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9月28日の日本株、6万6000円台からの一週間 ― 権利付き最終日と米5%金利が同時に来る朝

夜明け前の東京の金融街と株価ボードをイメージした横長のアイキャッチ画像。

9月28日の日本株、6万6000円台からの一週間 ― 権利付き最終日と米5%金利が同時に来る朝

28日の東京市場は、需給の追い風と金利の重しが正面からぶつかる一日になりそうだ。

追い風のほうは分かりやすい。この日は9月末決算銘柄の権利付き最終日にあたる。大引けにかけて配当再投資を見込んだ先物買いが入るとされ、市場では1.6兆円規模との試算も出ている。前週末の日経平均は850円高の6万6364円で5日続伸、シカゴの日経平均先物も現物終値をやや上回る6万6455円で帰ってきた。

重しのほうも軽くない。米10年債利回りは週内に5.22%台と2007年以来の高水準を付け、25日の終値でも5.17%。CMEのFedWatchが示す年内利上げ確率は約67%まで上がっている。加えて、片山財務相とベッセント米財務長官の電話会談を受けて、ドル円は158円台から156円94銭まで押し戻された。

朝のうちに押さえておきたい4点

  • 日経平均は6万6364円(+850円、5日続伸)、TOPIXも4128.59と揃って上昇して週を終えた
  • ただしグロース市場は続落。資金はプライムの大型株に偏っている
  • 米国株は3指数そろって高いが、主因は原油安と金利上昇一服という「悪材料の後退」
  • 28日は権利付き最終日。29日は権利落ち日にあたり、指数の見かけの下げ幅に注意が要る
目次

前営業日(9月25日)の東京市場 ― 上げの中身は半導体と銀行

25日の日経平均株価は前日比850円21銭(1.30%)高の6万6364円20銭。TOPIXも53.29ポイント高の4128.59と、指数の上げ幅はほぼ同率だった。東証プライムの売買代金は7兆8008億円、売買高は21億4920万株で、5営業日連続の上昇としては薄商いではない。

上昇を引っ張ったのは二つの塊だ。

  • AI・半導体関連:日経平均への寄与度が大きい銘柄群が引き続き買われ、指数を押し上げた
  • 銀行など金融株:長期金利の上昇基調が続くなか、利ざや改善期待が素直に買いにつながった

一方で東証グロース市場指数、東証グロース市場250指数はそろって続落した。金利が上がる局面で高PERの中小型グロースが売られ、資金がプライムの大型株へ向かうという、教科書どおりの動きが出ている。指数の上げだけを見て「全面高」と受け取ると、実際の物色の偏りを見誤る。

国内債券に目を移すと、25日の10年債利回りは3.049%近辺、債券先物は124円35銭で引けた。日本の長期金利も高い水準にあり、これが銀行株の買い材料であると同時に、グロース市場の重荷にもなっている。

前夜の海外市場 ― 「原油安・金利上昇一服」で戻した米国株

25日の米国市場は3指数がそろって上昇した。

指数終値前日比
NYダウ51,828.62+478.64(+0.93%)4日ぶり反発
S&P5007,743.41+39.28(+0.51%)
ナスダック総合27,068.72+129.35(+0.48%)

セクターではソフトウエア・サービスとテクノロジー・ハード/機器が買われ、エネルギーが下落した。上昇の理由が「新しい好材料」ではなく「悪材料の後退」だった点は押さえておきたい。

きっかけは中東と原油

イラン外相がホルムズ海峡の開放を提案し、米イラン協議の進展観測が広がった。これを受けてWTI原油11月限は前日比2.20ドル安の1バレル92.41ドルと3日ぶりに反落。供給不安の後退がインフレ懸念をいったん和らげ、株式の買い戻しにつながった。

金利は「高止まりのまま横ばい」

米債券市場は方向感を欠いた。2年債4.86%(前日比−3bp)、10年債5.17%(同−3bp)に対し、30年債は5.49%(同+3bp)と逆方向。カーブはやや立った。低下といっても3bpであり、水準そのものは依然として20年近く見なかった高さにある。株高の背景を「金利低下」と要約してしまうと実態から離れる。

寄り付き前の外部環境 ― 先物・為替・金利

  • シカゴ日経平均先物:清算値6万6455円。25日の現物終値6万6364円をわずかに上回る水準で、寄り付きは高安まちまちからやや買い優勢を想定しやすい
  • ドル円:NY終値156円94銭(高値157円77銭)。25日の東京時間には158円台後半で推移していたため、海外時間に1円以上の円高方向への振れが起きている
  • ユーロ円:178円92銭、ユーロドル1.1411ドル
  • 米長期金利:10年5.17%、30年5.49%
  • WTI原油:92.41ドル

為替の振れには明確な材料がある。片山財務相がベッセント米財務長官と電話会談し、「円の過小評価は問題」との認識を確認したと伝わったことで、当局による円安是正への警戒が強まり、円買い戻しが優勢になった。輸出関連にとっては、25日の東京時間に見ていた為替水準がそのまま続いているわけではない、という点が朝の前提になる。

ここがポイント: 米国は「利下げ待ち」ではなく年内利上げ確率67%の世界にいる。日本側も長期金利3%台で日銀の追加利上げ観測がくすぶる。金利上昇が銀行株を押し上げ、グロース株を押し下げる構図は、28日も継続しているかどうかを最初に確認したい。

