の要点
- 日経平均 6万6364円20銭(+850円21銭、+1.30%)で5日続伸
- TOPIX 4128.59(+53.29、+1.31%)、業種別の上昇トップは銀行業
- 東証グロース市場250指数は800.55(-7.64、-0.95%)と逆行安
- 次回立会日の9月28日(月)は9月末決算銘柄の権利付最終日
主要指標の確認(9月25日 15時30分終値ベース)
大引け時点の主な数字を並べると、指数間の温度差がはっきり出る。
| 指標 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 66,364.20 円 | +850.21 円(+1.30%) |
| TOPIX | 4,128.59 | +53.29(+1.31%) |
| 東証グロース市場250指数 | 800.55 | -7.64(-0.95%) |
TOPIXは始値4092.19から高値4132.11まで水準を切り上げ、ほぼ高値圏で終えた。前日終値は4075.30なので、寄り付きから一貫して買いが優勢だった1日だ。
一方のグロース250は始値806.09が当日高値で、安値795.71まで沈んだあとの引け。寄り天で売られ続けたグロースと、じり高で終えた大型株という対照的な足取りだった。
騰落と売買代金
- 東証プライムの値上がり銘柄は1100超、値下がりは400弱。騰落の広がりは上昇側に大きく偏った
- プライム市場の売買代金は9兆円台。商いが細って上がったわけではなく、それなりの資金が伴った上昇
- グロース市場の売買代金は2500億円規模にとどまり、資金の主戦場は依然プライムの大型株
なお、この日の日経平均は年初来高値(6月22日の7万2831円73銭)にはまだ距離がある。3月31日の安値5万558円91銭からは大きく戻したが、夏場の高値を取り返す途中という位置づけだ。
何が上昇を主導したのか
業種別騰落率で上昇トップに立ったのは銀行業、下落トップは情報・通信業だった。この並びが、この日の相場観をほぼ言い切っている。
金利上昇が素直に買われた
日本の10年国債利回りは3.0%台で推移している。8月には一時2.945%が話題になった水準だから、そこからさらに切り上がった格好だ。国内金利が上がれば、預貸利ざやの改善期待から銀行株が買われる。今回はその教科書どおりの動きが、米国の利上げ観測と重なって増幅された。
AI・半導体が指数を押し上げた
東京エレクトロン、アドバンテストなど値がさの半導体関連が大幅高となり、日経平均の上げ幅を稼いだ。日経平均が850円上がった一方でTOPIXの上昇率がほぼ同じだったのは、値がさ株だけでなく銀行など幅広い大型株が同時に買われたためだ。
配当の権利取りが下支えした
9月末に向けた中間配当の権利取り狙いの買いが、幅広い銘柄に広がった。これは相場の強さというより日程要因で、次回立会日の解釈に直結する。ここは後段であらためて触れる。
売られた側
情報・通信業が下落トップ、グロース250も下落。金利上昇局面では、将来キャッシュフローの割引率が上がる高PER・成長株ほど逆風を受けやすい。同じ「金利上昇」が、銀行株には追い風、グロース株には向かい風として同時に効いたのがこの日の構図である。
外部環境:金利と為替が主役
国内要因だけで説明できる1日ではなかった。
- 米金融政策:FRBは9月15〜16日のFOMCで3年ぶりとなる0.25%の利上げを決め、誘導目標を3.75〜4.00%とした。次回会合は10月27〜28日
- 為替:ドル円は158円台後半。9月中には一時159円台をつける場面もあり、円安基調が輸出関連の追い風として残っている
- 世界的な金利上昇:日米に限らず長期金利の上昇が続いており、これがバリュー株優位・グロース株劣位の地合いをつくっている
- 地政学・通商:原油価格の落ち着きや、米中・米イランをめぐる協議の報道が、リスク資産の重しをいくらか和らげた
円安と金利上昇が同時に進む局面は、輸出企業の採算と金融株の収益を同時に改善させる。今週の日本株が大型株主導で上げてきた背景には、この2つが並走したことがある。裏を返せば、どちらか一方が反転すれば主導セクターも入れ替わりやすい。
次回立会日(9月28日)の焦点
ここからは見通しの話であり、当日の事実整理とは切り分けて読んでほしい。
次に東京市場が開くのは9月28日(月)。この日は9月末決算銘柄の権利付最終日にあたる。9月30日(水)の権利確定日の2営業日前という計算だ。つまり、中間配当や優待を取りたい投資家が買いを入れられる最後の立会日になる。
日程要因のスケジュール
- 9月28日(月):権利付最終日。この日の大引け時点で保有していれば権利取得
- 9月29日(火):権利落ち日。配当相当分だけ指数に理論上の下押しが生じる
- 9月30日(水):権利確定日
権利取りの買いが今週の上昇の一因だったのなら、28日はその買いが最後にもう一段入る可能性がある反面、29日以降は反動が出やすい。28日の上昇を「地合いの強さ」と読むか「日程要因」と読むかで、その先の判断が変わる。
強気に働きうる材料
- 金利上昇が続く限り、銀行・保険などの金融株には買いが入りやすい
- 円安水準が維持されれば輸出関連の採算改善期待が残る
- 権利付最終日に向けた高配当銘柄への需要
弱気に働きうる材料
- 長期金利のさらなる上昇は、グロース株と不動産・内需ディフェンシブに逆風
- 5日続伸のあとで、利益確定売りが出やすい水準に来ている
- 権利落ち後の需給の空白。28日に買いが集中するほど、29日以降の反落幅は大きくなりやすい
- 10月27〜28日のFOMCに向けて利上げ観測が振れると、為替と米長期金利経由で日本株にも波及する
次に見るべきポイント
- グロース250が800ポイントを維持できるか。大型株が上げても指数が沈み続けるなら、資金の偏りはまだ解消していない
- 銀行株の物色が28日も続くか。業種別上昇トップの座を保てるかどうかが、金利テーマの持続性を測る目安になる
- ドル円158〜159円のレンジ。ここを上抜けるか、円高方向へ振れるかで輸出関連の扱いが変わる
- 10年国債利回りの3%台での動き。上昇加速なら金融株優位が続き、同時にグロース株の重しも強まる
- 権利落ち日(9月29日)の指数の消化。落ち分を当日中に埋められるかは、実需の強さを測る分かりやすい指標
5日続伸で水準を切り上げてきたぶん、次回は「上がったか下がったか」より「どのセクターが上がったか」を見たほうが地合いの実像に近づく。28日の値動きは日程要因で歪みやすい。そこを割り引いて読むところから、来週の相場は始まる。
参照リンク
- 日経平均大引け 5日続伸 850円高の6万6364円 – 日本経済新聞
- TOPIX(東証株価指数)リアルタイムチャート・推移 – 日本経済新聞
- 東証グロース市場250指数 – 日本経済新聞
- 国内株式指標 – 日本経済新聞
- 日経平均株価(998407.O) – Yahoo!ファイナンス
- 本日の【業種】騰落ランキング=大引け – 株探
- Japan Stock Market Index (JP225) – Trading Economics
- マーケット情報 相場回顧・為替市場 – 三井住友銀行
- 主要年限レート(長期金利等)ヒストリカルデータ – 日本相互証券
- 【株式】9月末権利確定銘柄について – 野村證券
- FOMCとは|開催日程や今後の見通しについて解説 – OANDA証券
