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電子カルテ・医療DX関連で注目したい日本株10選

電子カルテ・医療DX関連で注目したい日本株10選

電子カルテ・医療DX関連で注目したい日本株10選

※本稿は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任であり、内容は将来の成果を保証しません。

確認時点は2026年7月11日です。株価、PER、PBR、配当利回り、業績予想は、同日時点で参照できた株探掲載値と各社IR情報をもとに整理しています。

今回の結論を先に言えば、医療DX関連株は「電子カルテそのものを売る会社」と「医療データ、人材、病院業務の周辺を押さえる会社」で値動きの性格がかなり違います。安定感を重視するならソフトウェア・サービス、EMシステムズ、ファインデックス、成長性を取りに行くならJMDC、メドレー、MDVを分けて見るのが現実的です。

この記事で分かることは次の4点です。

  • 電子カルテ・医療DX関連10銘柄の違い
  • PER、PBR、売上、利益、配当から見た評価の重さ
  • 短期、中期、長期それぞれで見たい購入ラインと売却ライン
  • テーマ全体の追い風と、前提が崩れるリスク
目次

医療DX関連株を見る軸は「政策」よりも収益化の距離

医療DXは政策テーマとして分かりやすい一方、株価で差が出るのは実際に売上や利益へつながる距離です。

電子カルテ、病院情報システム、医療データ活用、オンライン診療、医療人材支援。どれも医療DXに含まれますが、投資対象としては同じではありません。

  • 電子カルテ系: 導入更新、保守、クラウド化が収益源
  • 医療データ系: データベースの規模と利活用先が焦点
  • 医療人材・診療支援系: 医療機関の人手不足が追い風
  • 大型プラットフォーム系: 成長期待は大きいがPERも高くなりやすい

医療機関は一度システムを入れると変更コストが高く、保守や追加開発が積み上がります。ここは強みです。一方で、病院側の予算、診療報酬改定、クラウド移行の遅れ、個人情報保護対応が重く、導入が一気に進むとは限りません。

ここがポイント: 医療DX関連株は「テーマの大きさ」だけで買うと割高銘柄をつかみやすい。売上成長、利益率、受注残、配当、信用需給をセットで見る必要があります。

10銘柄の比較一覧

まずは全体像です。購入ラインと売却ラインは売買指示ではなく、監視レンジとして整理しています。

銘柄役割評価向くスタイル監視したい購入ライン売却・見直しライン
ソフトウェア・サービス(3733)病院向け電子カルテ★★★★☆中長期13,000円前後15,000円接近、または受注鈍化
EMシステムズ(4820)調剤薬局・医療システム★★★★☆配当・中期750円前後850円台、または減益拡大
ファインデックス(3649)医療画像・文書管理★★★☆☆中期900円前後1,050円接近、または利益率低下
JMDC(4483)医療ビッグデータ★★★☆☆成長株・長期3,600円前後4,300円台、または成長鈍化
メディカル・データ・ビジョン(3902)診療データ活用★★☆☆☆短期・材料株1,500円台1,900円台、または黒字化期待後退
ソフトマックス(3671)Web型電子カルテ★★★☆☆小型成長340円前後400円台、または信用需給悪化
メドレー(4480)医療人材・診療支援★★★☆☆長期成長2,300円前後2,800円台、または利益計画未達
エムスリー(2413)医師向けプラットフォーム★★★☆☆大型成長2,000円前後2,400円台、または利益成長鈍化
Ubicom HD(3937)医療情報システム開発★★★☆☆配当・中期1,000円前後1,200円台、または増益鈍化
MRT(6034)医師紹介・遠隔医療★★☆☆☆短期・再建期待600円前後720円台、または黒字化遅れ

個別銘柄の見方

ここからは、10銘柄を同じ物差しで並べず、何で評価されやすいかを分けて見ます。

ソフトウェア・サービス(3733)

