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米金利と原油高が重荷、全国CPI後の値動きを見極める8月21日の日本株

夜明けの東京で日本株の寄り付き前データを確認する市場モニター。

米金利と原油高が重荷、全国CPI後の値動きを見極める8月21日の日本株

8月21日の日本株は、前日の反発を引き継ぐよりも、米国株安と金利上昇をどう吸収するかが焦点です。前夜の米国市場では主要3指数がそろって下落。原油高とインフレ懸念が米長期金利を押し上げ、株式の割高感が改めて意識されました。

国内では午前8時30分に7月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。寄り付き前の日経平均先物、ドル円、国内債券がCPIを受けて動く可能性があるため、午前8時時点の気配だけで方向を決めつけないことが重要です。

  • 前営業日の日経平均は3日ぶりに反発し、6万6216円で終了
  • 前夜の米国株はS&P500が0.9%安、ダウが1.3%安、ナスダックが1.0%安
  • 米国では原油高、インフレ懸念、国債利回りの上昇が株価を圧迫
  • 国内では8時30分の全国CPIと、その後の円・金利の反応が最大の焦点
目次

8月20日の日本市場は反発したが、戻りの勢いは限定的

20日の東京市場では、日経平均株価が前日比890円高の6万6216円となり、3営業日ぶりに反発しました。TOPIXも上昇しています。

米財務省による長期国債の買い入れ拡大方針を受け、前日の米金利が低下したことが買い戻しを促しました。日経平均は午前中に一時1000円近く上昇しています。

ただし、18日と19日の2日間で日経平均が約4000円下げた後だけに、20日の上昇には自律反発の性格もありました。後場は新たな国内材料に乏しく、高値圏でもみ合っています。

前営業日の地合いを読むうえでは、次の2点を分けて考える必要があります。

  • 確認できた事実: 日経平均とTOPIXは反発し、急落後の買い戻しが入った
  • 残った弱さ: 下落分を取り戻すほどの買いは続かず、後場には上値の重さが表れた

東証グロース市場250指数、プライム市場の売買代金、騰落銘柄数は、寄り付き前にJPXなどの確定データで併せて確認したいところです。日経平均だけが値がさ株主導で動いたのか、市場全体にも買いが広がったのかを見分ける材料になります。

前夜の米国市場は金利上昇で全面安

20日の米国市場では、S&P500が66.82ポイント安の7641.16、ダウ工業株30種平均が703.84ドル安の5万2759.21、ナスダック総合指数が263.92ポイント安の2万6067.17で取引を終えました。

下げの中心にあったのは、再び強まった債券市場への警戒です。

米財務省による長期国債の買い入れ拡大は、前日の金利低下につながりました。しかし、その効果は長続きせず、原油高やインフレ、米政府債務への懸念から国債利回りが再上昇しました。金利上昇は企業や家計の資金調達費用を増やすだけでなく、将来利益の現在価値を押し下げるため、高PERのハイテク株やグロース株に逆風となります。

ブレント原油は、米国とイランを巡る緊張を背景に2.4%上昇しました。原油高が続けば、エネルギー関連には追い風となる一方、航空、陸運、化学など燃料・原材料費の影響を受けやすい業種には負担です。

寄り付き前は先物・為替・金利をセットで確認

午前8時時点では、海外市場の株安だけを見て東京市場の下落幅を決めつけるのは早計です。8時30分の全国CPIを受け、日経平均先物、ドル円、国内長期金利の方向が変わる可能性があります。

日経平均先物

先物が20日の現物終値6万6216円を明確に下回る状態なら、寄り付きは売り優勢になりやすくなります。ただし、現物取引開始までにCPIと為替を織り込むため、8時30分前後の変化を確認する必要があります。

見るべきなのは水準だけではありません。

  • CPI発表後に安値を切り下げるか
  • 下落しても短時間で買い戻されるか
  • 現物の寄り付き後、先物主導で下げが加速するか

ドル円と国内長期金利

CPIが市場予想を上回れば、日銀の追加利上げ観測が強まり、国内金利の上昇や円高につながる可能性があります。この場合、銀行や保険には金利上昇が追い風となり得る一方、輸出株や高PERのグロース株には重荷です。