28日の注目材料 ― 需給イベントが指標より重い

この日の国内発表そのものは大型ではない。

  • 日銀金融政策決定会合の議事要旨
  • 8月の企業向けサービス価格指数
  • しまむらの決算

議事要旨は、追加利上げに向けた議論の温度を測る材料になる。ただし28日の値動きへの影響という点では、指標よりも権利取りの需給のほうが効きやすい。

権利付き最終日をどう見るか

9月末が権利確定日の銘柄では、28日(月)が権利付き最終日、29日(火)が権利落ち日、30日(水)が権利確定日となる。配当権利が確定する上場企業は約2300社にのぼる。

  • 28日大引けにかけて、配当再投資を見込んだ先物買い需要が入りやすい
  • その規模は1.6兆円程度との試算がある
  • 29日は権利落ちの分だけ指数が機械的に下がる。前日比のマイナスをそのまま地合い悪化と読まない

強気材料と弱気材料

強気側

  • 5営業日続伸で日経平均は6万6000円台を回復。売買代金7.8兆円と商いも細っていない
  • 原油反落と中東情勢の緊張緩和観測が、インフレ・金利の上振れリスクをいったん和らげた
  • 権利付き最終日の配当再投資という、実弾の買い需要が控えている
  • 米国株はソフトウエア・半導体が主導。日本のAI・半導体関連に素直につながりやすい

弱気側

  • 米10年債5.17%、30年債5.49%という水準は株式のバリュエーションに逆風。年内利上げ確率は約67%
  • 日本の10年債利回りも3.049%。日銀の追加利上げ観測が消えていない
  • グロース250は続落。相場の裾野が広がっておらず、上げが一部の大型株に依存している
  • 円安是正への当局の姿勢が明確になり、為替が輸出株の追い風であり続ける保証はなくなった
  • 中東を巡る観測は協議段階であり、後退すれば原油と金利が再び上を向く

条件付きのシナリオ

  • 上抜けケース:先物が6万6400円台を維持して寄り付き、銀行・半導体の双方が買われるなら、8月中旬以降に上値を抑えてきた75日移動平均線を試す展開。ここを明確に上抜ければ、売り方の買い戻しが加わりやすい
  • もみ合いケース:権利取りの買いで下値は堅いが、金利水準を嫌気して上値も追えず、6万6000円台での小動き
  • 下押しケース:ドル円が156円台前半へさらに円高方向へ振れる、あるいは米金利が再び5.2%台を試すなら、輸出株とグロース株の両方が売られ、指数は6万5000円台へ

市場関係者が示す今週の日経平均の想定レンジは、おおむね6万4500円〜6万8000円に収まっている。

立会時間中に見るポイント

寄り付き(9:00)

  • 先物6万6455円に対し、現物がどの程度のギャップで始まるか
  • 権利取り狙いの買いが高配当セクター(銀行、商社、海運など)に入っているか
  • 朝の為替が157円台を回復しているか、156円台に沈んだままか

前場

  • 東証プライムの売買代金が前週末の7.8兆円ペースを保てるか
  • グロース250が6営業日目の続落となるか、反発に転じるか。ここが反転すれば物色の裾野が広がったサイン
  • 日本の長期金利が3.05%を上抜けるかどうか。銀行株の勢いと連動しやすい

後場・大引け

  • 配当再投資に絡む先物買いが、実際に大引けにかけて出るか。引け値の伸びで確認できる
  • 権利取りの買いが一巡した後の失速がないか
  • 翌29日の権利落ちを見越した手仕舞い売りが、後場のどこで出てくるか

今週の残りの日程

  • 9月29日(火):権利落ち日。景気先行CI指数・一致指数(7月)、月例経済報告(9月)、米消費者信頼感指数、米JOLTS求人件数
  • 9月30日(水):8月鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工件数、米コアPCE価格指数、マイクロン・テクノロジー決算
  • 10月1日(木):日銀短観(大企業製造業DI)、米ISM製造業景況指数
  • 10月2日(金):米雇用統計

コアPCEが上振れればドル買い・金利上昇が再燃し、日銀短観が強ければ国内の追加利上げ観測が前に出る。今週は日米どちらの中央銀行も「引き締め方向の材料」を受け取る可能性がある週で、金利上昇が株式にとって銀行株の追い風で済むのか、バリュエーションの重しに変わるのかの分岐がここで見える。

要点の再確認

  • 28日の主役は指標ではなく権利取りの需給。大引けの先物買いが出るかを実際の値動きで確認する
  • 29日の権利落ち分を地合い悪化と混同しない
  • グロース250の続落が止まるかどうかが、相場の広がりを測る一番わかりやすい物差し
  • 為替は157円前後が意識される水準。当局の発言が続くかどうかで輸出株の前提が変わる
  • 75日移動平均線を上抜けるかが、今週のテクニカル上の焦点

本稿の数値は2026年9月26日朝(日本時間)までに確認できた前営業日および海外市場の終値・清算値にもとづく。寄り付き前時点で当日の水準は未確定であり、9:00以降の現物の寄り付き値、日中の為替、日本の長期金利をあらためて確認したうえで判断してほしい。

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