電子カルテ本命に最も近いのがソフトウェア・サービスです。病院向け電子カルテや情報伝達システムを扱い、保守サービスも収益を支えます。

株探掲載値では株価13,710円、PER12.0倍、PBR1.71倍、配当利回り1.24%。2026年10月期予想は売上高443億円、経常利益88.8億円です。利益水準に対してPERが極端に高くない点は、医療DX銘柄の中では見やすい材料です。

強気材料は、病院システムの更新需要と保守収入です。弱気材料は出来高の薄さで、参照時点の出来高は1,200株にとどまります。流動性を重視する短期筋には扱いにくい銘柄です。

  • 短期: 流動性が低く、急な売買には不向き
  • 中期: 13,000円前後までの押し目を監視
  • 長期: 受注と保守収入が崩れなければ候補
  • 見直しライン: 15,000円接近で割安感が薄れる、または受注鈍化

EMシステムズ(4820)

EMシステムズは調剤薬局向けシステムで知られ、電子カルテや介護支援にも関わります。医療DXの中でも、病院だけでなく薬局・介護まで含む周辺領域を押さえる銘柄です。

株価789円、PER20.3倍、PBR2.72倍、配当利回り4.94%。2025年12月期予想は売上高234億円、経常利益43.9億円、1株配当39円です。今期予想は売上・経常利益が減少見込みですが、最終利益と配当は支えがあります。

強気材料は高めの配当利回りと薬局向けシステムの基盤。弱気材料は、売上高と経常利益の減少予想です。成長株というより、還元を見ながら中期で拾う銘柄です。

  • 短期: 750円割れで反発確認
  • 中期: 750円前後を購入候補、850円台は利益確定検討
  • 長期: 配当維持が前提
  • 見直しライン: 減配、または経常減益の長期化

ファインデックス(3649)

ファインデックスは医療用画像管理システム「Claio」などを持ち、電子カルテ周辺の医療情報管理に強みがあります。病院内の紙・画像・検査情報をどうつなぐか、という実務寄りの医療DX銘柄です。

株価963円、PER21.2倍、PBR4.45倍、配当利回り1.77%。2025年12月期予想は売上高60.2億円、経常利益15.2億円です。売上は増える一方、経常利益は小幅減益予想で、成長期待だけを買い上げる局面ではありません。

強気材料は、医療情報・画像管理という更新需要のある領域です。弱気材料はPBR4倍台の評価で、利益成長が鈍ると株価の許容度が下がります。

  • 短期: 900円台前半で下げ止まり確認
  • 中期: 900円前後を監視
  • 長期: 医療文書管理の導入拡大が続くかを見る
  • 見直しライン: 1,050円接近、または利益率低下

JMDC(4483)

JMDCは匿名加工された医療データを活用し、製薬、保険、ヘルスケア領域へ展開する銘柄です。電子カルテそのものではなく、医療DXの成果で生まれるデータを使う側に近い会社です。

株価3,850円、PER34.0倍、PBR3.17倍。2026年3月期予想は売上高505億円、経常利益110億円です。売上は前期比21.0%増、経常利益は29.3%増の予想で、成長率は10銘柄の中でも目立ちます。

強気材料は、医療データ基盤の拡大と高い営業レバレッジです。弱気材料は、75日線・200日線に対する弱さが残る点と、PER30倍台の評価です。

  • 短期: 3,600円前後までの調整待ち
  • 中期: 決算で売上成長20%台を維持できるか確認
  • 長期: データ利活用市場の拡大を取る候補
  • 見直しライン: 4,300円台、または成長率の明確な鈍化

メディカル・データ・ビジョン(3902)

MDVは病院・診療情報のデータネットワークと、製薬向けデータ利活用が軸です。医療DXテーマの中では、業績回復期待と株価の勢いが強く出やすいタイプです。

株価1,689円、PER236倍、PBR22.35倍。2025年12月期予想は売上高68.6億円、経常利益5.0億円で黒字転換予想です。25日線から27.03%、75日線から118.68%、200日線から193.87%上にあるため、すでに期待をかなり織り込んでいます。