反対に、CPIが予想を下回り、円安方向へ動けば輸出関連株の下支えになります。ただし、円安と原油高が同時に進めば、輸入コストの増加が内需企業を圧迫します。

ここがポイント: 21日朝は「CPIが強いか弱いか」だけでなく、発表後に円と国内金利がどちらへ動くかが、日本株の業種選別を左右します。

8月21日の注目イベント

当日の最重要材料は、取引開始前に発表される全国CPIです。物価の基調が強ければ、日銀の政策正常化を巡る思惑が強まりやすくなります。

  • 8時30分: 7月全国消費者物価指数
  • 9時: 東京株式市場が取引開始
  • 前場: CPIを受けた円相場、国内長期金利、銀行株と輸出株の反応
  • 16時ごろ: 日本銀行が「実質輸出入の動向」を公表予定
  • 海外時間: ドイツ4〜6月期GDP確報値

日銀の「実質輸出入の動向」は大引け後の公表予定なので、21日の現物市場に直接織り込まれる時間は限られます。週明けの景気判断や為替感応度を見る補足材料として位置付けるのが妥当です。

強気材料と弱気材料

21日の相場には、押し目買いを支える材料と、戻りを抑える材料が併存しています。

強気材料

  • 日経平均は直近2日間の急落後で、値ごろ感を意識した買いが入りやすい
  • 20日に日経平均とTOPIXが反発し、下値での買い需要が確認された
  • CPIが予想範囲内なら、国内金利上昇への過度な警戒が後退する余地がある
  • 円安が維持されれば、輸出関連株の収益期待を支えやすい

弱気材料

  • 米主要3指数がそろって下落し、とくに金利に敏感な成長株へ逆風が吹いている
  • 原油高がインフレ懸念を強め、米長期金利を押し上げている
  • 20日の反発は直前の下落幅に比べて小さく、後場には買いの勢いが鈍った
  • CPI上振れで円高と国内金利上昇が同時に進めば、指数寄与度の高い輸出株や半導体株が売られやすい

想定シナリオはCPI後の反応で分ける

中心シナリオは、米国株安を受けて慎重に始まり、CPI後の為替と金利を見ながら業種ごとの強弱が分かれる展開です。

CPIが予想範囲内の場合

寄り付き直後の売りが一巡すれば、急落後の押し目買いが入りやすくなります。日経平均が6万6000円近辺を保てるかが、短期的な地合いを判断する目安です。

ただし、前日の高値を追うには、半導体株だけでなくTOPIX型の大型株や内需株にも買いが広がる必要があります。

CPIが上振れた場合

円高と国内金利上昇が進めば、輸出株やグロース株への売りが先行する可能性があります。一方、銀行・保険などには相対的な資金流入が起こり得ます。

日経平均が下げてもTOPIXが相対的に底堅ければ、全面的なリスク回避ではなく、金利上昇を受けた業種交代と判断しやすくなります。

CPIが下振れた場合

追加利上げ観測の後退から円安が進めば、輸出株には追い風です。ただし、原油高を伴う円安は国内企業のコスト増につながるため、内需株まで一様に買われるとは限りません。

寄り付き・前場・後場で見るポイント

時間帯ごとに確認対象を絞ると、値動きの意味を捉えやすくなります。

寄り付き

  • 日経平均先物が現物終値に対してどの程度の下落を示すか
  • 半導体・AI関連株が米ナスダック安を織り込んだ後に下げ渋るか
  • CPIを受け、銀行株と輸出株の方向が分かれるか

前場

  • 日経平均が6万6000円近辺を維持できるか
  • TOPIXと東証グロース市場250指数が日経平均に追随するか
  • 値上がり銘柄数が増え、買いが市場全体へ広がるか
  • ドル円と国内長期金利がCPI直後の方向を保つか

後場

  • アジア株の動きが東京市場の買い戻しを支えるか
  • 前日のように高値圏で買いが止まり、上値が重くならないか
  • 週末を前にポジション調整が強まり、先物主導で値幅が拡大しないか

終値の上下だけでなく、日経平均とTOPIXの差、騰落銘柄数、グロース株の反応を確認することが大切です。 日経平均が下落してもTOPIXが底堅ければ、値がさ株中心の調整にとどまっている可能性があります。

21日に最初に見るべき順番は、全国CPI、ドル円、国内長期金利、日経平均先物です。その後は6万6000円近辺の攻防と、銀行・輸出・半導体・グロースのどこに資金が向かうかを追うと、週末の地合いを判断しやすくなります。

※本記事は市場情報の整理を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。

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