強気材料は黒字転換見通しと医療データ活用のテーマ性。弱気材料は、バリュエーションが非常に高く、信用倍率も12.75倍と買い残が重い点です。

  • 短期: 1,500円台までの調整待ち
  • 中期: 黒字転換の進捗確認が必要
  • 長期: 高PERを正当化する利益成長が条件
  • 見直しライン: 1,900円台、または黒字化期待の後退

ソフトマックス(3671)

ソフトマックスは病院向けWeb型電子カルテ、会計システムを主力とする小型の医療情報システム銘柄です。大手より値動きは軽い一方、信用需給の影響を受けやすい点に注意が必要です。

株価363円、PER18.2倍、PBR2.33倍、配当利回り2.75%。2025年12月期予想は売上高62.0億円、経常利益7.2億円です。売上は14.2%増予想ですが、最終利益は横ばいです。

強気材料は小型株としての値動きの軽さと、電子カルテの導入更新需要。弱気材料は買い残の多さで、売り残がほぼないため下落局面で需給が悪化しやすい構造です。

  • 短期: 340円前後で反発確認
  • 中期: 360円台で出来高増を伴う上抜けを確認
  • 長期: 利益率改善が見えるまで慎重
  • 見直しライン: 400円台、または信用買い残の増加

メドレー(4480)

メドレーは医療人材採用システムを主力に、オンライン診療や医療情報サービスも展開します。電子カルテだけでなく、病院・診療所の人手不足と業務効率化をまとめて見る銘柄です。

株価2,497円、PER59.2倍、PBR4.72倍。2025年12月期予想は売上高369億円、経常利益22.0億円です。売上は25.9%増予想ですが、経常利益は46.1%減予想で、投資先行局面と見られます。

強気材料は売上成長の高さと医療人材需要。弱気材料は利益の落ち込みとPERの高さです。売上成長を買う銘柄なので、利益回復のタイミングを外すと株価は重くなります。

  • 短期: 2,300円前後で押し目確認
  • 中期: 2,500円回復後の出来高を見る
  • 長期: 人材・診療支援の複合成長を狙う候補
  • 見直しライン: 2,800円台、または利益計画未達

エムスリー(2413)

エムスリーは医師向けサイト、製薬会社向けマーケティング支援、遠隔医療などを持つ大型の医療プラットフォーム銘柄です。個別病院システムよりも、医療従事者ネットワークを押さえる会社です。

株価2,128.5円、PER32.0倍、PBR3.72倍。2026年3月期予想は売上高3,600億円、経常利益700億円です。売上は26.4%増、経常利益は8.0%増予想で、売上成長に比べると利益成長は控えめです。

強気材料は医師ネットワークの規模と大型株としての流動性。弱気材料は、買い残が多く信用倍率15.93倍と需給が重い点です。

  • 短期: 2,000円前後で下値確認
  • 中期: 2,400円台では利益確定も検討
  • 長期: 利益成長が二桁に戻るかを見る
  • 見直しライン: 2,000円割れ定着、または経常利益の伸び鈍化

Ubicomホールディングス(3937)

Ubicom HDはシステム開発会社ですが、医療情報システムの開発・販売に強みがあります。医療DXの直接銘柄というより、開発力と医療システムを組み合わせる中型候補です。

株価1,089円、PER13.9倍、PBR2.38倍、配当利回り3.67%。2026年3月期予想は売上高65.7億円、経常利益13.6億円です。PERと配当利回りのバランスは悪くありません。

強気材料は増益予想と高めの配当利回り。弱気材料は、売上成長が3.7%予想にとどまり、医療DXテーマの高成長イメージとは距離がある点です。

  • 短期: 1,000円前後で押し目確認
  • 中期: 配当を見ながら保有候補
  • 長期: 医療情報システムの成長加速が条件
  • 見直しライン: 1,200円台、または売上成長の鈍化

MRT(6034)

MRTは非常勤医師紹介、遠隔診療、健康相談サービスを提供します。電子カルテ銘柄ではありませんが、医療人材不足と遠隔医療を通じて医療DXの周辺需要を拾う銘柄です。

株価644円、PER44.5倍、PBR0.81倍。2025年12月期予想は売上高45.0億円、経常利益1.5億円で黒字転換予想です。PBRは低い一方、利益水準が小さくPERは高めです。

強気材料は黒字転換見通しとPBR1倍割れ。弱気材料は出来高3,000株と流動性が低く、業績回復の確度を決算で確認する必要がある点です。

  • 短期: 600円前後で出来高増を確認
  • 中期: 黒字化の進捗を見て判断
  • 長期: 利益規模が拡大するまで慎重
  • 見直しライン: 720円台、または黒字化遅れ

投資スタイル別の使い分け

同じ医療DXでも、狙う時間軸で候補は変わります。

短期で見るなら材料株と需給を優先

短期ではMDV、ソフトマックス、MRTが動きやすい候補です。ただし、いずれも信用需給や出来高の偏りがあります。

  • MDV: 上昇率が大きく、高PER。押し目待ちが基本
  • ソフトマックス: 小型で軽いが、信用買い残に注意
  • MRT: 黒字転換期待はあるが、流動性が低い

短期では「テーマが強い」よりも、出来高が増えて上値を追えるかが重要です。

中期では業績と配当のバランスを見る

中期ではソフトウェア・サービス、EMシステムズ、ファインデックス、Ubicom HDが見やすい候補です。

利益水準、配当、PERのバランスが比較しやすく、決算ごとに評価を更新できます。特にEMシステムズとUbicom HDは配当利回りも判断材料になります。

長期ではデータ基盤とプラットフォームを追う

長期ではJMDC、メドレー、エムスリーが中心です。

この3社はPERが低いから買う銘柄ではありません。売上成長、データや会員基盤の拡大、利益率の改善が続くかを見る銘柄です。成長鈍化が見えたときは、バリュエーション調整が大きくなりやすい点を忘れてはいけません。

共通リスクと前提が崩れる条件

医療DX関連株の共通リスクは、政策テーマとしての強さと企業業績のタイミングがずれることです。

注意したいのは次の点です。

  • 病院のIT投資予算が想定より伸びない
  • 電子カルテやデータ連携の標準化が遅れる
  • 個人情報保護・セキュリティ対応コストが増える
  • 高PER銘柄で利益成長が鈍る
  • 小型株で信用買い残が重くなる
  • 大型株では指数や海外金利の影響を受ける

医療DXは長期テーマですが、銘柄ごとの株価は決算、受注、配当、信用需給で動きます。特にMDV、メドレー、JMDCのような成長期待銘柄は、好材料が出ても「すでに株価に織り込まれている」場面があります。

次に見るべきポイント

次回以降の決算で見るべき点は、銘柄ごとに違います。

  • ソフトウェア・サービス: 受注と保守収入の安定性
  • EMシステムズ: 減益予想からの回復と配当維持
  • ファインデックス: 医療システムの利益率
  • JMDC: 売上20%成長の継続
  • MDV: 黒字転換後の利益水準
  • ソフトマックス: 売上増に対する利益の伸び
  • メドレー: 投資先行後の利益回復時期
  • エムスリー: 売上成長と利益成長の差
  • Ubicom HD: 医療情報システムの成長加速
  • MRT: 黒字化の持続性

医療DX関連株は、テーマだけで一括りにすると判断を誤りやすい分野です。次の決算では、電子カルテの更新需要が売上に乗る銘柄、医療データ活用が利益に変わる銘柄、人材・遠隔診療の回復が見える銘柄を分けて確認したいところです。

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